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【岩手医科大学】物理の過去問|2025年度に出題された入試問題を徹底分析|合格を掴む時間配分と対策

1. 全体概観(イントロダクション)

  • 対象年度・科目: 2025年度 医学部 一般選抜 物理
  • 試験時間: 2科目で120分(物理には概ね60分を割くのが標準)

【全体評価】

2025年度の物理は、例年通りの「大問3題構成」でした。全体的な難易度は「標準」です。教科書傍用問題集の応用レベルから、標準的な入試問題集レベルの問題が並んでいます。

しかし、油断は禁物です。岩手医科大の特徴である「文字式の計算量の多さ」は健在です。数値計算ではなく、英字(G, M, R や N1, N2 など)を用いた複雑な式変形を、時間内にミスなく完遂する力が求められます。

【目標得点率】

医学部合格ラインを確実にするためには、この難易度であれば75%〜80%は確保したいところです。「解き方がわからない」問題はほとんどないはずです。「計算が合わない」「時間が足りない」で点を落とさないことが最大の戦略となります。

2. 大問別詳細分析

ここでは、各大問を「実戦でどう攻略すべきか」という視点で分析します。

第1問:力学(万有引力・ロケットの分離・楕円軌道)

  • 出題テーマ: 地球からのロケット打ち上げ、多段ロケットの分離(運動量保存則)、円軌道から楕円軌道への遷移(ケプラーの法則)。
  • 難易度評価: 【B:差がつく標準問題】

【攻略コメント】

典型的な「宇宙・天体」分野の問題です。

  • 前半(問1〜4): エネルギー保存則で初速を求め、円運動の運動方程式を立てる基本手順です。問3の分離では運動量保存則を使います。ここは【A:絶対に落とせない】レベルです。
  • 後半(問5〜8): 楕円軌道に入ります。ここでは「近地点(距離 2R)」と「遠地点(距離 7R)」でのケプラーの第二法則(面積速度一定)力学的エネルギー保存則を連立させる必要があります。
注意点: 質量が 3m, m, m と変化していきます。「どの質量を使っているか」を間違えると、その後の設問が全滅します。特に問7の周期比較(ケプラーの第三法則)では、楕円軌道の半長軸が (2R + 7R) / 2 = 4.5R であることを素早く見抜く必要があります。

第2問:電磁気(相互誘導・含空芯コイル・時変電源)

  • 出題テーマ: 変圧器(トランス)の原理、スイッチON直後の過渡現象、時間変化する電流と誘導起電力。
  • 難易度評価: 【B:差がつく標準問題】

【攻略コメント】

前半は直流回路、後半は交流的な要素を含む問題です。

  • 前半(問1〜3): スイッチ操作直後のコイルの振る舞い(電流0で断線とみなす)や、定常状態(コイルは導線とみなす)を問う定石問題です。符号(+かーか)に気をつければ完答できます。
  • 後半(問4〜8): 電源 E を調整して電流 i をグラフのように変化させる設定です。ここで重要なのは、グラフの傾きが di/dt、すなわち誘導起電力の大きさに直結するという視点です。
ハマりやすい罠: 問題文で磁束が φ = k(N1I + N2i) と定義されています。この式を見て「難しそう」と引いてはいけません。ファラデーの法則 V = -N dφ/dt に素直に代入し、グラフの傾き(0 なのか、一定値なのか)を読み取るだけで解けるようになっています。見た目の複雑さに騙されず、基本法則に従う冷静さが試されました。

第3問:波動(薄膜干渉・ニュートンリングの変種)

  • 出題テーマ: 平板ガラスによるくさび型空気層の干渉、平凹レンズと平凸レンズを組み合わせた干渉。
  • 難易度評価: 【B:差がつく標準問題】 〜 【C:やや計算注意】

【攻略コメント】

  • 前半(問1〜4): 典型的な「くさび型空気層」の問題。暗線間隔の公式 Δx = Lλ / 2D を導出または適用するだけです。問4の液体充填も、光路長が n 倍になる(波長が 1/n になる)という知識で即答可能です。
  • 後半(問5〜8): ここが合否を分けるポイントです。通常のニュートンリング(平面ガラス+凸レンズ)ではなく、「凹レンズ+凸レンズ」という設定です。
思考テクニック: 丸暗記した公式は使えません。図形的に隙間の厚さ d を d = d2 - d1(凸レンズ側の隙間 - 凹レンズ側の隙間)として立式する必要があります。また、反射光の位相のずれ(固定端反射かどうか)も慎重に判断しなければなりません。問5の近似計算 r2 / 2R を自力で組み合わせる応用力が求められます。

3. 合否を分けた「この一問」

【第3問 問5・問6:凹凸レンズ間の干渉】

理由: 多くの受験生は、第1問(力学)と第2問(電磁気)は典型パターンとして演習を積んでいます。しかし、第3問後半のような「設定が少しひねられた干渉問題」で差がつきます。

教科書の公式 r = √(mRλ) をただ暗記しているだけの受験生は、ここで手が止まったはずです。 一方、合格者は「なぜその公式になるのか(三平方の定理と近似計算)」という導出プロセスを理解しているため、「レンズが2枚になっても、それぞれの隙間の差をとればいいだけだ」と冷静に対処できたでしょう。 この問題を取り切れるかどうかが、物理で高得点を安定させるための分水嶺となります。

4. 今後の対策とまとめ

2025年度の入試問題を分析した結果、来年度以降の受験生がとるべきアクションプランは以下の3点です。

1. 「文字式計算」の体力をつける

岩手医科大の物理は、具体的な数値よりも、文字定数(R, G, M, λ など)を最後まで運びきる計算力が求められます。普段の演習から、「途中で計算が煩雑になっても、次元(単位)を確認しながら最後までやり抜く」訓練をしてください。

2. 公式の「導出過程」を再現できるようにする

第3問のように、公式の丸暗記が通用しない設定が出題されます。「ニュートンリングの式はどうやって導かれるか?」「ドップラー効果の式はどう導出するか?」といった教科書の基本事項の導出を、何も見ずに白紙に再現できるようにしましょう。これが応用力への最短ルートです。

3. 「グラフの意味」を読み解く練習

第2問のように、物理現象をグラフから読み取る問題も頻出です。特に電磁気では「電流の時間変化(傾き)=電圧」、力学では「v-tグラフの傾き=加速度、面積=移動距離」といった、グラフの幾何学的意味と物理法則の対応を意識して問題に取り組みましょう。

【最後に】 岩手医科大学の物理は、努力した分だけ報われる素直な試験です。 奇問に惑わされず、基礎を盤石にし、計算の手を止めないこと。この戦略を持って挑めば、必ず合格点は突破できます。頑張ってください!