関西医科大学 医学部
一般選抜
入試問題の傾向と対策
医学部予備校 レクサス教育センターが分析した入試傾向と対策を公開します。是非お役立てください。
数学
関西医科大学 一般選抜 出題傾向 数学
傾向と対策の概要
関西医科大学の数学の入試問題は、全体的に「標準的な難易度」であると評価され続けていますが、出題される問題の「量と質」が高く、試験時間90分で全てを解き切ることは困難であるという傾向が続いています。
特に2018年度以降、出題形式が毎年頻繁に変更され、記述式問題の割合が増加し、2023年度以降はほとんどの設問で導出過程の記述が求められています。このため、基礎的な計算力に加え、筋道を立てて明快に説明する記述力と時間配分能力が極めて重要となっています。
試験形式の安定性と構成
| 年度 | 大問数 | 試験時間 | 形式の傾向 |
|---|---|---|---|
| 2018-2021 | 4題 | 90分 | 空所補充と記述の混合(記述が増加傾向) |
| 2022 | 5題 | 90分 | 空所補充(小問)と記述の混合 |
| 2023-2025 | 4題 | 90分 | ほぼ全問記述式(導出過程の記述必須) |
形式に関するポイント
- 安定している点: 試験時間は一貫して90分です。大問数は4題構成が基本ですが、2022年度には5題となるなど、年によって変動が見られます。
- 構成の傾向: 空所補充形式が採用される場合でも、大問の導入部や小問の一部に留まる傾向があります。
試験形式の大きな変化
関西医科大の数学の入試形式は、ここ数年(2018年度以降)毎年変更があることが最大の特徴であり、大きな変化を続けています。
記述式の導入と増加 (2018年以降)
2017年度までは全問空所補充形式でしたが、2018年度に大問1題が記述式となりました。2019年度(後期)には大問4題すべてが記述式となり、記述問題が過半数を占める傾向が確立しました。
導出過程記述の義務化 (2023年以降)
2023年度は全問について導出過程の記述が求められる形式となりました。この形式は2024年度、2025年度も継続しており、現在の出題形式の主流となっています。
図示問題の頻出
空所補充形式だった2016・2017年度にも図示問題が出題されていましたが、記述式の大問で図示が求められるケースが増えています。特に2020年度は3つ、2021年度は2つの図示が要求されました。適切な図やグラフを添えることが、答案の明晰さを保つ上で重要です。
その他の新機軸
2023年度のIVでは、問題①と問題②からいずれか一方を選択して解答する形式が採用されました。
出題分野や出題テーマの傾向
出題範囲は全分野にわたりますが、特に微分積分、数列、複素数平面、確率・場合の数が頻繁に出題され、これらの分野が複合された問題が多く見られます。
| 分野 | 傾向と特徴 |
|---|---|
| 微分積分 | 関数の増減、最大値・最小値、グラフの概形の記述や、面積・体積(回転体)の計算が頻出です。 |
| 数列・極限 | 漸化式を解く問題が頻出であり、変形パターンを習得しておく必要があります。特にネイピア数 $e$ の定義に関する極限計算は頻出の形です。確率との融合問題として出題されることもあります。 |
| 複素数平面 | 軌跡(アポロニウスの円を含む)や複素数の変換、1の$n$乗根(特に7乗根など)に関する問題が頻繁に出されています。 |
| 確率・場合の数 | 条件付き確率や、順列・組合せの数え上げが細かく問われます。記述式の解答を作成する際には、事象をA, Bなどで定義して論述を明快にすることが推奨されています。 |
| 図形・ベクトル | 幾何学的性質(例:方べきの定理、共通接線の長さ)や、外心・垂心・重心といった三角形の五心に関する位置ベクトルの利用が求められます。特に2023年のベクトル問題では、内部計算の重要性が示されました。 |
