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埼玉医科大学 一般選抜 出題傾向 生物

傾向と対策の概要
埼玉医科大学の生物の入試は、広範な知識の正確な理解と、複雑な実験データを論理的に解析する能力を要求する点が大きな特徴です。特に、リード文の量が多く、その内容を読み解き、複数の情報を統合して解答を導く高度な考察力が求められます。
また、細胞周期、遺伝、代謝、生態系、腎機能など、多岐にわたる分野で定量的解析(計算問題)が頻繁に出題され、これが合否を分ける重要な要素となっています。

試験形式の安定性と構成

本試験は、2018年度から最新年度に至るまで、大問形式での出題と、選択式および計算結果をマークする数値マーク式の解答形式を一貫して採用しています。出題の構成は、長い実験に関するリード文や詳細な考察文章を読み込ませ、それに基づいた小問に答える形式が主流であり、問題の分量は総じて多い傾向にあります。

試験形式の大きな変化
最も大きな形式の変更は、2021年度入試から理科2科目合計の試験時間が100分から90分に短縮されたことです。この10分の短縮は、問題の絶対量が多い傾向にある本試験において、受験生に要求される時間的効率と処理速度を大幅に引き上げました。

出題分野や出題テーマの傾向

高校生物の全分野から偏りなく出題される傾向にありますが、特に実験考察や定量的分析の題材となりやすい、以下の分野が頻出しています。

分子遺伝学・細胞生物学

  • DNA複製(半保存的複製)やPCR法といったバイオテクノロジーの原理。
  • 遺伝暗号、コドンの読み取り、フレームシフト変異の解析。
  • 真核生物の遺伝子発現調節、特に選択的スプライシングとその機能異常(神経疾患との関連)に関する詳細な考察問題。
  • 酵素反応論($V_{max}, K_{M}$、Lineweaver-Burkプロット、競争的阻害)に関する定量的理解。

神経・生理学

  • 神経伝導と伝達(活動電位の発生原理、静止電位の維持、ナトリウムチャネルの不応性、神経筋接合部)が、実験波形やイオン流入量を用いて深く問われます。
  • 感覚器と反射:平衡受容器(半規管)の機能、神経回路、およびそれに基づく眼球回転反射(前庭動眼反射)の解析。
  • 恒常性:血糖調節(肝臓の機能、ホルモン)や腎機能(再吸収率、濃縮率、グルコース輸送体の機能解析)は、計算を伴い頻出します。

発生・生殖

  • 初期発生と誘導:両生類(カエル)の体軸決定(ディシェベルド、$\beta$-カテニン)やニワトリの発生(Vg1、ノーダル)、イモリの眼の形成誘導など、具体的な実験に基づいた考察。
  • 四肢の発生におけるAERとPZの相互作用と仮説検証。
  • 生殖細胞のDNA量変化、精子形成の異常(男性不妊の原因解析)。

生態・環境応答

  • 遷移(溶岩上の一次遷移、陽樹と陰樹の混交林、生産構造の解析)に関する考察や計算。
  • 光合成(カルビン・ベンソン回路の炭素数と分子数の関係、光合成色素の吸収スペクトル、CO₂濃度変化の影響)に関する詳細な知識。
  • 植物のホルモンと環境応答:ジベレリン、アブシシン酸、オーキシン、光周性や春化処理。

特徴的な傾向

特徴 詳細内容
計算問題の比重 細胞周期の時間計算、ATP合成効率の計算、腎臓の再吸収率や原尿量の計算、遺伝子組換え価、物質生産の計算など、正確な数値処理能力が必須です。
医学的な応用テーマ スプライシング異常による神経障害、遺伝性筋強直性ジストロフィー、腎・肝機能障害、免疫反応(MHC抗原、二次応答)など、医学的背景を持つ題材が目立ちます。
実験データの多角的解析 提示された複数の実験結果を比較し、「その実験が何を証明・否定したのか」を論理的に導き出す高度な考察力が問われます。
全か無かの法則の応用 単一の神経繊維と神経束(坐骨神経など)の違い、刺激強度と振幅の関係など、生理学の根本理解を問う問題が繰り返し出題されます。

対策

1. 時間管理能力の徹底的な強化

90分という短い時間で、長いリード文と複雑な計算を処理しきるため、過去問演習を通じて「早く正確に読む」「解ける問題と時間を要する問題を見分ける」訓練を積むことが必須です。

2. 計算問題のパターン習得

頻出する計算分野(代謝、腎機能、遺伝、生態)について、出題パターンを完全に網羅し、迅速かつ正確に解答できるように反復練習を行ってください。特に、単位や分子量を用いた換算や比率の計算に慣れることが重要です。

3. 実験考察の論理的トレーニング

各実験の目的、設定された対照条件、そして結果(グラフや表)が示す因果関係を明確にする練習が必要です。「結果から何が言えて、何が言えないのか」を厳密に区別する論理的思考力を養ってください。

4. 特定分野の深い理解

分子生物学、神経生理学、発生学、恒常性維持機構といった頻出テーマについては、教科書の基礎知識だけでなく、詳細な分子メカニズムや関連する実験手法(PCR、電気泳動、形質転換など)まで深く学習することが望まれます。

この試験で高得点を取るためには、知識をただ覚えるだけでなく、それを土台として実験を分析し、複雑な情報を組み合わせて結論を導き出す、生物学的な「探究力」を身につけることが鍵となります。