「渋谷駅」徒歩5分 / 寮と一体型の校舎

・「渋谷駅」徒歩5分
・ 寮と一体型の校舎
・ 自由に質問可能

獨協医科大学 一般選抜 出題傾向 物理

傾向と対策の概要

獨協医科大学の物理は、例年、力学、熱、波動(光学を含む)、電磁気、原子の物理の全分野から、大問形式でバランス良く出題されています。

問題形式は、実験や現象の詳細な設定に基づき、物理法則を適用して解答を導出させる記述形式(空欄補充)が中心です。特に、複数の物理法則(運動量保存則、エネルギー保存則、キルヒホッフの法則など)を組み合わせて複雑な数式を導き出す能力が強く求められます。全分野を網羅的に学習し、計算過程を省略せずに正確に解き進める訓練が必要です。

試験形式の安定性と構成

  • 科目構成と時間: 物理は他の科目と合わせて2科目で実施されます。
  • 出題形式: 大問は年度によって4題または5題で構成されており、各大問は長文の説明と複数の空欄補充形式の設問からなります。
  • 安定性: 基本的な出題形式(大問形式、空欄補充、全分野からの出題)は2018年度以降、一貫して安定しています。

試験形式の大きな変化

2018年度および2019年度の試験時間は「2科目 100分」でしたが、2021年度以降の資料では「2科目 120分」となっており、試験時間が増加しています。これは、出題される問題の難易度や計算の複雑さを考慮した変更である可能性が高いです。

出題分野や出題テーマの傾向

全分野から毎年バランス良く出題されていますが、特に頻出するテーマや特徴的な問題設定が見られます。

分野 頻出テーマと具体的な出題例(2018~2025)
力学 衝突と運動量保存 (2球の衝突, ばねと連結した物体の衝突)、単振動 (ばね振り子、動く実験装置内での振動、ピストンの単振動)、円運動 (レール上や錐面上の運動)、斜方投射 (斜面への衝突)。
熱力学サイクル (熱効率)、気体分子運動論 (球形容器内の気体の圧力)、ピストン・シリンダー内の気体 (断熱変化や定積変化を含む)。複雑な状態変化と計算が求められます。
波動・光学 干渉・回折 (回折格子, ヤングの実験、ブラッグ反射)、ドップラー効果 (音波のうなり, 運動する光源、血流速度の測定への応用)、レンズ・反射 (複数の凸レンズと平面鏡)、光ファイバー (全反射)。
電磁気 回路 (RC回路、RLC直列回路、ダイオードを含む複雑な回路)。コンデンサー (直列接続、極板間隔の変化、誘電体の挿入)。磁場中の運動と誘導 (電場と磁場中の電子の運動、磁場中の導体棒の運動と誘導起電力)。
原子 量子論の基礎 (ボーアモデル)、光電効果 (プランク定数の測定)、コンプトン効果 (90°散乱)、放射性崩壊 (半減期、α崩壊・β崩壊の回数)。

特徴的な傾向

  • 高度な代数計算と導出: 最終的な答えだけでなく、途中の複雑な変数を消去したり、初期条件から最終状態の物理量を記号で導出したりする問題が多いです。
  • 近似計算の多用: 近似式 $(1+\epsilon)^n \approx 1+n\epsilon$ など を用いた計算が頻繁に出題されます。これは、高校物理の範囲で現象を記述するための重要なスキルとして評価されています。
  • 医学分野への応用: 物理現象を医学的なテーマに応用する問題が見られます。特にドップラー効果の血流測定への適用は、2024年度の出題で明確に示されています。
  • 複数の物理法則の同時適用: 力学では運動量保存則とエネルギー保存則、原子物理では運動量保存則とエネルギー保存則 など、複数の保存則を組み合わせて解く問題が標準的です。

対策

  • 全分野の漏れのない学習: 力学、熱、波動、電磁気、原子の基本法則を完全に理解し、どの分野が出題されても対応できるように準備することが必須です。
  • 数式処理能力の徹底的な強化: 解答に至るまでの過程を、記号を用いて正確に記述し、計算ミスなく答えを導き出す訓練が最も重要です。
  • 近似の利用を習得する: 複雑な問題設定の中で、いつ、どの近似式を使うべきかを瞬時に判断し、適切に計算を進める練習が必要です。
  • 時間配分のシミュレーション: 2科目120分という枠組みの中で、大問1題あたりにかけられる時間を意識し、過去問を使って時間内に解き切る練習を積むことが重要です。

例え話: 獨協医科大学の物理の入試は、特定の工具(公式や法則)だけを速く使える能力を試すのではなく、「複雑に絡み合った機械の設計図(問題設定)を読み解き、適切な部品(法則)を選び、緻密な計算(代数操作)を通じて、その機械がどう動くか(最終結果)を完全に説明できる、総合的なエンジニアリング能力」を求めていると言えます。特に計算ミスや途中の論理破綻は許されない、精度が重視される試験です。