獨協医科大学 医学部
一般選抜
入試問題の傾向と対策
医学部予備校 レクサス教育センターが分析した入試傾向と対策を公開します。是非お役立てください。
数学
獨協医科大学 一般選抜 出題傾向 数学
傾向と対策の概要
2018年度から2020年度にかけて、試験時間は70分で大問5問の構成でした。しかし、2021年度以降、試験時間は60分、大問は4問へと短縮・削減されました。これは、一問あたりの解答時間が短くなり、解答の正確性とスピードが一層求められる傾向にあることを示しています。出題形式は一貫してマーク式の空所補充形式が採用されており、答えを正確に導出する力が不可欠です。出題分野は幅広く、微積分、確率、ベクトル、複素数など、数学IIIを含む主要な分野からまんべんなく出題されています。
試験形式の安定性と構成
| 年度 | 試験時間 | 大問数 | 形式 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2018年 | 70分 | 5問 | マーク式(空所補充) | |
| 2019年 | 70分 | 5問 | マーク式(空所補充) | |
| 2020年 | 70分 | 5問 | マーク式(空所補充) | |
| 2021年以降 | 60分 | 4問 | マーク式(空所補充) | 試験時間と大問数が変更 |
解答はすべて解答用紙の所定の欄にマークする形式です。分数で解答する場合は、既約分数で答え、符号は分子につけるなどの細かいルールも設定されています。
試験形式の大きな変化
2021年度に大きな変更がありました。試験時間が70分から60分に短縮され、大問数が5問から4問に減少しました。これに伴い、問題一つあたりの密度や要求される計算の効率が向上している可能性があります。
出題分野や出題テーマの傾向
出題される分野は多岐にわたり、特定の分野に偏ることなく、数学II、数学B、数学IIIの全範囲からバランス良く出題されています。
頻出分野とテーマ
微積分(数学III)
- 面積・体積・定積分で定義された関数:毎年、微分や積分の問題が出題されており、特に回転体の体積計算や定積分で定義された関数の漸化式、曲線が囲む面積、無限級数など、高い計算力を要する問題が目立ちます。
- 関数の最大最小・極値:複数の変数や複雑な関数の最大最小を求める問題 (2020, 2022, 2024) が出題されています。
確率・場合の数(数学A/B)
- 条件付き確率や漸化式:試行回数が多く複雑な設定の確率問題が頻出しています (2018, 2019, 2020, 2021, 2024, 2025)。特に、確率の最大値を求める問題 (2018) や、サイコロの出目による石の色の変化を追う確率(漸化式利用) (2019) など、漸化式や最大・最小の概念を融合させた問題が多いです。
ベクトル・空間図形(数学B/C)
- 空間ベクトルと図形:四面体 OABCの体積や断面、最短距離 (2019)、平面のなす角 (2019)、線分が通過する領域の体積など、空間を扱う問題がほぼ毎年出題されています。内積や垂直条件の利用が必須となります。
複素数・方程式(数学II/III)
- ド・モアブルの定理と偏角:複素数の極形式表現や偏角を利用する問題 (2018, 2019)、高次方程式の解の性質 (2022, 2025) が出題されています。
図形と方程式・二次曲線(数学C)
- 楕円、双曲線、放物線:極座標を用いた最大最小 (2020) や、接線、焦点、準線、面積の最大化など、高度な幾何学的性質を問う問題が定期的に出題されています (2023, 2025)。
特徴的な傾向
- 融合問題の常態化:複数の分野をまたいだ応用力が試されます。例えば、「指数・対数不等式と変数の最大最小」 (2020) や、「定積分と無限級数」 (2018)、「微分可能条件と関数のグラフ」 (2019) などです。
- 計算量の多さ:問題の過程で、複雑な定積分の計算や、複数文字を含む方程式・不等式の処理、あるいはガウス記号を含む数列の和の計算 (2022) など、非常に手間のかかる計算が求められることが多いです。
- 幾何学的な洞察の要求:空間図形や座標幾何の問題(特に回転体や通過領域の体積・面積)では、計算だけでなく、図形の性質を正確に把握する幾何学的センスが重要です。例えば、心臓形(カージオイド)の面積計算 (2021) や、双曲線の接線と漸近線を利用した面積計算 (2025) が見られます。
対策
