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日本大学 一般選抜 出題傾向 数学

傾向と対策の概要

日本大学医学部(N方式)の数学は、試験時間が一貫して60分に設定されており、出題範囲は「数学I・II・A・B」と指定されていますが、実際には数学IIIの知識が必須とされる高度な内容が含まれることが大きな特徴です。

特に微積分、空間ベクトル、確率、数列・極限といった分野で、計算量の多い応用問題が出題される傾向が続いています。解答形式は、マークシート方式で数値(整数または分数、根号を含む)を記入する形式で統一されています。

対策としては、制限時間60分に対し要求される計算量が非常に多いため、数III分野の習熟と、高い計算スピードおよび正確性の両立が求められます。

試験形式の安定性と構成

安定性

試験形式は、2018年度以降、時間と解答形式において非常に安定しています。

試験時間 継続して60分
出題形式 すべての解答欄がマークシート方式の数値記入
(分数は既約分数、根号の中は最小の自然数で答える指示あり)
出題範囲表示 一貫して「数学I・II・A・B」と記載

構成

試験は通常、大問IからVまたはVIの5〜6題構成となっています。

  • 大問I:毎年、様々な分野からの小問集合として出題されており、幅広い知識が問われます(例:不等式、複素数、三角関数、指数・対数、確率など)。
  • 大問II以降:確率、ベクトル、微積分、数列、図形といった特定のテーマを深く掘り下げた応用問題が出題されます。

試験形式の大きな変化

形式面での大きな変化は限定的ですが、初期の数年間に特筆すべき構造が見られます。

  • 2018年度、2019年度の構造:2018年度および2019年度の資料には、数学の試験が2つの独立した60分間の科目として構成されていた形跡があります。これにより、受験生には短時間で大量の問題を処理する能力が一層強く求められていました。
  • 2020年度以降:2020年度以降の資料は、60分間の試験として構成されており、試験の構造は安定しています。

内容面では、数III分野からの出題が徐々に定着し、難易度と計算量の水準が高く維持されています。

出題分野や出題テーマの傾向

1. 微積分(数II・数III)

ほぼ毎年、大問または最終の大問で出題されます。

  • テーマ:3次関数や絶対値を含む関数のグラフと実数解の個数、最大値・最小値、面積や体積の計算が中心です。
  • 特徴:特に数IIIの知識を要する積分計算(回転体の体積や複雑な面積)が頻出であり、計算過程が非常に複雑になりがちです。
  • 2024年度や2025年度では、曲線と直線の共有点の範囲、接線と面積・回転体の体積など、応用的なテーマが出題されています。

2. ベクトル・図形(数B・数C)

平面・空間ともに重要です。

  • 空間ベクトル:平行六面体における線分比や平面との交点、四面体や三角形の垂心など、幾何学的な考察を要する問題が目立ちます。内積を用いた長さや角度の計算も頻出です。
  • 図形:円に内接する四角形、三角形の線分比(メネラウス、チェバの定理)や面積比など、図形的な性質とベクトルや三角関数を組み合わせた問題が多く見られます。

3. 確率・場合の数(数A)

単なる公式適用にとどまらない、深い考察を要する問題が出されます。

  • テーマ:条件付き確率、完全順列、正多角形の頂点から作られる図形の確率、玉の取り出し方に関するゲームの確率などです。
  • 2021年度ではビンゴのような特殊な試行における最大・最小試行回数と確率が、2020年度では品物の交換会における完全順列の考え方が出題されました。

4. 数列・極限(数B・数III)

数列の一般項の導出や無限級数の和が頻繁に問われます。

  • テーマ:階差数列が等比数列であるタイプ、漸化式、無限等比級数の和の収束条件や、極限計算(特に nrn の形や指数関数を含むもの)が重要です。
  • 2025年度では、無限等比級数の和を利用して図形の面積和の極限を求める問題が出題されました。

5. 複素数・複素数平面(数C)

小問集合や大問Iの一部として出題されます。

  • テーマ:ド・モアブルの定理の計算、複素数平面における点の軌跡(円)、極形式と zn が実数となる条件。

特徴的な傾向

  • 実質的な数III必須化:出題範囲表示(I・II・A・B)にかかわらず、数IIIの微積分、複素数平面、極限の知識が前提となっている点が、この試験の最大の特徴です。
  • 複雑な計算要求:積分計算、特に回転体の体積計算(例:2021年度の 11/5π、2024年度の 297/5π)や、三角関数の最大最小問題におけるルートを含む複雑な数値処理など、煩雑な計算を60分で正確にやり遂げる能力が試されます。
  • 格子点問題の出題:領域内の格子点の個数を求める問題や、数列の和として格子点を数える問題など、特定の離散数学的なテーマが出題されることがあります。

対策

数III分野の早期・徹底学習

指定範囲を無視し、数IIIの微積分(面積、体積、最大最小、対数・指数関数の応用)と複素数平面、無限級数を最優先で学習し、得点源とすることが必須です。

時間配分を意識した計算力の養成

制限時間60分で全問に手を付けるのは難しいため、小問集合(大問I)を素早く正確に処理し、大問の計算に時間を割けるように練習する必要があります。特に、積分計算や分数、ルートの扱いにおける正確な計算練習が求められます。

応用テーマの理解深化

  • 確率:単純な確率計算だけでなく、条件付き確率や反復試行の応用、完全順列の概念など、問題の構造を把握する練習が必要です。
  • ベクトル:空間ベクトルにおける垂心や外心などの特殊な点、直交条件、線分比の計算を習熟させることが重要です。

過去問を用いた実戦演習

N方式独自の「数III範囲を I・II・A・Bの60分枠で解く」という特殊な状況に慣れるため、過去問を60分で解き、時間内に解答を完了させるための戦略を立てる実戦的な演習が不可欠です。

【入試の厳しさのイメージ】

出題された問題の計算量は、例えるなら「60分間のマラソンで、平坦な道(基礎的な問題)は少なく、ひたすら急な坂道(複雑な応用計算)が続く」のようなものです。計算力という基礎体力がなければ、制限時間内にゴール(完答)することは困難です。