| 整数問題 | 整数解の組を求める問題、2乗の差($n^2-m^2$)を利用した整数論、あるいは特殊な位取り記数法((-2)進法に類するものなど)など、思考力を要する問題が出題されます。 |
特徴的な傾向
高度な分野横断型(融合問題)
2024年度のIのように、相関係数を求める問題の中に数列、複素数、三角関数を組み合わせるといった、複数の分野にまたがる複雑な問題が出題されています。
媒介変数表示曲線の重視
媒介変数で表された曲線の概形図示、面積、回転体の体積を求める問題がしばしば出題されます。変数の置き換え(置換積分)や、対称性を利用した簡潔な処理が求められます。
誘導形式の連動性
大問内の小問は連続した誘導形式となっており、特に最初の方の設問((1)など)が、その後の問題を解くための重要な鍵やベースとなる構造が明確です。導入部分での計算ミスは致命的になり得ます。
対策
1. 記述力の徹底強化
- 明晰な論述: 筋道がわかり易く、明晰な解答が書けるよう、記述力を養う必要があります。特に2023年度以降、導出過程の記述が必須となっているため、普段の学習から解答過程を省略しない練習が必要です。
- 図表の活用: 適切なグラフや表を用いて、視覚的にわかりやすい答案を作成する訓練を積んでください。極限値(例:$x \to +0$)なども含め、定義域の端点での挙動を正確に図示できるよう練習が必要です。
2. 制限時間内での処理能力向上
- 量と質への対応: 90分という時間に対して出題の「量と質」が高いことから、計算間違いのないよう、スピーディーに問題を解き進められるよう練習が必要です。
- 誘導の利用: 大問は基本的に誘導形式であるため、設問(1)、(2)の結果をどのように利用して次に進むか、問題の意図を瞬時に読み取る判断力を磨いてください。
3. 主要分野の確実な対策
- 複素数・ベクトル: 複素数平面における軌跡の求め方(特に極形式や $z=x+yi$ とおく方法)、ベクトルの内積を用いた垂直条件(内積=0)、および三角形の五心に関する知識を整理しておくことが重要です。
- 微分積分(計算テクニック): 面積や回転体の体積計算において、置換積分法(例:$x=\cos\theta$)や部分積分法を柔軟に使いこなせるように練習してください。
- 漸化式・確率: 主要な漸化式の解法パターンを網羅し、条件付き確率や場合の数の数え上げでは、集合や事象の定義を明確にして処理する練習を推奨します。
例えるならば、関西医科大の数学入試は、「タイマー付きの精密工作キット」のようです。使用する道具(数学の知識)は一流のメーカー品(標準的な良問)ですが、組み立て図(出題形式)は毎年変わり、部品(計算量)は多く、しかも完成品(最終解答)は美しい設計図(明晰な記述)を添付して提出しなければなりません。基礎知識を確実にした上で、いかに速く、正確に、そしてわかりやすく組み上げられるかが合否を分けます。
英語
関西医科大学 一般選抜 出題傾向 英語
傾向と対策の概要
関西医科大学の英語入試は、2020年度と2023年度に大きな形式変更を経ながらも、一貫して長文読解に重点を置く傾向が強まっています。出題テーマは、医療、科学、社会、時事問題といった現代的な英文記事から採用されており、単なる内容理解だけでなく、英文の論理構造や文法的な正確な理解を問う問題が中心です。
特に2023年度以降は、長文読解2題に加え、テーマ英作文(ライティング)が必須となり、受験生には読解力と同時に直接的な英語表現力も求められるようになりました。試験時間は一貫して80分です。
試験形式の安定性と構成
入試形式は大きな変更があったものの、2023年度以降は大問3題構成(読解2題+英作文1題)で安定しています。
| 年度 | 大問数 | 構成 | 試験時間 |
|---|---|---|---|
