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日本医科大学 一般選抜 出題傾向 生物

傾向と対策の概要

日本医科大学の生物の入試は、例年大問3題で構成され、選択問題が中心ですが、論述問題も必ず1問出題されています。解答個数は概ね40〜43個程度で推移しています。

難易度は年度によって変動しており、2017年度までは大問[I]と[II]が基本的な知識問題でしたが、2018年度より大問[I]に実験考察問題が含まれるようになり、全体的な難度がやや高くなりました。しかし、2020年度は知識問題が増え、考察問題が減ったことで難度がやや下がり、2021年度・2022年度も考察問題が解きやすくなったことで、難度が低くなっている傾向が見られます。

合否を分けるポイント:
設定が複雑な実験問題を正確に分析し、結果から論理的に考察する力(考察力)が求められます。

試験形式の安定性と構成

大問数 2018年度以降、3題の構成で安定しています。
試験時間 理科(2科目)で120分が与えられています。
出題形式 選択問題が中心ですが、大問[III]の最後に論述問題が1問出題される傾向があります。
構成要素
  • 大問[II]:例年、基本的な知識問題が多く、完答が求められます。
  • 大問[III]:例年、高い考察力を要する実験考察問題が出題されています。

試験形式の大きな変化

2018年度に、入試傾向に変化が見られました。

  • 2017年度まで:大問[I]と[II]は基本レベルの知識問題のみの出題でした。
  • 2018年度以降:大問[I]でも実験考察問題が出題されるようになり(2018年度の器官形成に関する問題など)、全体的に難度がやや高くなりました。
  • 計算問題の出題:2020年度は、大問[I](酸素解離曲線)と大問[II](DNA塩基組成)で典型的な計算問題が出題されました。

出題分野や出題テーマの傾向

長期間にわたり、特定の分野が頻出しています。

頻出分野 (Core Fields)

  • 生殖・発生(発生):2022年度まで8年連続で出題されており、極めて重要な分野です。器官形成(すい臓形成、眼の形成)、性決定(カメ)、細胞接着、変態などがテーマとなっています。
  • 遺伝情報:DNAと遺伝情報の発現、性決定、母性遺伝、遺伝子の発現調節に関する実験考察問題などが頻出しています。
  • 細胞:細胞骨格、モータータンパク質、小胞による輸送、細胞接着など、細胞の構造と機能に関する問題が出されています。

近年増加した傾向の分野

  • 体内環境(恒常性・免疫):2020年度まで4年連続で出題されており、教科書・資料集の内容を隅々まで把握する必要があると指摘されています。ホルモン(甲状腺ホルモン、血糖調節)、自律神経、免疫(拒絶反応、マラリアと免疫抑制)などがテーマとなっています。

具体的なテーマ例

  • ホルモン、自律神経、免疫
  • 酸素解離曲線、呼吸、循環系
  • ウイルスの増殖のしくみ(インフルエンザウイルス)
  • 遺伝子発現の調節とその現象に関する物質の輸送と働き

特徴的な傾向

高度な実験考察の重視

特に大問[III]は、設定が複雑で、実験条件を整理し、結果を正確に分析する高度な考察力が試される問題が例年出題されています。

例:2018年度のインフルエンザウイルスの増殖メカニズム、2019年度のバクテリアによるX染色体DNA分解、2020年度の骨形成の細胞間制御、2021年度のアカミミガメの孵卵温度による性決定、2022年度のEPO遺伝子の酸素応答調節など、新しい知見に基づいた問題が多いです。

時系列的な機能の理解

実験考察問題においては、特定の物質やタンパク質が、発生や応答のどの段階で、どのように機能するかを時系列で把握する能力が求められます。

(例:2020年度の骨形成タンパク質Dの機能が途中で変化する点、2021年度のカメの性決定におけるタンパク質A, B, C-Kの機能連鎖)

知識問題の安定性

大問[II]は、細胞骨格、モータータンパク質、筋収縮、ホルモン、自律神経、小胞による輸送など、比較的基本的な知識問題が出題されており、ここで確実に得点することが重要です。

対策

合格に向けた具体的対策

  • 頻出分野の徹底的な学習:
    「細胞」「遺伝情報」「生殖・発生」の3分野は、過去問を研究して、教科書や資料集の内容を深く理解しておくことが最も望ましいです。特に「生殖・発生」は連続出題が続いているため、重点的な対策が必要です。
  • 知識の網羅的な習得:
    「体内環境」のように、近年頻出傾向にある分野も含め、教科書や資料集に記載されている内容を隅々まで把握しておくことが推奨されます。
  • 実験考察問題への慣れと対策:
    設定が複雑な実験考察問題への対応力を養うため、過去問などを研究して慣れておく必要があります。特に、実験結果(表やグラフ)から、どの因子が、どの現象に、どのように作用しているのかを正確に分析し、論理的な結論を導き出す訓練を積むことが不可欠です。
  • 論述対策:
    毎年1問出題される論述問題に備え、実験結果や生物現象のメカニズムを、必要なキーワードを含めて簡潔かつ正確に記述できるように練習しておく必要があります。

日本医科大学の生物の入試は、基礎知識の定着を前提としつつ、特に実験結果を読み解き、未知の現象のメカニズムを考察する能力を重視していると言えます。これは、臨床的な問題解決能力を試す医師の試験としての特性を反映していると考えられます。生物学の知識をただ暗記するだけでなく、パズルのピースを組み合わせるように実験データを統合し、生命現象を理解する練習が効果的でしょう。