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獨協医科大学 一般選抜 出題傾向 生物

獨協医科大学の生物は、大問5題(または実質5テーマ)構成で安定しており、出題範囲は生物基礎・生物全体から満遍なく、かつ詳細にわたる傾向があります。

特に、分子生物学、代謝/エネルギー、体内環境の維持(恒常性・免疫・神経/内分泌)、および生態・進化の分野が頻出テーマとして核を成しています。

問題形式はすべてマークセンス方式ですが、基本的な知識を問う問題に加え、複雑な計算や実験データに基づいた高度な考察力を要求される点が特徴です。

試験形式の安定性と構成

年度 試験時間 (2科目) 構成 (大問数) 設問形式
2018~2019 100分 5題前後 マークセンス方式
2021~2025 (最新) 120分 5題前後 マークセンス方式

試験形式は、2科目あたり100分(2019年度まで)から120分(2021年度以降)に延長された点を除き、各大問が詳細なリード文と複数の空所補充/正誤判定/計算問題からなるマークセンス方式で構成されるという点は安定しています。

各大問は概ね、リード文の後に問1から問5~10程度の小問が続く形式であり、リード文の情報を正確に読み解き、知識と結びつける能力が求められます。

試験形式の大きな変化

2021年度入試から、2科目合計の試験時間が100分から120分に延長された点が最大の変化です。この時間の増加は、問題文が長い考察問題や計算問題(例:2021年度の生態系物質収支計算、2022年度の皮膚移植実験考察)に対応するための措置と考えられます。

近年では単なる知識確認に留まらず、実験結果の分析や、複数の因子が絡み合う生命現象のメカニズム(シグナル伝達、遺伝子調節)に関する詳細な設問が増えており、出題の深度が増しています。

出題分野や出題テーマの傾向

出題は広範囲にわたりますが、特に以下のテーマが繰り返し出題されています。

1. 代謝とエネルギー (頻出)

  • 呼吸(解糖系、クエン酸回路、電子伝達系、酸化的リン酸化)。
  • 光合成(光化学系、カルビン・ベンソン回路、C4植物)。
  • 酵素の働きや反応速度、発酵(アルコール発酵、乳酸発酵)の計算や実験考察。

2. 分子生物学・遺伝情報 (頻出)

  • DNAの複製、転写、翻訳、遺伝暗号(コドン)。
  • 遺伝子発現の調節(オペロン説、真核生物の転写調節、クロマチン構造)。
  • バイオテクノロジー(PCR法、サンガー法、遺伝子組換え)。
  • 真核生物特有の機構(スプライシング、選択的スプライシング)。

3. 体内環境の維持(恒常性)

  • 神経系(興興奮の伝導、活動電位、シナプス、感覚器—特に眼の構造と視覚)。
  • ホルモン調節(インスリン、甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン、視床下部-下垂体)。
  • 血液・循環(ヘモグロビン、心臓の機能)。
  • 免疫(自然免疫、獲得免疫、細胞性/体液性免疫、抗体の遺伝子再編)。

4. 生殖、発生、遺伝

  • 減数分裂、配偶子形成(ヒト、被子植物)。
  • メンデル遺伝の法則、連鎖と組換え価の計算。
  • 発生の分子メカニズム(ショウジョウバエのホメオティック遺伝子、胚誘導)。

5. 生態と環境

  • 生態系(物質循環、エネルギー移動、純生産量計算、生命表)。
  • 個体群(標識再捕獲法、群れと競合)。
  • 生物の進化(自然選択、遺伝的浮動、分子時計)。

特徴的な傾向

複雑な実験考察と計算問題の常態化

  • 酵素の反応速度や阻害剤に関するグラフ問題。
  • 生態系の物質収支や成長量の計算。
  • 浸透圧や細胞容積変化の定量的な計算。
  • 遺伝学における組換え価の計算や集団遺伝学(分子時計)に関する高度な計算。

発展的な分子生物学/発生学のテーマ

  • 抗体の多様性生成(遺伝子再編)の組み合わせ計算。
  • ショウジョウバエの発生における濃度勾配と分節遺伝子(ギャップ遺伝子、ペアルール遺伝子など)の作用メカニズム。

多岐にわたる植物の出題

  • 植物ホルモン(アブシシン酸、ジベレリン、エチレン、オーキシン)の作用メカニズムと細胞伸長。
  • 花芽形成の調節(フロリゲン、光周性)や、植物のABCモデル。

対策

獨協医科大学の生物で高得点を取るためには、単なる暗記ではなく、「なぜそうなるのか」という理由付けや定量的な理解が求められます。

全分野の基本知識の徹底的な定着

特に頻出分野である代謝、分子生物学、恒常性(神経、内分泌、免疫)は、教科書レベルの知識を完璧に理解することが出発点となります。

実験考察問題への慣れと計算力の強化

試験時間延長の背景から、リード文の長い実験データや図表の読み取り訓練を重点的に行うべきです。生態系の物質収支計算、浸透圧、遺伝学(特に組換え価)などの計算問題を繰り返し練習し、正確かつ迅速に解けるようにする必要があります。

発展的なテーマの学習

免疫の遺伝子再編、ショウジョウバエの発生遺伝学、植物のシグナル伝達系、分子時計 など、高校生物の範囲を超えがちな医学部特有の発展的なテーマにも対策が必要です。これらの内容は、資料に記載されているリード文や解説から発展させて知識を深めることが有効です。

正確かつ迅速な解答力の養成

問題量が多いため、120分という時間の中で、長いリード文を読み込みながらミスなくマークしていく練習が必須です。マークセンス方式の過去問演習を通じて、時間配分を意識した訓練を積むことが重要です。

例えるなら、獨協医科大の生物の試験は、基本的なパーツ(知識)をマスターしているかを問うだけでなく、そのパーツを使って「複雑な機械(生命現象)の設計図(リード文)を分析し、故障箇所(実験結果の異常)を特定する」能力を求めていると言えます。単に単語を覚えるのではなく、その機能と応用を深く理解することが鍵となります。