| 2018 | 4題 | 会話文、数理/生物の空所補充、読解2題 | 80分 |
| 2020 | 3題 | 長文読解3題 | 80分 |
| 2023~ | 3題 | 長文読解2題、テーマ英作文1題 | 80分 |
現在の構成(2023年度以降)では、長文読解では主に内容真偽(T/F形式)、空所補充(語彙、文法、論理関係)、同意表現、内容説明などが問われます。英作文は一貫して100語程度の記述が求められています。
試験形式の大きな変化
2019年度から2020年度への変化
2019年度まで出題されていた発音・アクセント問題、会話文問題、および共通語による空所補充問題が廃止され、代わりに長文読解が3題出題される形式に大きく移行しました。
2022年度から2023年度への変化
長文読解3題の形式から、長文読解2題とテーマ英作文1題の構成に再度大きく転換しました。このテーマ英作文の出題は、受験生にとって予想外であった可能性が指摘されています。
テーマ英作文の多様性
英作文の形式も変化しており、以下のように出題形式が多様化しています。
- 2023年度:読解テーマに基づく意見表明
- 2024年度:グラフ分析と解釈
- 2025年度:Eメールでの問い合わせ
出題分野や出題テーマの傾向
出題される長文は、インターネットや新聞などから引用抜粋した現代的な英文記事が主流です。特に以下の分野からの出題が多く見られます。
医学・健康・科学技術
医療や生物学に関わるテーマが頻出しています。
- 人工甘味料と脳の健康(2018)
- LGBT患者への医療(2018)
- POTS(起立性頻脈症候群)や自律神経障害(2020)
- 犬の飼育と健康効果(2021)
- 腸内マイクロバイオームの有益性(2024)
- 慢性疲労症候群(2025)
社会・時事問題
社会的な話題や現代文化を扱ったテーマも出題されています。
- 世界的な感情の様態(2020)
- コロナ禍での睡眠やデジタルデトックス(2021/2024)
- 超高齢社会とロボットの役割(2022)
- 外国訛りへの差別と認知(2023)
- 首都圏における障害者割引ICカードの現状(2022)
特徴的な傾向
- 文法・論理関係への厳格な要求:読解問題では、文脈や論理関係(対比、並列、譲歩など)を正確に把握する力が問われます。特に、知らない専門用語が含まれていても、語彙の用法や論理関係を問う設問は基礎レベルの知識で解答可能であると評されています。
- 共通語による空所補充:複数の空所に共通して入る適切な単語(前置詞や接続詞など)を問う設問がしばしば出題されます。これは、日頃からの語彙・語法に関する正確な学習を要求します。
- 文脈依存の和訳/定義:字句通りの意味ではなく、文脈から適切な意味を判断させる問題(例:primary doctorを「主治医」と訳す、breeze pastを「すっと通り抜ける」と訳す)が出題されることがあります。
- 形式の流動性:形式の大転換が過去数年で起こっており、幅広い問題形式を想定した学習が不可欠です。
対策
1. 長文読解力の強化
- 素材選定:新聞、ニュース記事、ウェブ上の記事など、現代の時事英語や医療・科学に関する長文に数多く触れ、速読練習を積むことが有効です。
- 論理構造の把握:各パラグラフの趣旨や、文と文がどのような論理関係でつながっているかを意識した読み方(ロジカルリーディング)を習慣づけることが重要です。
- 客観的読み取り:内容真偽問題では、本文に書かれている事実と、示唆・仮説の区別を厳密に行う訓練が必要です。
2. 語彙・文法・語法の徹底
- 基礎知識の確認:語彙、品詞、語形、語順など、英文の「かたち」に着目し、文法的な判断をおろそかにしない学習習慣が求められます。
- 共通語対策:句動詞や前置詞、接続詞など、基礎的な語の多義的な用法や熟語を正確に覚えることが、共通語の空所補充問題の対策になります。
