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杏林大学 一般選抜 出題傾向 数学

傾向と対策の概要

杏林大学医学部の数学は、2018年度から2025年度に至るまで、穴埋め形式(マーク式)の解答形式を一貫して採用しており、この形式は計算の正確性と速さを要求します。出題分野は広範にわたり、特に微積分、数列、空間図形(ベクトルを含む)が頻出であり、これらの分野を融合させた応用的な問題が多いことが特徴です。2024年度以降、試験時間が増加しましたが、出題内容は依然として高度な思考力と正確な計算力を試す傾向にあります。

試験形式の安定性と構成

解答形式の安定性

すべての年度で、設問のア、イ、ウ...に数字(0〜9)または負の符号(―)をマークする穴埋め形式(マーク式)が採用されています。分数での解答は既約分数で、負の符号は分子につけ、根号内の自然数は最小となる形に指定されています。

構成

通常、大問IからIVまでの4題構成です(資料では2021年、2022年、2024年、2025年は3題の抜粋に見えますが、全体としては4題の傾向が強いです)。各設問は(a), (b), (c)...と細分化されており、誘導形式で計算が進められることが多いです。

試験形式の大きな変化

試験時間の変更

2018年度から2023年度までは60分でしたが、2024年度および2025年度の資料では試験時間が70分に延長されています。これは、問題量の維持または増加、あるいは問題の難易度上昇に対応するためと考えられます。

出題分野や出題テーマの傾向

以下の分野が継続的かつ重点的に出題されています。

微積分(微分・積分)

  • 関数(特に指数・対数関数、絶対値関数、三角関数、分数関数)の極大値・極小値、変曲点の解析。
  • 面積や体積(回転体を含む)の計算。対数関数を含む関数の面積や回転体の体積の極限値に関する出題もありました (2018年)。
  • 媒介変数表示された曲線や関数の微分・接線、曲線の長さに関する問題も出題されています (2024年)。
  • 関数の連続性・微分可能性に関する極限の利用 (2025年)。

数列・漸化式

  • 連立漸化式の解法と、それを用いた数列の極限や無限級数の和の計算 (2018年)。
  • 確率漸化式(玉の取り出しなど)と、その極限を求める問題 (2023年, 2025年)。
  • 対数関数と組み合わせた等差数列・等比数列の応用 (2021年)。

空間図形・ベクトル

  • 空間座標における正多面体(正八面体)の断面や角、体積に関する複雑な幾何学的考察 (2018年, 2025年)。
  • 回転体や軌跡、動点によって通過する領域や体積を求める問題 (2019年, 2020年, 2023年)。
  • 空間ベクトルを用いた三角形や四面体の重心、外接円、体積の計算 (2020年, 2022年, 2023年)。

確率・場合の数

  • 集合と絡めた倍数の数の計算 (2019年)。
  • 条件付き確率を含む、詳細な場合の数の考察 (2019年, 2021年)。

その他

  • 数と式/整数(N進法)の計算 (2020年)。
  • 複素数平面における幾何学的な操作(対称移動、回転、漸化式)と極限 (2024年)。
  • 2次曲線(円、楕円、放物線)の接線、軌跡、領域に関する問題。

特徴的な傾向

  • 高度な空間認識と応用力: 正八面体の断面図の周の長さや面積の最大値を求める問題 (2018年) や、動点が回転移動する操作によってできる軌跡の解析 (2019年)、さらに円柱の共通部分と八面体の交わりの体積や断面の最大値を求める問題 (2025年) など、高いレベルの空間把握力を要する問題が毎年出題されています。
  • 関数概念の深い理解: 絶対値や対数を含む関数の連続性、微分可能性、極限、および関数の満たすべき性質(関数方程式)など、数学の基礎概念に対する深い理解を問う問題が見られます (2018年, 2019年)。
  • 計算量の多さ: 穴埋め形式であるため、解法の過程で複雑な計算(特に分数、根号、定積分)を正確かつ迅速に行う能力が求められます。例えば、2022年の定積分には絶対値が含まれ、複数の区間に分けて計算を行う必要がありました。

対策

時間配分と計算力の強化

試験時間は60分または70分と限られているため、日頃から大問1題あたり15分~20分を目安に解く練習を行い、正確かつスピーディーな計算力を養成することが不可欠です。特に分数や根号、三角関数の複雑な計算に慣れておく必要があります。

微積分と数列の徹底理解

微積分は極限、増減、面積、体積と幅広い出題があり、配点も高いと予想されます。連立漸化式や確率漸化式など、標準的な漸化式にとどまらない問題への対応力を高める必要があります。

空間図形とベクトルの重点対策

杏林医学部で最も特徴的かつ難易度の高い分野の一つです。空間図形の切断、回転、軌跡、およびそれらをベクトルで処理する練習を徹底してください。特に座標空間内での図形の幾何的性質と代数的処理(ベクトルや座標計算)を融合させる力を養うことが重要です。

論理的思考力と誘導への対応

問題は多くの場合、段階的な誘導形式になっています。各ステップで何を求められているのかを正確に把握し、前の結果を次に活かす練習が重要です。特に定義域や条件(例:0 < r < 1など)を意識した論理展開の練習が求められます。

対策のイメージ

杏林医学部の数学は、まるで外科医が手術を行うように、限られた時間の中で、広範な知識と高度な技術(計算力と空間把握力)を正確に連携させることが求められます。特に難解な空間問題は、複雑な3次元の状況を正確に頭の中で「画像診断」し、それをベクトルや座標の「メス」を用いて、ミスなく「切除(解答)」していく能力に例えることができます。