- 時間短縮と解答精度への対応:2021年度以降、試験時間は60分に短縮されており、大問1問あたりにかけられる時間は少なくなっています。複雑な計算を迅速かつ正確に行う練習が必要です。過去問を解く際は、時間配分を厳守し、正確な処理能力を高めることが最優先です。
- 数学IIIの徹底的な習熟:微積分、特に定積分、回転体の体積、無限級数、そして複素数平面の分野は、計算が複雑になりやすい傾向があるため、典型的な問題形式を完全にマスターし、応用できるように準備しておくべきです。
- 融合問題への慣れ:異なる分野の知識を組み合わせて解く問題が多いため、単なる知識の暗記に終わらず、「この問題を解くにはどのツール(定理や公式)が必要か」を瞬時に判断できる訓練が必要です。特に、確率+漸化式や、ベクトル+幾何の組み合わせは重点的に対策してください。
- 基礎固めと難問への挑戦のバランス:出題される問題の中には、計算が重いものの、基本的な解法で解決できる問題と、深い洞察が必要な難度の高い問題が混在しています。確実に取りきれる基礎的な問題の計算ミスを防ぎつつ、融合問題や難解な設定の問題に対して粘り強く取り組む練習も欠かせません。
これらの傾向から、獨協医科大学の数学は、基礎的な知識を前提としつつも、高度な計算能力、時間管理能力、そして分野横断的な思考力を要求する試験であると言えます。
英語
獨協医科大学 一般選抜 出題傾向:英語
獨協医科大学の英語入試は、2021年度に試験時間が70分から60分に短縮されました。出題形式(長文読解、会話文、文法・語彙、和文英訳・整序英作文)は維持されていますが、より高度な処理能力と正確な知識が求められます。
傾向と対策の概要
文法・語法問題と和文英訳・整序英作文の配点が高く、解答時間の短縮が求められるため、高度な英文構成力と正確な知識が合否を分けます。出題テーマは社会科学、心理学、文学、自然科学など多岐にわたり、幅広い教養と読解スピードが必要です。
試験形式の安定性と構成
試験形式は全体的に安定しており、主に以下の要素で構成されています。
- 長文読解(A, Bセクション): 学術的な論文やニュース記事が用いられ、空所補充、内容一致、論理展開を問う問題が中心です。
- 会話文/短文読解: 会話形式や、やや短めの文章が出題されます。
- 和文英訳・整序英作文(文法・語彙): 日本文に合う語句の並べ替えや空所補充。正確な文法知識やイディオム、構文の知識が厳しく問われる本学の特徴的な形式です。
試験形式の大きな変化
【重要】試験時間の短縮
2018年度~2020年度:70分 → 2021年度以降:60分
問題量は維持されているため、一問あたりにかけられる時間が減少し、時間配分の重要性が極めて高くなっています。
出題分野や出題テーマの傾向
医学・科学分野に限定されず、学際的かつ抽象的なテーマが好まれます。
| カテゴリー | 具体的な出題例 |
|---|---|
| 社会科学・心理学 | 動物の平等性への反応(2020)、否定的な感情と信頼性(2021)、共感と向社会行動(2023)、魚の自己認識(2024)、レジリエンス(2025)など。 |
| 人文科学・哲学 | 世界の哲学の目的(2021)、エドガー・アラン・ポーの文学論(2023)、ウォルト・ホイットマンの詩(2024)、ウィリアム・バトラー・イェイツ(2025)など。 |
| 科学・環境 | ミュー粒子によるピラミッド調査(2019)、海洋の光害(2024)、SDGsと環境・社会正義(2025)、巨大氷山A23aの移動(2025)など。 |
特徴的な傾向
- 抽象度の高いテーマの採用: 心理学、哲学、文学など、人間の認知や文化の根源に迫るテーマが多く選ばれています。
- 文法・整序英作文の難易度の高さ: 仮定法過去完了の倒置、二重否定、比較構文、分詞構文など、上級レベルの文法知識が頻出します。
- 論理的な読解力の要求: 単なる情報抽出ではなく、逆接や譲歩を用いた筆者の論理展開を正確に把握する力が求められます。
- 医学部受験に特化した文法: がん血液検査(2018)、睡眠と治癒(2020)、ヘモグロビン(2023)など、医療に関連した文脈での出題も見られます。
対策のポイント
1. 時間配分の徹底的な訓練
試験時間が60分と短いため、過去問演習を通じて各設問への時間配分を最適化し、解答スピードを向上させることが最優先事項です。
2. 上級文法と構文の完全な理解
整序問題で頻出する高度な文法(仮定法、比較級、否定表現など)をマスターしてください。特に、和文のニュアンスを正確に伝えるための動詞の語法やイディオムの強化が不可欠です。
3. 学術的テーマの多読