- 文脈理解:専門用語は語注なしで登場することがありますが、文法的な構造分析を通じて、文意から意味を推測できるよう訓練しましょう。
3. 英作文(ライティング)対策
- 多様な形式への対応:2023年度以降、テーマ英作文は必須です。意見表明、グラフ分析、Eメール作成など、様々な形式に対応できるよう、日頃から練習を積む必要があります。
- 構成と語数:100語程度という分量で、論理的かつ明確な英文を一定の時間内に書き上げるトレーニングが肝心です。
例えるなら、関西医科大学の英語入試は、特定の道具(文法や単語)を深く理解しているかだけでなく、刻々と変わる環境(出題形式)に適応しながら、与えられた複雑な地図(長文)を読み解き、さらに自らの航路(英作文)を明確に記述できる、総合的な知性と適応力を試すサバイバルゲームのようなものです。
化学
関西医科大学 一般選抜 出題傾向 化学
傾向と対策の概要
関西医科大学の化学の入試は、2018年度から最新の2025年度に至るまで、大問4題構成という形式的な安定性を保っています。出題量も概ね例年並みと評されています。
難易度については、年によって「例年並み」、「やや易しかった」、「思考力を問う良問が多い」と幅がありますが、共通して、煩雑な計算問題が多く出題されるため、高い思考力と計算の正確性、そしてスピードが要求されています。
試験形式の安定性と構成
入試形式は極めて安定しており、一貫して大問4題構成で実施されています。 大問の構成は、主に理論化学、無機化学、有機化学の各分野からバランスよく出題される傾向が見られます。特に、理論化学では計算問題、有機化学では構造決定問題が頻出しています。
試験形式の大きな変化
提供された資料(2018年度〜2025年度の講評)では、試験の基本的な形式(大問数、出題量)に関する大きな変化は報告されていません。 ただし、出題分野の比重には変動が見られ、近年(2024年度、2025年度)は理論化学の分野の割合が高いことが指摘されています。
出題分野や出題テーマの傾向
理論化学の傾向
理論化学は出題の中心であり、煩雑な計算を伴う問題が多いです。
- 溶液と平衡:凝固点降下からの分子量計算や会合度の計算、逆滴定を用いた混合溶液の定量計算、酸塩基平衡(中和点のpH計算など)、溶解度積や沈殿滴定(モール法など)が頻出しています。
- 気体:気体の状態方程式を用いた複雑な計算、実在気体の性質やファンデルワールスの状態方程式に関する問題、三態図(水の三態図や二酸化炭素の三態図)の理解を問う問題が出されています。
- 熱化学:熱化学方程式の作成や反応熱の計算(生成熱、燃焼熱、昇華熱など)は頻出テーマです。
有機化学の傾向
構造決定と高分子化合物に関する問題が主なテーマです。
- 構造決定:元素分析、アルコールの異性体からの構造決定、エステルの合成や構造決定、クメン法などの基礎的な反応は頻出です。
- 天然有機化合物:アミノ酸やペプチド(ジペプチドやトリペプチド)に関する総合問題が度々出題されます。等電点の計算や電気泳動、必須アミノ酸、特殊なペプチド(例:グルタチオン)の構造や性質など、幅広い知識が求められます。
- 高分子:合成高分子や天然高分子の出題もありますが、2020年度や2024年度では出題が少ないと評されています。ただし、ビニロンの合成やセルロース(綿)、ナイロン6などの基礎知識は問われています。
無機化学の傾向
- 陽イオン分析:系統分析(Ag+, Pb2+, Cu2+, Fe3+, Zn2+, Ba2+, Na+など)に関する典型的な設問は「完答したい」と評されています。
- 金属の性質:合金(青銅、黄銅、ステンレス、ジュラルミン)の構成元素や性質、電気化学(鉛蓄電池)、テルミット反応などが出題されています。
- 工業的製法:ハーバー・ボッシュ法やオストワルト法、アンモニアソーダ法など、基礎的な工業化学の知識が問われています。
