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北里大学 一般選抜 出題傾向 生物

傾向と対策の概要

北里大学医学部の生物試験は、全範囲から基礎知識の定着を前提としつつ、高度な読解力、実験考察力、および正確な計算能力を要求する点が大きな特徴です。

特に、教科書知識をそのまま問う問題は少なく、複雑な実験データを図やグラフから読み解き、分子レベルのメカニズムや生理現象を論理的に説明させる形式が多く採用されています。

試験形式の安定性と構成

試験形式は概ね安定しています。

  • 時間と科目:生物は他の1科目と合わせて100分で実施されています。
  • 出題形式:すべての問題が、選択肢の中から適切な答えを1つ選びマークする形式、または数字を桁ごとにマークする形式です。
  • 問題数:各年度で設問数は異なりますが、解答すべき項目(マーク箇所)は年度によって42問から60問程度と幅があります。
  • 計算問題の形式:計算が必要な問題では、解答の数値を特定の位(例:10の位、1の位、小数点以下第1位)に分けてマークさせる形式が採用されており、正確な計算が必須です。

試験形式の大きな変化

出題形式そのもの(試験時間、マーク式)に大きな変化は見られません。しかし、出題内容の深さや、最新の生物学的な知見・実験手法を取り入れる傾向が強まっています。

出題分野や出題テーマの傾向

特定の分野に偏りなく、生物学の主要な領域すべてから出題されています。特に、細胞・分子生物学、遺伝子、発生、および動物生理(恒常性、免疫、感覚)からの出題が詳細かつ多岐にわたります。

年度 主要テーマ (大問I, II, III)
2018 被子植物の生殖・発生、花の器官形成 / 網膜、明暗順応 / ヒトの腎臓、恒常性
2019 生体膜とATP合成 / 遺伝子の突然変異、SNP / 脊椎動物の色素細胞の発生・分化、遺伝
2020 神経系とニューロンの興奮 / 細胞骨格の機能、ウニ・ヒトデの発生 / センチュウ類の行動と遺伝、ゲノム編集
2021 細胞周期と細胞の構造、一次繊毛 / 脊椎動物の発生(カエル、ニワトリ)、誘導 / 人類進化、分子時計、集団遺伝学
2022 免疫(獲得免疫、移植免疫、アレルギー) / 動物の感覚(視覚、味覚)、神経回路
2023 DNAの構造、複製、発現調節 / 生物の分類、細菌・古細菌 / 恒常性(ホルモン、血糖調節、肥満マウス)
2024 (2025) 哺乳類の体温調節、止血機構 / 被子植物の生殖・発生、自家不和合 / 生態系(物質生産、バイオーム)

継続的な出題が見られるテーマ

  • 分子・細胞生物学:遺伝子の発現調節(転写調節、ヒストンの修飾など)、DNAの複製や修復、ATP合成(光リン酸化・酸化的リン酸化)。
  • 動物生理:恒常性(腎臓、ホルモン調節)、神経・感覚(ニューロンの興奮伝導、視覚・味覚の神経回路)、免疫(MHC、抗体、移植)。
  • 発生・生殖:植物や動物の発生過程、特に誘導や細胞分化のメカニズム。

特徴的な傾向

  • 高度な実験考察問題:既知の生物現象(例:花のABCモデル、網膜の再生、消化管の組織間相互作用、肥満マウスの併体結合実験)に関する詳細な実験設定、データ(グラフ・表)の提示が多く、これらを深く理解し、論理的に結果を考察させる力が求められます。
  • 現代生物学・医療関連テーマの導入:
    • 遺伝子編集技術(CRISPR/Cas9)。
    • RNAi(siRNA薬)を用いた治療薬開発の実験(血友病A)。
    • オプトジェネティクス(ChR2)を用いた味覚神経回路の解析。
    • ヒトの疾患に関連する分子機構(MODY2糖尿病、血友病A、アレルギー、肥満)を題材にした出題が多いです。
  • 計算・定量的分析の重視:腎機能のクリアランス値、DNA/アミノ酸配列の一致率、分子時計による分岐年代の推定、細胞周期の各期の時間の割合、尿素生成量、生態系の純生産量 など、生物学的なデータに基づいた正確な数値計算が頻繁に出題されます。

対策

出題傾向を踏まえると、単なる用語の暗記だけでは対応が困難であり、以下の対策が有効と考えられます。

実験考察力の徹底強化

  • リード文の精読:問題の前提となっている実験や現象について、図やグラフと照らし合わせながら、条件設定と結果の関係を正確に把握する訓練が必要です。特に、遺伝子欠損や薬剤処理など、特定の条件が「ない/阻害された」場合に何が起こるかを予測する力が重要です。

定量的処理能力の向上

  • 計算問題の反復練習:腎臓や分子時計、生態系の物質収支に関する計算問題は、年度ごとに数値を変えて形を変えて出題される傾向があるため、手順を確実に習得する必要があります。

分子メカニズムの深い理解

  • 作用機序の確認:恒常性、免疫応答、遺伝子発現調節といった複雑な生理現象について、どの分子(ホルモン、酵素、遺伝子産物)が、どの細胞で、どのような順序(シグナル伝達経路、フィードバック)で作用するのかを、細部まで理解する必要があります。

最新の知識と技術の応用

  • 現代生物学の用語に慣れる:PCR法、ゲノム編集、RNAi、抗体医薬などの最新技術が、実験考察の前提知識として扱われるため、これらの技術が生物学的にどのような影響をもたらすのかを知っておくと有利です。

対策のイメージ

知識をただ貯め込むのではなく、それらの知識を道具として使い、実験という未知の城を攻略するための設計図を自力で描き出す能力を養うことが、北里大医学部生物を突破するための鍵となります。