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東京女子医科大学 一般選抜 出題傾向 数学 (2018年度~2025年度)

傾向と対策の概要: 東京女子医科大学の数学入試は、60分で大問4題という形式が継続しており、極めて高い計算処理能力と正確な論証力が要求されます。出題内容は、微積分、数列、確率の頻出分野に加え、複素数平面や高度な幾何・最大最小問題など、幅広い分野から深い理解を問う問題が選ばれています。特に、複雑な漸化式や多段階の確率計算、複数の分野を統合した融合問題が多く、限られた時間内での完答は困難であるため、取捨選択の判断力とスピードが重要となります。

試験形式の安定性と構成

2018年度から2025年度にかけて、試験形式は非常に安定しています。主な特徴は以下の通りです。

試験時間・大問数 2018年度~2025年度の全期間で60分・大問4題構成で一貫しています。
出題形式 各大問は複数の小問で構成されることが多く、一つのテーマについて段階的に問いを進める形式が取られています。
記述の要求 多くの年度で「解答に際しての注意事項:答えまでの過程を記すこと」という指示があり、論理的な思考過程や計算過程も評価対象となります。

出題分野や出題テーマの傾向

主要な出題分野は以下の通りで、分野間の融合が常態化しています。

微分積分・極限 (Calculus & Limits)

  • 面積/求積: 2曲線で囲まれる領域の面積計算 (2018)。複雑な関数 の領域面積の極限 (2020)。
  • 極値/増減: 対数関数を含む関数の極値の条件設定 (2019)。関数 の増減と極値 (2024)。
  • 極限/論証: 無理関数の極限計算 (2021)。
  • 定積分と級数: 定積分で定められた無限級数の和(指数関数と三角関数の融合) (2023)。
  • 応用: の逆関数の導関数 (2025)。

数列・漸化式 (Sequences & Recurrence)

  • 複雑な漸化式: 和 を含む非標準的な漸化式 ( 型) の一般項と和の導出 (2019)。
  • 特殊な和: 等差×等比型の応用である の計算 (2020)。
  • 非線形な関係: のようにとの関係が非線形に与えられる問題 (2022)。
  • 金融数学との融合: 複利計算を題材とした漸化式とその一般項の導出 (2023)。

確率・場合の数 (Probability & Combinatorics)

  • 数え上げ: 5つの数字から作る4桁の整数の倍数判定(12の倍数など) (2019)。
  • 包含と排除: 3個のサイコロの目の和に関する確率(排反ではない事象の和集合) (2021)。
  • 反復試行: ルーレットを用いたゲーム形式の確率(特定のマスで終了する確率 ) (2022)。
  • 円順列と確率: 5枚のカードを円形に並べる際の確率 (2023)。
  • ゲーム終了確率: 3個のサイコロの目に関する条件を用いた反復試行の終了確率 (2024)。
  • 純粋な順列・組合せ: 特定の並びの確率、点数計算(赤玉2点、白玉1点)の取り出し方の総数 (2025)。

幾何・ベクトル・図形 (Geometry, Vectors, 3D)

  • ベクトルと最大最小: 円周上の動点Aと定点Bを結ぶベクトルOAとOBの内積の最大値(三角関数の合成利用) (2018)。
  • 図形の最大最小: 円周上の点の位置関係に基づくOPの長さの最大値(微分や三角関数利用) (2021)。
  • 放物線と極限: 放物線上の点、焦点、接線、円を題材とした面積比の極限計算 (2022)。
  • 平面幾何: 正弦定理や三角関数の複雑な変形を要する角度と辺の長さの関係 (2023)。
  • 3次元図形: 正四面体に外接する球、正八面体に内接する球の体積 (2025)。
  • 解析幾何と最大値: 放物線と直線の交点P, Qと原点Oが作る三角形OPQの面積の最大値 (2025)。

代数・論証

  • 整数問題: 2次方程式が整数解をもつ条件 (2018)。
  • 不等式の証明: 数学的帰納法を用いた不等式 の証明 (2020)。
  • 対数と最大最小: のような条件における の値の範囲を求める問題 (2021)。

特徴的な傾向

極端な計算量の要求

特に微積分や数列の問題において、複雑な積分計算 (2020) や、長大な漸化式処理 (2019)、あるいは多重の等比級数の和 (2020) など、60分という時間枠に対して非常に重い計算負荷がかかる問題が毎年出題されています。

融合問題と分野横断

図形的な問題で最大値を求めるときに微分を用いる (2021)、あるいは幾何学的な図形の面積比の極限を求めるときに極限の公式を用いる (2022) など、複数の分野の知識を統合して処理する能力が試されます。

医学部特有の論証・応用

  • 論理的な厳密性: 数学的帰納法や、対数関数を利用した厳密な大小比較 (2024の $23^{24}24^{23}$の比較) が出題されており、論証力が重視されています。
  • 実生活・金融への応用: 2023年度には複利計算(金融数学)をテーマとした漸化式が出題され、数学を実用的な文脈で捉える能力が求められました。
  • 複素数分野の復活と応用: 2024年度に複素数の方程式の解を求める問題、そして2025年度には複素数平面を用い、図形の回転、線分の長さ、角度を問う高度な幾何融合問題が出題されています。この分野は今後も注目すべきテーマです。

対策

計算力と時間配分の徹底訓練 制限時間の厳しさから、難度の高い問題に対して速く正確に処理する能力が必須です。過去問を解く際は、60分間の中でどこまで解き切れるかを意識し、計算過程を省略せず迅速に進める訓練が必要です。

主要分野の応用力強化

  • 微積分: 複雑な積分(部分積分、置換積分)や、対数・指数関数を含む増減・極値の問題を重点的に練習してください。
  • 数列: 型や複雑な漸化式、および和の公式がそのまま使えない級数和(等差×等比型など)の解法を習得することが不可欠です。
  • 確率: 複雑な数え上げ(条件付き確率、重複順列)、および漸化式を利用する反復試行の確率、包含と排除の原理を用いる問題に慣れる必要があります。

論証と記述対策

答えまでの過程を詳細に記述する訓練を行い、特に数学的帰納法や、増減表を用いた論理的な結論導出など、論理的に破綻のない記述ができるように準備してください。

広範囲なテーマへの対応

幾何(三角関数・正弦定理)、ベクトル、そして最近出題が増加した複素数平面や3D幾何についても、標準レベルを超えた応用問題に対応できるよう、網羅的な学習が求められます。