特徴的な傾向
- 思考力と煩雑な計算の要求:複数の化学法則や反応ステップ(例:滴定、気体の状態方程式、平衡計算)を組み合わせて解く問題が多く、単なる公式の暗記だけでは対応できません。特に2022年度以降、計算の煩雑さが指摘されています。
- 実験の流れや詳細な設定の把握:実験全体の手順や、問題文中の細かい設定(例:熱量計算における物質量の残量、近似が使えない電離度計算、容器内での溶解を考慮するかどうか)を正確に読み取ることが、正答を得るための重要なポイントとなります。
- 化学反応式の作成:イオン反応式や化学反応式を記述させる設問が頻繁に見られます。特に、酸化還元反応や錯イオン生成、工業的製法に関する反応式は基礎的知識として必須です。
対策
- 基本事項の徹底的な定着:「基本的」または「頻出」と評価された問題(無機化学の陽イオン分析、有機化学の頻出反応、熱化学方程式など)は確実に完答できるレベルに仕上げる必要があります。
- 計算処理能力の向上:煩雑な計算や、複数のステップを要する計算問題に慣れるため、過去問や難易度の高い問題集を用いて、計算速度と正確性を高める訓練が必要です。
- 有機化学の構造決定の習熟:アルコール、エステル、アミノ酸の構造決定は頻出です。特に、異性体が多くヒントが少ない問題や、馴染みの薄いアミノ酸(例:バリン、ロイシン、グルタチオン)についても、その性質から構造を決定できる応用力を身につけるべきです。また、重要なアミノ酸の構造式は暗記しておくことが求められます。
- 化学反応式の記述練習:有機・無機・理論の分野を問わず、化学反応式を正確に書く練習を徹底してください。特に酸化還元反応、錯イオン生成、工業的反応は重要です。
- 問題文の精読:問題文中の実験条件や数値、そして化学的な詳細な設定(例:水が気体か液体か、溶解度、触媒の有無など)を注意深く読み取り、計算ミスや解釈ミスを防ぐ集中力が不可欠です。
例えるなら: 関西医科大学の化学の入試は、緻密な設計図(基礎知識と頻出問題)に基づいて、複雑な構造物(複合計算問題)を制限時間内に正確に組み立てる作業に似ています。単に材料(知識)が揃っているだけでなく、その加工(計算)と組み立て(思考プロセス)の正確さとスピードが合否を分けます。
物理
関西医科大学 一般選抜 出題傾向 物理
傾向と対策の概要
関西医科大学の物理は、例年、標準的な内容から、論理的な思考力や知識を試される応用的な問題まで幅広く出題される良問で構成されています。
受験生には、問題を注意深く読み、誘導に従って解き進める論理的な思考力が求められます。特に、複雑な計算や数学的な処理を要求される問題が多く含まれるため、時間内に全て解答するのは容易ではない状況が続いています。
試験形式の安定性と構成
試験形式は、この期間を通じて一貫して大問4題の構成で安定しています。また、以下の形式が例年継続して出題されています。
- 描図問題:2018年度〜2025年度と、ほぼ毎年出題されています。
- 思考力を要する応用問題:問題をよく読んで誘導に従って解く形式で、高い論理的思考力が試されます。
試験形式の大きな変化
最も大きな変化は、解答形式における途中経過記述の要求度の変遷です。
| 年度 | 記述形式の傾向 | 特徴 |
|---|---|---|
| 2018年まで | ほとんどの問題で結果だけでなく、途中経過の記述が求められた。 | 時間的に非常に厳しかった。 |
| 2019~2020年 | 記述量が減り、答えだけを記述する形式が導入された。 | 時間的な配慮が見られた。 |
| 2021~2023年 | 再び途中経過を記述する出題が増加。 | 計算量も多く、特に2023年度は記述出題が多く時間的な厳しさが続いた。 |
