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藤田医科大学 一般選抜 出題傾向 数学

藤田医科大学医学部の数学入試は、大問3題構成(マーク式1題、記述式2題)、試験時間100分という形式を2018年度以降一貫して維持しており、極めて安定しています。

合格には、高校数学全分野にわたる基礎知識の確実な定着に加え、高度な計算力と論理的な記述力が不可欠です。特に記述式問題では、求める手順をわかりやすく説明することが必須であり、説明のない解答は採点対象外となることが明記されています。複雑な問題設定を解きほぐす多角的な思考力が要求されます。

試験形式の安定性と構成

2018年度から最新年度(2024年度)まで、試験時間100分、大問3題構成の枠組みに変化はありません。

大問 形式 特徴と出題範囲
問題1 マークシート方式 例年、10問程度の小問集合で構成されます(2022年度は11問)。
数と式、確率、整数、ベクトル、複素数平面、数列、微分積分など、基本的な知識を迅速かつ正確に処理する能力が求められます。
問題2・3 記述式 高度な理解と詳細な論述を要する大問2題が出題されます。
求める手順の説明が必須であり、数字・式だけの場合は採点対象外となります。

試験形式の大きな変化

2018年度以降、試験時間や大問の構成といった基本形式に大きな変化は見られません。唯一の形式的な差異として、2022年度のマーク式問題(問題1)において、小問数が従来の10問から11問に増加した事例があります。

出題分野や出題テーマの傾向

出題分野は幅広く、特定の分野に偏る傾向は見られませんが、記述式問題では特に「論証」と「求積」が頻出します。

微分積分(III中心)と求積

  • 回転体の体積は記述式の主要テーマの一つです。2019年度(曲線通過領域の回転体)、2020年度(楕円と直線で囲まれた部分の回転体)、2021年度(領域の回転体の体積の最小値)、2024年度(ベクトルで定義された領域の回転体)など、毎年出題されています。
  • 定積分の計算自体も、難易度が高いもの(2020年度の三角関数を含む絶対値の積分、2022年度の sin5 x の積分)や、逆関数を利用する誘導付きの応用問題(2023年度 問題2)が見られます。

証明問題・数学的帰納法

  • 数学的帰納法は頻出テーマであり、2018年度(三角関数がxのn次式で表される証明)、2019年度(Σの公式の証明)、2024年度(漸化式で定義された数列の一般項の証明)などで出題されています。
  • 無理数の証明(2018年度)や、格子点を用いた幾何学的証明(2023年度 正三角形の非存在証明)など、論理的な思考力が重視されています。

確率・場合の数

  • 小問集合または大問で出題されます。試行の推移に伴い条件が変化する確率(2020年度 問題2)や、桁数や数字の組み合わせが複雑な確率(2021年度 問題2)が見られます。
  • 2022年度では、座標空間における「格子点直方体」の数え上げという、組合せ論と空間認識を組み合わせた問題が出されました。

図形と方程式、ベクトル、複素数平面

  • これらは小問で頻出します。複素数平面上の点の軌跡(2019年度)や、ド・モアブルの定理の応用(2018年度, 2024年度, 2025年度)、円に内接する四角形の性質と余弦定理・正弦定理の組み合わせ(2020年度)など、高度な幾何学的・代数的な処理が求められます。

特徴的な傾向

記述式における論述の厳格さに注意

「説明のない数字・式だけの場合、採点対象外」という注意書きが毎回記載されており、論理的に手順を追って解答を構築する能力が、単なる正答以上に評価されます。

計算の工夫と処理能力の要求

単純な計算だけでなく、相加相乗平均の利用(2019年度, 2024年度)や、極限計算における有理化の徹底(2023年度)、あるいは対数微分法(2022年度)など、煩雑な計算を正確に、かつ効率的に処理する工夫が求められます。

医学部入試特有の高度な融合問題

  • 逆関数を利用した定積分(2023年度)のように、数学II・IIIの概念を深く理解しているか問う問題。
  • 媒介変数表示された曲線の解析(2022年度 問題3)や、その曲線と原点を通る直線の交点数に関する証明(平均値の定理の応用)。
  • 整数論と幾何学の融合(2023年度 問題3の格子点とe点に関する問題)。特に、格子点を頂点とする正三角形の非存在証明は、数学的知識を深く応用する能力を試す特徴的な出題でした。

対策

1. 記述力と計算力の徹底強化

  • 記述式の訓練: 答えを出すだけでなく、採点者に理解できるように、論理の飛躍を避け、使用した定理や公式の根拠を含めて明確に記述する練習を積んでください。過去問やハイレベルな問題集の記述解答例を参考に、自己添削を行うことが不可欠です。
  • 計算の正確性とスピード: 大問1の小問集合は、短い時間で基礎力を測るため、計算ミスが命取りになります。煩雑な計算を伴う問題について、計算過程を工夫し、正確に答えを導く訓練が必要です。

2. 頻出分野の応用問題対策

  • 微分積分と求積: 面積、回転体の体積(特にx軸・y軸以外を回転軸とする場合)、媒介変数表示された曲線の性質解析を重点的に対策します。積分計算の効率化(置換積分、部分積分、図形的な解釈)を習得してください。
  • 数列と証明: 数学的帰納法による等式の証明、不等式の証明、漸化式の解法、極限計算の対策を強化します。
  • 融合問題への慣れ: 複数の分野(例:ベクトルと軌跡、整数論と幾何学)の知識を組み合わせた問題に積極的に取り組み、問題の核となる概念を素早く見抜く力を養いましょう。

3. 難易度の高いテーマへの準備

格子点、逆関数、特殊な関数のグラフ解析など、他大学ではあまり見られないテーマが出題される可能性も考慮し、標準的な範囲を超えた問題にも挑戦する姿勢が求められます。

結論:藤田医科大学の数学入試は、例えるなら法律の論文作成に似ています。

最終的な判決(答え)が正しいだけでなく、その結論に至るまでの全ての論拠(計算や論理展開)が明確かつ正確に記述され、誰が読んでも納得できる形式(記述のルール)に従っていることが求められます。単に答えが合っているだけでは不十分であり、厳密な過程を説明する訓練が合否を分けます。