日本医科大学 一般選抜 出題傾向 数学
傾向と対策の概要
日本医科大学の数学試験は、例年、非常に計算量が多いことが最大の特徴です。高得点を獲得するためには、分野知識の習得に加え、計算の「スピード」と「正確さ」が必須とされています。
難易度については、例年通りとされることが多いものの、2019年度には大問数減少に伴い1題あたりの難度が上がった印象があり、2023年度も難度が高くなったと講評されています。ただし、最新の2025年度では計算量が減り、全体的な難易度は下がったとの評価もあります。
試験形式の安定性と構成
| 年度 | 大問数 | 試験時間 | 傾向 |
|---|---|---|---|
| 2018年度(前期) | 5題 | 90分 | 例年通り |
| 2019年度(前期)以降 | 4題 | 90分 | 4題に減少後、安定 |
試験時間は一貫して90分です。2019年度前期以降、大問数は5題から4題に減少したのち、4題で安定しています。
試験形式の大きな変化
2019年度前期に、大問数が5題から4題に減少しました。これにより、1題あたりに割かれる時間と問題の深さが増し、1題あたりの難度が上がった可能性が指摘されています。以降、前期試験では4題構成が続いています。
出題分野や出題テーマの傾向
幅広い分野から出題されますが、特に以下の分野の融合問題が目立ちます。
微積分(微分法・積分法・極限)
- 定積分の最小値問題(三角関数、偶奇関数利用)。
- 回転体の体積(極限値との融合)。
- 曲線の長さの差の極限。
- 不等式を用いた極限(はさみうちの原理、平均値の定理、テイラー展開類似の不等式利用)。
- 積分方程式(置換積分、二次導関数まで求める解法が定石)。
空間図形・ベクトル
- 楕円とベクトル、あるいは空間内のベクトル処理。
- 四面体の体積の最大値や最小値。
- 半球の平面切断(平面の法線ベクトルに着目)。
- 座標空間における2次曲線や軌跡。
確率・数列
- 確率漸化式(難度が高いことが多い)。
- 反復試行と座標移動。
- 等比数列をなす3次方程式の解。
- 極限と融合した確率問題。
複素数平面・2次曲線
- 複素数平面上の図形(円、純虚数の条件)。
- 双曲線・放物線の共有点や、接線と図形の面積。
- 媒介変数表示された軌跡と2次曲線(楕円)。
特徴的な傾向
- 圧倒的な計算量:出題分野を問わず、計算過程が長く煩雑になる傾向が顕著です。
- 誘導形式の活用:大問が小問に分かれており、前の小問の結果を次の計算に利用させる誘導形式が多く用いられています。
- 分野融合問題の重視:「楕円とベクトル」、「確率と極限」、「反復試行と複素数平面」など、複数の分野の知識を統合して解く能力が求められます。
- 高度な計算技術:極限計算において、区分求積法やはさみうちの原理の適用がポイントとなることがあります。
- 図形の考察:空間図形や座標平面上の図形(例:半球の切断、格子点の個数、通過領域)において、正確な状況把握と図示が解法の鍵となることが多いです。
対策
計算トレーニングの徹底
最も重要なのは、煩雑な計算を速く正確に処理する能力を養うことです。特に分数、根号、三角関数を含む式の展開・整理に慣れる必要があります。
標準的な解法の定石習得
各分野の基本的な解法(例えば、積分方程式における置換 x - t = u、楕円の接線条件、確率漸化式の解法)を確実に理解し、手が止まらないようにすること。
誘導に乗る訓練
問題の意図を読み取り、誘導のステップ(例:微分を複数回行う、特定の不等式を適用する)を確実に実行し、辛抱強く計算に取り組むことが求められます。
空間把握能力の強化
空間ベクトルや空間図形の切断問題に対して、平面の法線ベクトルに着目するなど、正確に状況を把握し、立式できる訓練を行うこと。
総評:この試験は、数学的な思考力に加え、時間内に計算を完遂するタフさが試される、マラソンのような試験と言えるでしょう。