| 2024年以降 | 途中経過を記述する出題数が減少(2023年度:15題 → 2024年度:7題 → 2025年度:6問程度)。 | 記述量は再調整されたが、計算量は依然として多い。 |
※2024年度、2025年度には論述問題も出題されています。
出題分野や出題テーマの傾向
大問4題の出題分野は、力学、波動、電磁気が核として安定して出題されています。残りの1分野は熱力学と原子分野が交代で出題される傾向が見られます。
| 分野 | 出題年度(前期試験) |
|---|---|
| 力学 | 2018(遠心力を受けた車の運動)、2020(水中で浮力と抵抗力を受ける小球の運動)、2021(力のモーメントとすべらない条件)、2022(浮力による単振動)、2023(摩擦力のある2物体の運動)、2024(衝突と単振動)、2025(記録タイマーの実験観察)。 |
| 電磁気 | 2018(2本の直線電流がつくる磁場と電磁誘導)、2020(規則的な抵抗回路)、2021(コンデンサーの充電)、2022(ダイオードによる整流効果)、2023(コンデンサーの過渡現象/ブリッジ回路)、2024(ホール効果/磁気抵抗)、2025(サイクロトロン)。 |
| 波動 | 2018(ドップラー効果/うなり)、2020(球面レンズ/屈折)、2021(気柱の振動)、2022(ニュートンリング)、2023(反射型回折格子)、2024(薄膜の干渉)、2025(ドップラー効果/心筋層の動き)。 |
| 原子 | 2020(水素原子のエネルギー準位)、2021(LED/プランク定数)、2022(陰極線とX線の性質)、2025(半減期)。 ※2020~2022年の3年連続で出題。 |
| 熱力学 | 2018(断熱変化)、2023(ピストンで仕切られた2気体の状態変化)、2024(ボイルの法則の応用)。 ※2023~2024年の2年連続で出題。 |
特徴的な傾向
医療・生体関連テーマの積極的な採用
2018年度のドップラー効果による赤血球の動きの観測や2025年度の心筋層の動きの測定、2021年度のLEDの特性曲線、2022年度のニュートンリングと視細胞の色の感覚など、身近な現象や医療分野と関連づけた出題が目立ちます。
高度な数学的処理能力の要求
物理的な知識だけでなく、複雑な代数計算、連立不等式の図示(2021年度I)、幾何学的な知識(2020年度Ⅲ、2023年度Ⅲ)など、数学の力が試される出題が例年見られます。
グラフを用いた物理量の解析
グラフの面積が示す物理量(力積や仕事)の理解、特性曲線の傾きからプランク定数を求める問題(2021年度IV)、実験結果のグラフを解析して物理定数を求める問題(2024年度IV)など、物理量の関係をグラフから読み解く力が頻繁に問われています。
目新しい設定や複合問題
2020年度のキログラムの定義に関する出題や、2024年度の磁気抵抗など、教科書通りではない目新しい設定の問題が出題されることがあります。また、力学では力のモーメントとすべらない条件、衝突と単振動など、複数のテーマを組み合わせた複合的な問題が多いです。
対策
基礎の徹底理解と論理的思考力の養成
単に公式を暗記するのではなく、ドップラー効果の仕組み、断熱変化の知識、電気量保存則など、物理現象の原理と仕組みを深く理解することが重要です。誘導に従って問題を解く訓練を通じて、論理的な思考力を高める必要があります。
迅速かつ正確な計算力の確保
計算が複雑な問題が多く出題されるため、日頃から迅速で正確な計算力を養うことが必須です。特に途中経過の記述を求められる問題では、論理を追いながら計算ミスを避ける練習が必要です。
頻出分野の応用問題への習熟
力学(単振動、衝突、摩擦)、波動(干渉、ドップラー効果)、電磁気(複雑な直流回路、コンデンサー)は頻出テーマであるため、標準的な問題だけでなく、応用的な類題も数多くこなし、確実に得点できるように準備すべきです。
グラフと描図、数学的要素の訓練
