2026 新潟大学 医学部 の特徴
日本海を望む学び舎で育む、地域に根ざし世界を見据える医療人への道
150年以上の歴史を持つ共立病院を源流とし、「自律と創生」を建学の精神に掲げる新潟大学。その医学部は、地域医療の最後の砦として新潟県の医療を支える中核的拠点であると同時に、国内有数の研究機関として日本の医学・医療の発展に貢献してきました。信濃川が日本海へと注ぐ、歴史と文化の薫る新潟の地で、どのような学びが展開されているのか、新潟大学医学部の特色と魅力に迫ります。
📌 大学の基本情報・立地
キャンパスとアクセス
新潟大学は、1870年設立の共立病院を源流とする、150年以上の歴史と伝統を誇る国立大学です。医学部のある旭町(あさひまち)キャンパスは、新潟市の中心部に位置しながらも、日本海に近接し、信濃川がゆったりと流れる落ち着いた環境にあります。周辺には新潟市役所をはじめとする官公庁や、美術館、コンサートホールなどの文化施設が集まっており、学問と文化の薫り高いエリアです。
キャンパス内には、歴史を感じさせる重厚な建物と、最新の設備を備えた近代的な施設が調和しています。特に、医学部の教育・研究の中心である「有壬(ゆうじん)記念館」や、最先端の医療を提供する「医歯学総合病院」がキャンパスに隣接していることは、医学を学ぶ上で非常に恵まれた環境と言えるでしょう。学生たちは、日々の講義から最先端の臨床現場までを身近に感じながら、充実した6年間を過ごすことができます。また、1年次に通う五十嵐キャンパスは、より広大で緑豊かな環境であり、総合大学ならではの多様な学問分野の学生と交流する機会も得られます。
住所
旭町キャンパス:〒951-8510 新潟県新潟市中央区旭町通一番町757番地
五十嵐キャンパス:〒950-2181 新潟県新潟市西区五十嵐2の町8050番地
アクセス(旭町キャンパス)
バス
JR新潟駅万代口バスターミナルから、「C2」系統 浜浦町線、「C3」系統 信濃町線、「W1」系統 有明線、「W2」系統 西小針線などに乗車し、「市役所前」バス停で下車、徒歩約5分。
または、「BRT」萬代橋ラインに乗車し、「市役所前」バス停で下車、徒歩約5分。
電車
JR越後線「白山駅」から徒歩約15分。
🌟医学部医学科の教育の特徴
新潟大学医学部医学科は、深い医学知識と確かな倫理観、そして探求心を備えた医師・医学者の育成を目指し、体系的かつ先進的な教育プログラムを展開しています。
教育理念と目的
新潟大学は、建学の精神として「自律と創生」を掲げています。医学部医学科では、この精神に基づき、以下の教育理念と目的を定めています。
教育理念 新潟大学医学部医学科は、地域医療の核として、また、医学研究の拠点として、国民の健康と福祉に貢献し、生命の尊厳を深く理解できる豊かな人間性を備えた医師及び医学研究者を育成します。
学習教育目標
1.医師として、また医学研究者として、生命の尊厳を深く理解し、社会の規範、ルールを守り、発展に貢献できる。
2.医学、医療の進歩と改善に貢献するため、科学的探究心を持って、自ら課題を発見し、解決する能力を修得する。
3.患者、医療関係者と良好な人間関係を築くためのコミュニケーション能力を修得する。
4.チーム医療における医師の役割と責任を理解し、他の医療専門家と連携、協調して、患者中心の医療を実践できる能力を修得する。
5.医学・医療における情報の重要性を理解し、医療情報、生命科学に関する膨大な情報を科学的、批判的に吟味し、生涯にわたって活用できる。
6.医学知識、医療技術を修得し、それらを問題解決に応用できる。
7.地域の特性を理解し、地域医療に貢献できる。
8.国際的視野を持って、医学、医療の発展に貢献できる。
各学年の特徴的な教育内容
新潟大学医学部では、6年間の一貫したカリキュラムを通じて、着実に医師としての素養を身につけていきます。
1年次: 主に五十嵐キャンパスにて、総合大学の利点を活かした幅広い教養科目や語学を学び、豊かな人間性の基礎を築きます。同時に、早期から医療に触れる「医学入門」や、附属病院や地域の医療施設を見学する「早期医学体験実習」が組まれており、医師を目指すモチベーションを高めます。
2年次: 学習の舞台を旭町キャンパスに移し、本格的な医学教育が始まります。解剖学、生理学、生化学といった基礎医学の講義と実習が中心となり、特に人体の構造を深く理解する「解剖学実習」は、医師としての原点となる重要な学びの機会です。
3年次: 2年次に引き続き基礎医学を学ぶとともに、薬理学や病理学など、臨床医学へとつながる学問を修得します。後半からは、臓器別の統合コースが始まり、基礎医学と臨床医学の知識を有機的に結びつけ、疾患への理解を深めていきます。
