東京大学理科Ⅲ類合格者インタビュー

2012年東京大学理Ⅲ合格 三輪 泰暉さん合格体験談

研修医の方がすごくやりがいがあるっておっしゃってて、僕もそうなりたいなって思ったんです。

レクサスの「実践英語のフィールド・トリップ」でシアトルに行きましたね、高1の時。

はい。

英語の勉強になりましたか?

ええ。中学の時から英語は好きだったんですけど、シアトルに行ってますます好きになりました。でも、発音が通じなかったことがあって…

ほう。それはいったい…?

スーパーに買い物に行って、文房具コーナーどこですかって訊いたときだったかな。"back-to-school"って言ったんですけど、わかってくれなかったんです。

"back-to-school"「新学期の」という意味ですね。

"school"が、なかなか通じなかったみたいで。日本人慣れした先生には通じましたけど、現地の人としゃべると違うんだなあって。それも刺激になりました。

今度、レクサスのメディカル・キャリア体験プログラムでニューヨーク医学部研修がありますね。

ぜひ行きたいです。シアトルも刺激的で勉強になりましたが、今度はニューヨークのメディカル・スクールですからね。ゆくゆくは、アメリカでも医師の資格をとって仕事をしたいので。

アメリカで医師の仕事をするための方法は、インタビューが終わってから詳しく話しましょう(笑)。ところで、理Ⅲに入ってどうですか?

人数が少ないんで、みんな仲いいですよ。

理Ⅲには、変人が多くないですか?(笑)

そんなことないです(笑)

理Ⅲに受かる手応えを感じたのは、いつですか?

センター試験の後ですね。英語は中2からやってたんでわりとよかったんですけど、数学がほんとに全然ダメで、ほんとに数学が伸びたと思ったのはセンターの後だったんです。駿台の東大実戦でも60点が最高で、まずいなって思ってたんですが最後に受けた模試で100点とって、ああこれで数学大丈夫だって思いました。試験1週間前でした。

ほんとに直前だ(笑)。で、本番はどうでした?

数学が120点中74点、英語も120点中74点、物理が60点中48点、化学が60点中42点、国語が80点中54点でした。
結局は国語に救われたんですよ。国語もずっとできなかった科目で、それまでの最高は30点しか取れてなかったんですけど、最後の最後、入試の直前になって、現代文でひとつ、つかめたことがあったんです。

どんなことが「つかめた」んですか?

国語はですね、大事なのは単語だな、ということですね。

そのココロは?

何か問われたら、それに一言でバーンと答えたい、という傾向が男子にはあるみたいで、僕も基本、解答が短かったんですね。それに気づいたんで、解答の文字数を増やしたんです。

どうやったんですか?

まず、文章を読むとき、単語にマルをつけていったんですよ。似たような意味の単語でもいくつかあるわけじゃないですか。でも筆者はその単語を選んでる、そこには何か意味があるはずだ、みたいな考え方で、単語にこだわるようにして。

なるほど、だから「国語は単語」なわけですね。

ええ。それで、訊かれてることに忠実に答えるために、答案には、重要だなって思う単語をかき集めてつなげて文章にするっていう形にして、書けることは全部書いてやろうってしたんです。

それまでは、それほど忠実には読んでいなかった?

たぶん、文章をナナメ読みしてたんだと思うんですよ。それを、一字一句にこだわるようになって、細かいところまで読んで細かいところまで書くようになったから、文章が増えたんだと思います。先生にも「変わったな」と言われました。

ナナメ読みで趣旨をとらえていたと思ったら外れていたと。

そうですね。もともと小説の問題は得意だったんです。小説はよく読みますし。ただふだんの読書はすごく速く読んじゃうんですよ。論説が苦手だったのは、そのせいだったんじゃないかと思います。あれはほんとにゆっくり読むものですから。そういう方法が、なかなかつかめてなかったんだと思います。

小説は、たくさん読んでいれば大丈夫だと思う?

小説が得意なのは、ぼくの性質だと思います。

どんな性質でしょう?

人の心を考えたり。

ふだんから?

そうですね。それに対して、論説はある程度技術だと思います。ただ単語が難しいので、慣れておく必要があると思います。

国語の「単語集」みたいなのを勉強する必要はあると思いますか?

そこまでは要らないと思います。文章を読んで慣れればいいんじゃないでしょうか。

ところで、もしもですけど、理Ⅲが無理そうだったらどうしてました?東大のほかの科類にするか、それともほかの医学部にするか…

きっと他の医学部を受けてましたね。

医者になろうっていう気持ちは固かったんですね。医者になろうと思った理由は?

医者はまあ、高校生になるころ、何になりたいか考えたとき、受験も理系か文系か決めるときでしたし、よく知らないので、医者とかカッコイイなあ、って何となく思って。
そしたら、知り合いの病院に何人かで泊まりで病院を見学するツアーに参加できる機会があって、ウラまで見せてくださったり、お話を聞いたりして、いい仕事だなあと思うようになって。で、医者になろうって決意して、医学部に決めました。

どんな話を聞きました?

いちばん印象に残ってるのは、大学を卒業したばかりの、年齢もそんなに変わらない研修医の方だったんですけど、毎日睡眠4時間ぐらいでめちゃくちゃハードだけど、すごくやり甲斐があるっておっしゃってて、僕もそうなりたいなって思ったんです。

なるほど。では将来は…

東大は2年までは教養なんで、3年以降に医学の勉強をしたり、研修やったりしてからまた考えたいとは思ってますが、できれば海外でも医師の仕事をしたいと思っています。