F-tグラフやF-zグラフの物理的な意味(面積や傾き)を理解する訓練を積むとともに、球面レンズの幾何学的な考察や反射の法則の幾何学的処理など、物理における数学的処理をスムーズに行えるよう対策を講じることが得点差につながります。
比喩的表現による理解の定着
関西医科大学の物理入試は、まるで「緻密な山登り」のようです。
道筋(誘導)は示されていますが、一歩一歩の足場(計算や原理理解)が不安定だと、すぐに滑落(連鎖的なミス)してしまうリスクがあります。そして、途中には岩登り(幾何学的な思考やグラフ解析)や、予期せぬ標高(目新しいテーマ)も含まれており、全体を通して体力を消耗(時間的制約)します。
そのため、基礎体力(基礎知識)に加えて、正確なルートファインディング(論理的思考)と、最後まで粘り強く登り切る持久力(計算力)が不可欠となります。
生物
関西医科大学 一般選抜 出題傾向 生物
傾向と対策の概要
関西医科大学の生物の入試は、全体的に標準的からやや発展的な難易度で推移しています。特に知識問題ではかなり細かい内容まで問われるため、曖昧な知識では失点がかさむ傾向にあります。
試験時間(1科目あたり約60分)に対して要求される問題のレベルは低くなく、計算問題や高度な考察問題が多く含まれるため、解答に時間を要します。2021年度は比較的取り組みやすい難易度への易化が見られましたが、2024年度、2025年度は実験考察や複雑な計算問題が増え、難度が再び上昇しています。 論述問題の出題は少ないですが、2022年以降は基本的な内容の論述問題が再び見られています。
試験形式の安定性と構成
試験形式は、小問集合とテーマ別大問で構成されていますが、大問数に変化が見られます。
| 年度 | 大問数 | 構成の特徴 |
|---|---|---|
| 2018/2019 | 5題 | I: 小問集合、II~V: テーマ別(小問集合は10問) |
| 2020年以降 | 4題構成 | 大問構成が4題に集約されました。 |
注意点:「正しいもの、または誤りのものをすべて選ぶ」形式の設問が多いのが大きな特徴です。この形式では、正解に至るには正確な知識と判断力が不可欠であり、特に全問において過不足なく選択する必要があるため、得点しづらい傾向があります。
試験形式の大きな変化
最も大きな変化は、2020年度に大問数が5題から4題に減少した点です。これにより、1題あたりの分量が増加し、特に大問Ⅲのように問題の文章量・設問数が多い、高度な思考力を要する出題が見られるようになりました。 また、論述問題は2020年、2021年には出題されませんでしたが、2022年度に3年ぶりに基本的な内容で再開しました。
出題分野や出題テーマの傾向
出題は生物の幅広い分野にわたりますが、特に遺伝情報、代謝/エネルギー、発生/調節、および医学部入試に特徴的な人体生理(特に循環器、免疫、内分泌)の分野が頻出しています。
遺伝・分子生物学
- PCR法と制限酵素地図。
- 遺伝情報の発現(転写、翻訳、スプライシング)や遺伝子の再構成。
- DNAの構造や複製(メセルソンとスタール、半保存的複製)。
- 原核生物の遺伝子発現(ラクトースオペロンなど)。
- 集団遺伝(ハーディ・ワインベルグの法則の適用)。
細胞・代謝・エネルギー
- 呼吸(解糖系、クエン酸回路、酸化的リン酸化)に関する詳細な知識や計算問題。グルコース1分子あたりのATP合成数などの定量的な理解が問われます。
- 細胞分画法と細胞小器官の機能。
- 酵母の特殊な代謝(乳酸発酵、アルコール発酵、呼吸の融合)。
発生・調節・生理
- 動物発生(ABCモデル、ショウジョウバエ、ウニ、カエル)の基本原理。特に形成体や誘導の概念。
- 心臓の拍動、自律神経による調節(レーウィの実験など)。左心室の容積と内圧の関係を示すグラフ問題。
- 免疫(体液性免疫、細胞性免疫、自然免疫/獲得免疫の特徴)や抗体の構造。遺伝子再構成の知識も問われます。