哲学、心理学、社会科学、文学といった幅広いジャンルの英文に慣れ、専門用語や抽象的な議論に動じない読解力を養いましょう。
4. 正確な和訳・英訳の練習
日本語の複雑な表現を正確な英語の構文に変換する練習を積み、空所補充や整序問題の精度を高めます。
比喩的まとめ:獨協医科大の英語は「トライアスロン」
制限時間60分の中で、水泳(広範な学術知識)、自転車(正確な文法エンジン)、ランニング(集中力を要する整序英作文)のすべてを高い水準でこなす能力が求められます。バランスの取れた訓練が成功の鍵となります。
化学
獨協医科大学 一般選抜 出題傾向 化学
2018年度~最新入試の傾向と対策
傾向と対策の概要
獨協医科大学医学部の化学の入試は、大問形式の長文読解問題と小問集合からなる安定した構成を特徴としています。出題内容は理論化学、無機化学、有機化学、高分子・生化学の全分野にわたります。特に計算能力を要する理論化学や、反応経路の推定と構造決定を問う有機化学、および生化学分野の難度の高いテーマが頻出しており、広範かつ深い知識が要求されます。
試験形式の安定性と構成
試験の形式は年度を通じて非常に安定しています。
構成
- 大問1が小問集合(多肢選択式)であり、主に知識問題や比較的簡単な計算問題が10問出題されます。
- その後、文章読解形式の大問(文章題)が4〜5題続きます。これらの大問は、特定のテーマに基づいた詳細な説明文と、それに続く複数の設問で構成されており、複雑な計算や論理的な思考力を要するものが中心です。
時間
- 2018年度から2020年度までは「2科目 100分」で実施されていました。
- 2021年度以降、試験時間は「2科目 120分」に変更されています。
試験形式の大きな変化
最も明確な形式の変化は試験時間の延長です。2021年度以降は「2科目 120分」へと変更されました。これにより、化学に割くことができる時間が増えた可能性がありますが、出題量が維持または増加している場合、引き続き時間的なプレッシャーは大きいと考えられます。
出題分野や出題テーマの傾向
出題はバランスが取れていますが、特に計算と複雑な有機反応が重視されます。
| 分野 | 主な出題テーマ・傾向 |
|---|---|
| 理論化学 |
|
| 有機化学 |
|
| 高分子・生化学 |
|
| 無機化学 |
|
特徴的な傾向
- 医学関連テーマの組み込み: ペニシリン、プロドラッグ(オルサラジン)の合成、体内の酵素(ペプシン、トリプシン)など、生命科学に関連する題材が頻出。
- 実験操作の確認: ビュレットやホールピペットの使用方法、共洗い、廃液処理など、基本的な操作の正誤が問われる。
- 知識と計算の融合: 単なる暗記ではなく、理論的背景や実験結果の考察を伴う計算問題が多い。
対策
1. 計算力の徹底強化
理論化学(気体、溶液、平衡、反応速度)における複雑な計算を迅速かつ正確に処理できるように訓練することが不可欠です。特に有効数字や近似計算の扱いにも注意が必要です。
2. 有機化学の反応経路を網羅
芳香族化合物、エステル、アミノ酸など、主要な官能基を持つ化合物の命名、反応、構造決定を体系的に学習します。実験結果から構造を推定する逆算的な思考への慣れが重要です。
3. 生化学分野への重点投資
医学部入試の特徴として、アミノ酸、ペプチド、糖類に関する深い知識が求められます。特に電離平衡、加水分解反応、複雑な糖質の構造については、過去問を通じて徹底的に対策する必要があります。
4. 実験操作と基本知識の確認
周期表の基本性質や工業的製法に加え、正確な実験器具の取り扱い(共洗い、指示薬の選定など)を確認しておきましょう。
例えるなら、獨協医科大の化学は、短距離走(小問集合の基礎知識)と長距離走(大問の複雑な計算と論理展開)の両方が要求されるマラソンレースのようです。単に速いだけでなく、持久力(計算力)と正確なナビゲーション(構造決定、実験知識)がなければ完走は難しいと言えるでしょう。
物理
獨協医科大学 一般選抜 出題傾向 物理
傾向と対策の概要
獨協医科大学の物理は、例年、力学、熱、波動(光学を含む)、電磁気、原子の物理の全分野から、大問形式でバランス良く出題されています。
問題形式は、実験や現象の詳細な設定に基づき、物理法則を適用して解答を導出させる記述形式(空欄補充)が中心です。特に、複数の物理法則(運動量保存則、エネルギー保存則、キルヒホッフの法則など)を組み合わせて複雑な数式を導き出す能力が強く求められます。全分野を網羅的に学習し、計算過程を省略せずに正確に解き進める訓練が必要です。
試験形式の安定性と構成