4年次: 臨床医学の各分野について系統的に学びます。講義に加え、少人数でのグループ学習(テュートリアル)も多く取り入れられています。年末には、全国共通の共用試験(CBTおよびOSCE)に臨み、臨床実習に参加するために必要な知識と技能、態度が備わっているかを評価されます。
5年次、6年次: これまでの学習の集大成として、附属の医歯学総合病院や地域の医療機関で臨床実習(クリニカル・クラークシップ)を行います。学生は診療チームの一員として、指導医のもとで患者さんの診療に主体的に参加します。また、学生一人ひとりの興味や関心に応じて、国内外の医療機関や研究室で実習を行う「選択制臨床実習」も充実しており、将来のキャリアパスを考える上で貴重な経験となります。
このように、新潟大学医学部では、早期からの臨床体験、基礎医学と臨床医学のスムーズな連携、そして学生が主体的に参加する臨床実習を重視しています。知識の修得はもちろんのこと、自ら課題を発見し解決する能力、コミュニケーション能力、そしてチーム医療を実践する力を育む教育を展開していることが大きな特徴です。
🏠学生生活・施設環境
部活動
医学部の学生の多くは、学業と両立しながら部活動に励んでいます。医学部・歯学部の学生で構成される部活動が非常に盛んで、運動部から文化部まで多岐にわたります。多くの運動部は、東日本医科学生総合体育大会(東医体)での上位入賞を目標に、日々練習に打ち込んでいます。厳しい医学の勉強の合間に、仲間と共に汗を流し、目標に向かって努力する経験は、協調性や忍耐力を養い、かけがえのない財産となります。また、部活動を通じて築かれる先輩や後輩、同級生との強い絆は、卒業後も医師としてのキャリアを歩む上で大きな支えとなります。もちろん、五十嵐キャンパスで活動する全学のサークルに参加することも可能です。
大学の周辺環境
旭町キャンパスは、新潟市の中心部に位置しており、生活の利便性が高いエリアです。「古町」と呼ばれる繁華街や、大型商業施設「万代シテイ」へもアクセスしやすく、買い物や食事に困ることはありません。一方で、キャンパスのすぐそばには日本海が広がり、美しい夕日を眺めることができる「日和山浜」や、市民の憩いの場である「西海岸公園」など、自然を感じられる場所も豊富です。信濃川の河口に位置し、歴史的な建造物も残る「みなとまち新潟」の風情を感じながら、落ち着いた環境で学業に集中できます。都市の利便性と豊かな自然が両立した、恵まれたロケーションです。
先輩後輩の関係
新潟大学医学部では、特に部活動などを通じて、学年を超えた縦のつながりが強いという特徴があります。同じ部活の先輩からは、試験対策に役立つ資料を譲ってもらったり、実習の進め方や国家試験の勉強法について具体的なアドバイスをもらえたりと、手厚いサポートを受けることができます。このような面倒見の良い文化は、新入生が大学生活にスムーズに溶け込み、安心して勉強に集中できる環境を生み出しています。また、卒業後も同門の医師として、臨床や研究の場で互いに助け合う強固なネットワークが形成されています。
医学に関係した学習環境
医学を学ぶための環境は、国内でもトップクラスの水準を誇ります。 教育・研究の中核施設である「有壬記念館」には、豊富な蔵書を誇る医学部分館(図書館)や、24時間利用可能な自習室、グループ学習室が完備されています。試験期間中には多くの学生が自習室に集まり、集中して勉強に取り組んでいます。 また、高度な医療シミュレーターを備えた「スキルスラボ」では、採血や縫合などの基本的な臨床手技から、より高度なシミュレーションまで、実際の患者さんを前にする前に繰り返しトレーニングを積むことができます。 キャンパスに隣接する「医歯学総合病院」は、特定機能病院として最先端の医療を提供しており、臨床実習の場として最高の環境です。さらに、日本で唯一の大学附置研究所である「脳研究所」が設置されており、世界レベルの研究に触れる機会も豊富にあります。
🩺 在学生・卒業生の声
大学公式サイトで紹介されている学生や卒業生のメッセージからは、新潟大学医学部での充実した学びと生活の様子が伝わってきます。
在学生の声
研究と臨床、両方に触れられる環境 1年次の早期医学体験実習で初めて医療現場に触れ、医師への志を新たにしました。2年次からは基礎医学の研究室に所属し、講義で学んだ知識が実際の研究でどのように活かされているのかを肌で感じています。先生方も熱心に指導してくださり、疑問があればすぐに質問できる環境が整っています。将来は、臨床の現場で患者さんと向き合いながら、研究を通じて医学の発展にも貢献できるような医師になりたいと考えています。(公式サイト掲載のメッセージを要約)