- 内分泌・恒常性(血糖値調節、腎臓の濃縮率など)。
- 植物ホルモン(光周性、重力屈性、環境応答)や花芽形成に関する考察問題。
生態・環境
- 生態系の物質生産(現存量、純生産量、効率の計算)がテーマとして大問で出題されました(2020)。
特徴的な傾向
- 計算問題の比重が高い:PCR増幅分子数、代謝効率、細胞計数、集団遺伝、生理学(心拍出量)、化学(プライマー濃度)など、数値を用いた計算や定量的考察を要求する問題が頻繁に出題されています。2025年度には複雑な指数計算や単位換算も出題されました。
- 実験考察とデータ読解の重視:単なる知識の確認だけでなく、実験データ(特にグラフや電気泳動パターン)を読み解き、論理的に考察させる問題が多いです。特に2024年度はカイコガのホルモン実験や膵臓の発生メカニズムなど、初見に近いテーマに対する深い考察力が求められました。
- 知識の細かさと広範性:小問集合(I)では、しばしば教科書や資料集の隅に記載されているような詳細な知識や、細胞小器官の英語表記(2023)など、幅広い知識の正確な定着度を試す傾向があります。
- 正誤問題の解答条件の厳しさ:「正しいものをすべて選ぶ」「誤っているものをすべて選ぶ」形式は、一つでも見落とすと失点につながるため、知識の確信度が試されます。
対策
関西医科大学の入試を突破するためには、「きっちりと教科書の隅々まで覚える・理解する」という意識での学習が必須です。
知識の完全定着と深化
教科書や資料集を徹底的に読み込み、詳細な知識(例:ホルモンの具体的な作用、特定の細胞小器官の機能、各バイオームの特徴)まで正確に定着させることが、特に小問集合での失点を避ける鍵となります。
定量的処理能力の強化
計算問題の演習を日頃から重ね、煩雑な計算や単位換算、指数の扱いに慣れておく必要があります。特に、PCR法、エネルギー代謝、集団遺伝などの頻出テーマにおける計算は確実に得点できるように準備します。
実験考察・応用力の養成
知識を前提として、実験データやグラフ(例:光合成曲線、心周期グラフ)を論理的に分析し、結論を導き出す訓練が必要です。初見のテーマであっても、リード文の情報と既習の知識を結びつけて考察する力を養うことが重要です。
時間配分の徹底訓練
試験時間が短い(約60分)ため、短時間で的確に問題文を読み取り、解答する訓練が必要です。比較的易しい知識問題や計算問題を迅速に処理し、考察に時間を要する大問に時間を残す戦略が有効です。
正誤問題への対応
「すべて選ぶ」形式に慣れるため、問題演習では「なぜこの選択肢が間違いなのか」を根拠とともに明確に判断する習慣をつけましょう。
この入試傾向は、医学部入試に特徴的な基礎知識の正確性と、その知識を定量的な考察や実験データの解釈に「運用できる」水準に高めておくことの重要性を示しています。これは、医学的な現象を科学的に理解し、正確に処理する能力を測るものと言えます。
小論文
試験時間
実施無し
配点
実施無し
傾向と対策
実施無し
問題例
実施無し
面接試験
試験時間
10~15分
配点
段階評価
面接形式
個人面接官3人 / 受験生1人
よく聞かれる質問
◆ 医師志望理由、自分が医師に向いていると思うところ
◆本学志望理由
◆最近のニュースについて
◆長年続けてきたこと
◆併願校の合否
◆理想の医師像
◆理想の医師像に近づくために何が必要か。
◆(再受験生)高校卒業後の経歴
・前職について
・再受験すると決めたきっかけ
・なぜ高校卒業時に医学部受験をしなかったのか
◆内科と外科のどちらが自分にむいていると思うか。
◆ 「給料が高いから医師になる」という人がいたとして、その発言に対してどう感じるか。
自分に勝とう
自分に厳しく
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