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東北医科薬科大学 一般選抜 出題傾向 生物

傾向と対策の概要

東北医科薬科大学医学部の生物は、広範囲にわたる基礎知識を要求する一方で、特に遺伝情報の発現、分子生物学、細胞生物学といった分野について、詳細かつ実験的な考察力を問う問題が中心となっています。各分野の知識を統合し、実験データや図表を正確に読み解く応用力と計算力が重要です。

試験形式の安定性と構成

提供された2018年度から2025年度までの入試資料に基づくと、試験形式は極めて安定していると判断できます。

項目 内容
時間・科目 他の1科目と合わせて 2科目 120分
問題形式 大問I、II、III構成。
空所補充、選択肢からの語句選択、計算問題、実験結果の解釈問題などが中心のマーク式。

試験形式の大きな変化

資料の範囲(2018年度〜2025年度)においては、試験時間や大問構成に関する大きな形式的な変化は見られません。出題されるテーマの分野は多岐にわたりますが、出題形式自体は読解と選択式回答を組み合わせたスタイルで一貫しています。

出題分野や出題テーマの傾向

出題は生物の主要分野を網羅していますが、特に分子生物学、細胞生物学、遺伝分野の比重が高い傾向が顕著です。

分子生物学・遺伝情報の発現(最重要テーマ)

  • DNA複製と転写・翻訳:リーディング鎖/ラギング鎖の判断、プライマーの結合部位、遺伝暗号表を用いたアミノ酸配列の特定が問われています。
  • RNAプロセシング:スプライシング(イントロン/エキソンの概念)や、選択的スプライシングによるタンパク質の多様性創出、mRNAの成熟過程が繰り返し問われています。
  • 遺伝子操作技術:PCRに必要な材料や増幅率の計算、遺伝子組み換え(プラスミドの利用)、ゲノム編集(CRISPR/Cas9)など、最新の技術を背景とした問題が出題されています。
  • 突然変異:点突然変異(ナンセンス、ミスセンス、サイレント)やフレームシフト変異の発生とその影響を問う詳細な分析問題が出題されています。
  • 遺伝子発現制御:原核生物のトリプトファンオペロンに関する詳細な実験考察問題が最新年度(2025年度)で出題されています。

細胞生物学・生化学

  • 細胞内輸送/タンパク質分泌:インスリンなどの分泌タンパク質の合成経路(小胞体、ゴルジ体、分泌小胞)や、シグナル配列の役割、翻訳後の修飾(糖鎖結合、ジスルフイド結合)が詳細に問われています。
  • 細胞接着:細胞-細胞接着(密着結合、デスモゾームなど)の構成要素や結合タンパク質(カドヘリン、インテグリン)に関する問題。
  • 膜輸送:グルコース輸送における飽和現象(担体輸送)や、競合阻害のグラフ解釈、特定の輸送体機能の実験分析(酵母のロイシン輸送体)など、機能的な理解が求められます。
  • 細胞周期:DNA量に基づいた細胞周期のG1期、S期、G2期、M期の時間の計算や、特定の薬剤による細胞周期停止段階の特定など、定量的な考察が必要です。

動物の生理・恒常性

  • ホルモンと内分泌系:血糖値調節、腎臓における水再吸収(バソプレシン)、副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド)のフィードバック調節など、恒常性維持機構が頻出です。
  • 神経と筋:活動電位の発生、興奮伝達(アセチルコリン)、神経の伝導速度の計算、筋収縮のメカニズムが出題されています。
  • 消化管の制御:胃酸分泌における神経(迷走神経)とホルモン(ガストリン)の複合的な調節メカニズムに関する詳細な実験問題(2024年度)。
  • 心臓:左心室の圧容量曲線、弁の開閉、先天性心疾患のメカニズム(2022年度)。

古典遺伝学・集団遺伝学・生態

  • 古典遺伝学:メンデルの法則、連鎖と組換え価の計算(ショウジョウバエやマウスを用いた交配実験)が頻繁に出題されています。
  • 集団遺伝学:ハーディ・ワインベルグの法則。
  • 生態:個体群密度の増加と成長曲線(ロジスティック曲線)、捕食者-被食者関係(ロトカ・ボルテラ方程式の概念)に関する問題(2025年度)。

特徴的な傾向

東北医科薬科大学の生物は、知識の丸暗記だけでは対応できない、高度な実験考察力を要求する点が最大の特徴です。

  • 実験主体の出題:単なる知識問題ではなく、提示された実験設定(図、グラフ、表)を読み込み、結果から論理的に結論を導く力が求められます。
  • 最新研究テーマの導入:CRISPR/Cas9を用いたゲノム編集や、特定の輸送体変異の機能解析など、大学レベルの専門的なトピックを高校生物の知識を土台にして考察させる問題が目立ちます。
  • 定量的分析(計算)の重視:PCRの増幅倍率、腎臓の原尿量や再吸収率の計算、遺伝子の組換え価の計算、細胞周期の各期の時間計算など、計算を伴う問題が複数の分野で出題されています。
  • 詳細な知識の要求:細胞接着における特定の細胞骨格タンパク質(アクチンフィラメント、中間径フィラメント)と接着装置(カドヘリン、インテグリンなど)の組み合わせや、神経伝導速度の計算における不応期の概念など、非常に細部にわたる知識が問われます。

対策

上記の傾向を踏まえると、合格に必要な対策は以下の通りです。

1. 分子生物学・遺伝学の徹底理解

特に遺伝情報の発現プロセス全般(複製、転写、翻訳、修飾)を、関わる酵素や構造(リプレッサー、オペレーター、スプライソソームなど)と結びつけて詳細に理解してください。最新の遺伝子操作技術(PCR、ゲノム編集、遺伝子組み換え)の原理と応用例を、実験の流れを追って把握することが不可欠です。

2. 実験問題・グラフ読解の集中訓練

過去問を通して、グラフや電気泳動パターン、家系図、実験フローを分析し、結論を導き出すための論理的思考力を養ってください。実験のどの条件が何を意味するのか(例:特定の薬剤の作用点や変異の影響)を常に意識して読み解く練習が必要です。

3. 定量的な問題への慣れ

腎臓機能やPCR、遺伝の計算問題は、公式を覚えるだけでなく、なぜその数値や比率になるのかを理解し、実際に手を動かして計算する練習を重ねてください。

4. 生理学・恒常性の機構理解

ホルモン調節や神経伝達の分野では、関与する器官、ホルモン、神経、分子(例:Ca2+ や Na+チャネル)を連動させて、フィードバック機構を含めた全体像を把握してください。特に神経とホルモンの連携メカニズムも深く問われています。

重要:科学的思考力の養成
これらの問題傾向は、生物学が実験科学であり、生命現象が分子レベルの緻密な機構によって成り立っていることを反映しています。単に知識を暗記するのではなく、知識をツールとして使い、目の前の実験現象を解釈する「科学的な思考力」が求められています。生物学の知識を単なる地図(暗記)としてではなく、地形を読み解く羅針盤(考察力)として使えるよう準備を整えましょう。