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産業医科大学 一般選抜 小論文 出題傾向と対策

傾向と対策の概要
産業医科大学の小論文試験は、試験時間120分の中で、抽象度の高いテーマの読解と、具体的かつ実践的な問題解決能力を問う設問が組み合わされている点に最大の特徴があります。

  • 主要な論点: 科学哲学、思考論、認知科学、医療倫理、産業保健や予防医学に関連する社会課題。
  • 求められる能力: 複雑な文章を正確に理解し、核心となる概念を論理的に説明・考察する力。さらに、具体的状況を踏まえた建設的かつ実用的な解決策を提示する実践力が求められます。

試験形式の安定性と構成

試験形式は長年安定しており、時間配分と論述字数の管理が重要です。

  • 試験時間: 120分(2018年度から一貫)
  • 構成: 大問3〜4題(それぞれ独立したテーマ)
  • 字数: 設問ごとに200字から400字程度

【注目】試験形式の大きな変化
基本形式は安定していますが、近年は多角的な表現力や大学への関心を問うユニークな設問が導入されています。

  • 非文章型の要求: 図(絵)の状況説明や会話文作成など、情報伝達能力を問う問題。
  • 自己分析・大学理解: アドミッション・ポリシーへの適合性を具体的に説明させる設問。
  • 表現方法の多様化: 図と文章を組み合わせて説明する図解力の要求。
  • 要約・データ分析の重視: 英文和訳や、グラフから読み取れる特徴を要約するデータリテラシー。

出題分野や出題テーマの傾向

出題テーマは、科学の基礎論から社会応用、医学・健康に関する広範な領域に及びます。

年度 主要テーマ 関連キーワード
2025 科学とデータ操作の倫理、普遍主義と相対主義、行動変容 ガリレオ・ニュートンの実験操作、主要死因別死亡率の推移、両価性(アンビバレンス)と説得
2024 科学的思考の起源と本質、医療者の人間性、職業性ストレス アナクシマンドロス、世界の描きなおし、宮沢賢治の詩、教員の過重労働
2023 医師の思考プロセス、大学のポリシー パターン認識、ヒューリスティクス、ヤークス・ドッドソンの法則、アドミッション・ポリシー
2022 科学と真理の限界、未来社会 Society 5.0、帰納法・演繹法、生命科学における攪乱要因と真理
2021 健康情報、環境問題と倫理 ヘルスリテラシー、歴史上の環境汚染訴訟(モデナ公国)
2020 健康の概念、予防医学、コミュニケーション 未病の意義、WHO健康定義、会合での連絡先交換に関するアドバイス
2019 科学的論理、医療倫理 「考える葦」、相関関係と因果関係(地球温暖化、ジャンクフード)、医は仁術
2018 思考と学習のスタイル、科学観 グライダー人間と飛行機人間、普遍的な構造と還元主義、図解によるコミュニケーション

特に顕著な傾向

1. 科学的思考・科学観の深掘り

科学哲学的なテーマが頻出です。世界の描きなおし、帰納法・演繹法の限界、還元主義、観測データの操作など、科学に対する批判的かつ歴史的な視点が求められています。

2. 産業保健・労働衛生に関連するシナリオ問題

大学の特性を反映し、具体的な職業上の課題やストレス管理に関する設問が多く出題されます。教員の過重労働対策や、ヤークス・ドッドソンの法則、未病の概念など、予防医学に関連するテーマが重要視されています。

3. 医師の認知機能と倫理

熟練医のヒューリスティクスの利点と危険性、臨床現場での心理的側面を掘り下げます。「医は仁術」や死生観を問う問題を通じ、高い人間性と倫理観が問われます。

4. コミュニケーションと行動変容

「両価性(アンビバレンス)」を持つ相手へのアドバイスのように、他者の行動変容を促すための専門的なコミュニケーション技術がテーマとなっています。

特徴的な傾向

  • 「不確実性」の受容と考察: 科学における不確実性や限界を理解し、その上でどう行動するかを問う視点が特徴的です。
  • 対立概念の提示: 二項対立的な概念(例:相関関係と因果関係)を提示し、その違いと応用を論じさせる形式が頻繁に用いられます。
  • 具体的な「助言」の要求: 特定の状況下(ダイエットを渋る家族への助言など)で、専門的かつ共感的な立場から何をすべきかという実践的なアウトプットが求められます。

対策のポイント

  • 高度な論理的読解力と概念定義: 抽象的な用語を「自分の言葉で簡潔かつ正確に定義・説明する」練習を積んでください。
  • 産業保健・予防医学の知識習得: 未病、ヘルスリテラシー、過重労働などの背景知識を深め、実行可能で具体的な解決策を提示できるように訓練しましょう。
  • 多角的な表現技法と字数厳守: 論拠(理由付け)を明確にし、図解やグラフの読み取りなど、設問の要求に厳密に従う訓練が必要です。
  • 倫理観と対人援助の視点: 説得ではなく、相手の自発的な動機づけを尊重する、医師としての人間性や共感性を示す思考を深めておきましょう。