部活動で得た、一生の仲間 私はテニス部に所属しており、東医体での勝利を目指して仲間と練習に励んでいます。勉強は大変ですが、部活動があるからこそ、心身ともにリフレッシュでき、また頑張ろうという気持ちになれます。先輩方からは勉強のアドバイスをいただき、後輩の面倒を見ることで責任感も芽生えました。ここで出会った仲間は、将来医師として働いていく上でも、きっと大きな支えになってくれると信じています。(公式サイト掲載のメッセージを要約)
卒業生の声
- 新潟大学で培った地域医療への思い 卒業後、新潟県内の病院で初期研修を行いました。在学中の臨床実習で地域の医療機関を回った経験が、現在の診療に大いに役立っています。新潟大学には、地域医療に貢献しようという強い意志を持った教員や先輩方が多く、その姿から多くのことを学びました。患者さん一人ひとりと丁寧に向き合い、地域全体の健康を支えることができる医師を目指して、これからも努力を続けていきたいです。(公式サイト掲載のメッセージを要約)
🌱 どのよう医師を目指す人に向いているか
地域医療に強い関心を持ち、将来的に貢献したい人
理由: 新潟大学は、県内唯一の医学部として、新潟県の地域医療を支えるという強い使命を持っています。カリキュラムの随所に地域医療を学ぶ機会が組み込まれており、卒業生の多くが県内で活躍しています。地域に根ざした医療を実践したいという志を持つ人にとって、理想的な環境です。
臨床だけでなく、医学研究にも興味がある人
理由: 日本唯一の脳研究所をはじめ、世界レベルの研究施設が充実しています。学生時代から研究室に所属し、最先端の研究に触れる機会が豊富にあります。リサーチマインドを持った臨床医や、基礎研究で医学の発展に貢献したいと考える人にとって、非常に刺激的な環境です。
仲間と協力し、充実した学生生活を送りたい人
理由: 部活動が非常に盛んであり、学年を超えた強い縦のつながりが形成されています。仲間と切磋琢磨しながら、勉強やスポーツに打ち込みたい人にとって、かけがえのない6年間を過ごせるでしょう。協調性やチームワークを大切にする校風があります。
都市の利便性と豊かな自然環境のどちらも大切にしたい人
理由: キャンパスは新潟市の中心部にありながら、日本海や信濃川といった自然にも恵まれています。落ち着いた環境で勉学に集中しつつ、オフにはシティライフやアウトドアを楽しむことができる、バランスの取れた立地が魅力です。
この大学が向いていない可能性がある人
大都市ならではの刺激的な環境や最先端の流行の中で生活したい人
理由: 新潟市は落ち着いた地方中核都市であり、首都圏のような多様な刺激や変化のスピードを求める人には、少し物足りなく感じられるかもしれません。
1年次から医学の専門教育だけに集中したい人
理由: 1年次は五十嵐キャンパスで、幅広い分野の教養科目を履修します。これは豊かな人間性を育む上で非常に重要ですが、できるだけ早く専門分野のみを深く学びたいという志向の人には、まどろっこしく感じられる可能性があります。
個人での学習を好み、集団での活動が苦手な人
理由: 部活動やグループ学習、実習など、チームで協力して学ぶ機会が多くあります。個人のペースで黙々と学習を進めることを最優先したい人にとっては、協調性を求められる場面に少し戸惑うかもしれません。
新潟大学医学部医学科は、「地域を支える臨床医」「世界に発信する研究者」という両方の側面をバランス良く育成することを目指しています。豊かな人間性を育む教養教育を土台に、仲間との強い絆を育みながら、着実に医師としての知識・技能・態度を身につけたいと考える人にとって、非常に魅力的な学びの場となるでしょう。
📚出典
新潟大学. (n.d.). Retrieved September 1, 2025, from https://www.niigata-u.ac.jp/
新潟大学医学部. (n.d.). Retrieved September 1, 2025, from https://www.med.niigata-u.ac.jp/
新潟大学医学部医学科. (n.d.). 教育理念・目標. Retrieved September 1, 2025, from https://www.med.niigata-u.ac.jp/contents/medical/igakka/philosophy.html
新潟大学医学部医学科. (n.d.). カリキュラム. Retrieved September 1, 2025, from https://www.med.niigata-u.ac.jp/contents/medical/igakka/curriculum.html
新潟大学医学部医学科. (n.d.). キャンパスライフ. Retrieved September 1, 2025, from https://www.med.niigata-u.ac.jp/contents/medical/igakka/campuslife.html