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日本大学 一般選抜 出題傾向 生物

傾向と対策の概要

日本大学医学部(N方式)の生物の試験は、基礎的な知識を前提としつつも、実験データの解釈、計算問題、そして生物学の応用的な概念や仕組みを深く理解しているかを問う、難易度の高い問題が特徴的です。

出題範囲は「細胞と代謝」「遺伝情報とその発現」「生殖と発生」「環境応答と生態」といった生物学の全領域を網羅しており、特定の分野に偏りなく、幅広く詳細な知識が求められます。特に、実験結果の分析や定量的思考(計算)を要する問題がコンスタントに出題されており、単なる暗記では対応が困難な傾向があります。

試験形式の安定性と構成

試験形式は、2018年度から最新年度まで、60分の試験時間であり、大問がIからV~VII程度に分かれており、各々が特定のテーマに関する長文のリード文と複数の設問(主に選択式)で構成される形式が安定しています。

設問形式は、記述問題は確認できず、全てが記号選択式です。空欄補充、正誤判定(a~eの組み合わせ)、計算結果、グラフの選択など、多様な形式の選択問題が出題されます。

試験形式の大きな変化

出題形式や時間配分に大きな変化は見られませんが、出題テーマの選定においては、最新のバイオテクノロジーの技術や医学に関連する詳細な内容が積極的に取り入れられています。

例えば、以下のような大学での学習内容や専門性の高い応用知識を問う傾向が強まっています。

  • ラクトースオペロンの遺伝子型と発現の複雑な組み合わせ問題(2022年度)
  • PCR法やサンガー法といった遺伝子工学の実験手法の詳細(2025年度)
  • 遠近調節や瞳孔反射といった生理学の詳細なメカニズム(2020年度)
  • 腎クリアランスを用いた腎機能の定量的分析(2024年度)

出題分野や出題テーマの傾向

出題は生物学全分野からバランスよく行われますが、特に重点的に出題されるテーマには以下の傾向があります。

代謝(細胞・生理)

  • 光合成は毎年または隔年で出題されており、電子伝達系、光化学系I/IIの機能、カルビン回路における中間生成物の変動、C4植物・CAM植物のメカニズムと生育環境など、深い理解が求められます。
  • 細胞膜の構造と機能、物質輸送(能動輸送・受動輸送)が頻繁に出題されます。特にナトリウムポンプ(ナトリウム-カリウムATPアーゼ)の仕組みや、ホルモンの受容体の種類(細胞内か細胞膜か)に関する知識が必要です。
  • 酵素の機能と反応速度(pHや温度)、アロステリック効果や阻害(非競争的阻害)のメカニズムといった生化学的知識も問われます。

遺伝情報と分子生物学

  • 遺伝情報の発現(セントラルドグマ)のプロセス(転写、翻訳)や、原核生物と真核生物の違い(スプライシング、リボソーム)は重要です。
  • 遺伝子操作技術(制限酵素、電気泳動、PCR法、サンガー法、遺伝子組換え技術)は近年頻出しています。
  • 遺伝学の計算問題(Hardy-Weinbergの法則、連鎖と組換え)が定着しています。

生体防御と恒常性

  • 免疫は必須テーマであり、自然免疫と獲得免疫の区分、抗体の構造と機能(Fc部位、S-S結合)、MHC抗原、および免疫疾患(アレルギー、自己免疫疾患、AIDS)に関する深い知識が求められます。
  • ホルモンによる恒常性維持(血糖調節、浸透圧調節)、特にグルカゴン、インスリン、アドレナリン、糖質コルチコイドの作用機序が詳細に問われます。

特徴的な傾向

高度な実験・データ解釈の要求

光周性に関するグラフや実験結果(光中断など)の分析、個体群の成長曲線、遺伝子発現の実験モデル(アカパンカビの栄養要求株、ラクトースオペロン)など、提示された実験図や表から情報を読み取り、論理的に考察させる問題が非常に多いです。

また、免疫学におけるゲル内二重拡散法(沈降線の形成)や、皮膚移植実験の結果解釈など、医学関連の専門的な実験手法も出題されます。

定量的問題(計算)の多さ

タンパク質合成量、酵素の回転角度、窒素同化率、生態系のエネルギー効率や物質生産、腎クリアランスなど、数学的な処理能力を必要とする問題が目立ちます。

分子レベルの詳細知識の重視

DNA/RNAの構造(5'末端、3'末端、キャップ構造、ポリA尾部)、遺伝子発現におけるRNAポリメラーゼの進行方向、ホメオティック遺伝子やカドヘリンによる発生の制御など、細胞・分子レベルでの詳細なメカニズムの理解が要求されます。

対策

全範囲の基礎知識の徹底

広範な知識が求められるため、苦手分野を作らないことが最優先です。特に、「遺伝情報」「細胞と代謝」「免疫」は毎年高い頻度で出題されるため、基本用語だけでなく、関連する仕組みや背景を深く理解する必要があります。

実験考察・データ分析力の強化

過去問や問題集を通じて、グラフや表、実験操作が与えられた際に、「何が原因で、何が結果として変動したのか」を論理的に分析する練習を徹底してください。

特に、光合成(C3/C4/CAM)や遺伝子発現(オペロン、変異)など、条件変化による物質量の増減を問う問題への習熟が必須です。

定量的問題への対応

Hardy-Weinbergの法則、生態系の物質収支・効率、腎クリアランスに関する公式や計算手法をマスターし、迅速かつ正確に処理できるように訓練してください。

医学関連テーマへの重点的な学習

MHC抗原と移植、Rh式血液型と抗体産生、免疫疾患など、医学部ならではのテーマについて、生体防御のメカニズムと関連付けて学習することが有効です。

【まとめ】

例えるなら、日大医学部の生物試験は、生物学という壮大なオーケストラの演奏を聴くようなものではなく、楽譜(知識)を理解した上で、楽器(実験データや計算)を正確に操作できる技術(応用力)を持っているかを試されていると言えます。楽譜を全て暗記するだけでなく、自力で演奏できるレベルの習熟が求められます。