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金沢医科大学 一般選抜 出題傾向 生物

傾向と対策の概要

金沢医科大学の生物入試は、生物学の主要分野を幅広く網羅しつつ、特に分子生物学、遺伝子の発現、恒常性(ホルモン・腎臓)、計算問題、実験考察問題に重点が置かれています。最大の特長は、DNAの長さや代謝量、個体数推定など多岐にわたるテーマで正確な数値の算出が求められる計算問題の多さです。

試験形式の安定性と構成

本試験は、2018年度から2025年度の最新入試まで、一貫して大問3題構成が維持されています。

大問1(小問集合)

年度により問題数に多少の増減はあるものの(例:2018年度12問、2019年度14問、2025年度7問)、幅広い分野の基本的な知識や一問一答形式の設問が中心となっています。

大問2・3(論述/文章題)

特定のテーマに関する長い文章を読み、それに付随する詳細な設問や実験考察、計算問題に答える形式です。試験の構成としては、知識の網羅性(大問1)と深い理解・応用力(大問2、3)の両方が試される構造が安定しています。

試験形式の大きな変化

注意:試験時間の短縮について

最も大きな形式の変更は、試験時間の短縮です。2018・2019年度では「2科目 120分」でしたが、2020年度以降は「2科目 90分」に短縮されました。生物科目の問題数自体が大幅に減ったわけではないため、1問あたりにかけられる時間が減少し、時間的制約が厳しくなっています。

出題分野や出題テーマの傾向

出題分野は幅広く、高校生物の主要単元すべてから出題されていますが、特に以下のテーマが目立ちます。

分野 主なテーマと出題年度(例) 傾向
分子生物学・遺伝子発現 PCR法/遺伝子クローニング (2018, 2021, 2022) 遺伝暗号/翻訳 (2018, 2021, 2022) ラクトースオペロン (2024, 2025) X染色体不活性化 (2019) 最新の技術や詳細な調節機構に関する出題が頻繁に見られます。
生体防御(免疫) 抗原抗体反応/二次応答 (2018) MHC分子/T細胞/B細胞の役割 (2024) 実験結果の考察や、MHC遺伝子型の一致確率など、遺伝的・定量的側面も問われます。
恒常性(生理) 血糖調節/ホルモン (2019, 2020) 腎臓の再吸収計算 (2023) 酸素解離曲線/組織へのO2供給量計算 (2020, 2022) 計算を伴う体内環境の定量的な理解が必須です。
細胞・代謝 酵素反応/基質濃度 (2018, 2023) ATP合成/電子伝達系 (2023) 呼吸の計算 (2020, 2023) 反応機構の詳細や、発酵・呼吸の定量的計算が重要です。
進化・生態 分子時計(アミノ酸置換率)計算 (2020, 2023, 2024) 生物多様性/人為的介入 (2018, 2022) 個体群調査(標識再捕法)計算 (2021) 定量的な進化速度の推定や、生態系の保全・管理に関する知識が問われます。
動物の発生・行動 ウニの発生(卵割、誘導実験) (2018) ミツバチの8の字ダンス(実験考察) (2019) 実験結果から発生や行動の原理を導き出す考察力が求められます。

特徴的な傾向

計算問題の多さと重要性

「数字をマークしなさい」という指示が非常に頻繁に見られ、解答の多くが計算を伴います。特に、腎機能における再吸収量 (2023) や、PCR法によるDNA量 (2021)、分子時計 (2020, 2023, 2024) など、複雑で正確性が求められる計算問題が合否を分けやすいと考えられます。

実験とその詳細な考察力

単なる知識だけでなく、設定された実験(例:ウニの卵片分離実験、肥満マウスの血液循環実験、ミツバチのダンス、接ぎ木実験)の結果を詳細に分析し、生物現象のメカニズムを考察する力が問われます。

分野横断的な出題

例えば、遺伝(MHC)と免疫の融合問題、代謝と定量的計算の融合問題など、複数の分野の知識を組み合わせて解答させる問題が多く見られます。

対策

金沢医科大の生物入試に対応するためには、以下の点に重点を置いた対策が必要です。

1. 計算力と定量的思考力の徹底強化

計算問題が多いため、物理や化学で扱うような定量の概念(モル、濃度、体積、速度、比率)を生物学のデータに適用する訓練を徹底します。特に、代謝、腎臓、血液ガス、分子生物学における指数計算(PCRなど)のパターンを習熟することが不可欠です。解答は数字のマーク形式が多いため、計算ミスをしない精度が重要です。

2. 実験考察問題への慣れと基礎知識の定着

大問2・3で出題される文章題では、実験設定と結果の論理的な結びつけを意識して過去問演習を行います。例えば、ウニの発生における細胞の運命決定や、酵素反応のグラフ解析など、資料に示された具体的な実験例の背景にある原理を理解します。

3. 分子生物学と生理学の詳細な学習

遺伝子発現の調節(オペロン、スプライシング)や、PCR/遺伝子工学の原理、ホルモン調節のフィードバック機構について、図解や機構の詳細まで深く理解することが求められます。

4. 時間短縮への対応(2020年以降)

2020年度以降、試験時間が短縮されたため、即座に解答を導き出すためのスピードと効率的な問題処理能力を養う必要があります。基本的な知識問題は即答できるようにし、計算問題や考察問題に時間を割く戦略が必要です。

生物の入試対策は、実験室での作業に例えることができます。基礎的な知識を道具としてしっかりと揃え(大問1対策)、複雑な実験装置(長文問題)を前にしても、慌てずにデータを読み解き(考察力)、正確に計算して結果を出す(計算力)ことが、金沢医科大合格への鍵となります。