- 科目構成と時間: 物理は他の科目と合わせて2科目で実施されます。
- 出題形式: 大問は年度によって4題または5題で構成されており、各大問は長文の説明と複数の空欄補充形式の設問からなります。
- 安定性: 基本的な出題形式(大問形式、空欄補充、全分野からの出題)は2018年度以降、一貫して安定しています。
試験形式の大きな変化
2018年度および2019年度の試験時間は「2科目 100分」でしたが、2021年度以降の資料では「2科目 120分」となっており、試験時間が増加しています。これは、出題される問題の難易度や計算の複雑さを考慮した変更である可能性が高いです。
出題分野や出題テーマの傾向
全分野から毎年バランス良く出題されていますが、特に頻出するテーマや特徴的な問題設定が見られます。
| 分野 | 頻出テーマと具体的な出題例(2018~2025) |
|---|---|
| 力学 | 衝突と運動量保存 (2球の衝突, ばねと連結した物体の衝突)、単振動 (ばね振り子、動く実験装置内での振動、ピストンの単振動)、円運動 (レール上や錐面上の運動)、斜方投射 (斜面への衝突)。 |
| 熱 | 熱力学サイクル (熱効率)、気体分子運動論 (球形容器内の気体の圧力)、ピストン・シリンダー内の気体 (断熱変化や定積変化を含む)。複雑な状態変化と計算が求められます。 |
| 波動・光学 | 干渉・回折 (回折格子, ヤングの実験、ブラッグ反射)、ドップラー効果 (音波のうなり, 運動する光源、血流速度の測定への応用)、レンズ・反射 (複数の凸レンズと平面鏡)、光ファイバー (全反射)。 |
| 電磁気 | 回路 (RC回路、RLC直列回路、ダイオードを含む複雑な回路)。コンデンサー (直列接続、極板間隔の変化、誘電体の挿入)。磁場中の運動と誘導 (電場と磁場中の電子の運動、磁場中の導体棒の運動と誘導起電力)。 |
| 原子 | 量子論の基礎 (ボーアモデル)、光電効果 (プランク定数の測定)、コンプトン効果 (90°散乱)、放射性崩壊 (半減期、α崩壊・β崩壊の回数)。 |
特徴的な傾向
- 高度な代数計算と導出: 最終的な答えだけでなく、途中の複雑な変数を消去したり、初期条件から最終状態の物理量を記号で導出したりする問題が多いです。
- 近似計算の多用: 近似式 $(1+\epsilon)^n \approx 1+n\epsilon$ など を用いた計算が頻繁に出題されます。これは、高校物理の範囲で現象を記述するための重要なスキルとして評価されています。
- 医学分野への応用: 物理現象を医学的なテーマに応用する問題が見られます。特にドップラー効果の血流測定への適用は、2024年度の出題で明確に示されています。
- 複数の物理法則の同時適用: 力学では運動量保存則とエネルギー保存則、原子物理では運動量保存則とエネルギー保存則 など、複数の保存則を組み合わせて解く問題が標準的です。
対策
- 全分野の漏れのない学習: 力学、熱、波動、電磁気、原子の基本法則を完全に理解し、どの分野が出題されても対応できるように準備することが必須です。
- 数式処理能力の徹底的な強化: 解答に至るまでの過程を、記号を用いて正確に記述し、計算ミスなく答えを導き出す訓練が最も重要です。
- 近似の利用を習得する: 複雑な問題設定の中で、いつ、どの近似式を使うべきかを瞬時に判断し、適切に計算を進める練習が必要です。
- 時間配分のシミュレーション: 2科目120分という枠組みの中で、大問1題あたりにかけられる時間を意識し、過去問を使って時間内に解き切る練習を積むことが重要です。
例え話: 獨協医科大学の物理の入試は、特定の工具(公式や法則)だけを速く使える能力を試すのではなく、「複雑に絡み合った機械の設計図(問題設定)を読み解き、適切な部品(法則)を選び、緻密な計算(代数操作)を通じて、その機械がどう動くか(最終結果)を完全に説明できる、総合的なエンジニアリング能力」を求めていると言えます。特に計算ミスや途中の論理破綻は許されない、精度が重視される試験です。
生物
獨協医科大学 一般選抜 出題傾向 生物
獨協医科大学の生物は、大問5題(または実質5テーマ)構成で安定しており、出題範囲は生物基礎・生物全体から満遍なく、かつ詳細にわたる傾向があります。
特に、分子生物学、代謝/エネルギー、体内環境の維持(恒常性・免疫・神経/内分泌)、および生態・進化の分野が頻出テーマとして核を成しています。
問題形式はすべてマークセンス方式ですが、基本的な知識を問う問題に加え、複雑な計算や実験データに基づいた高度な考察力を要求される点が特徴です。
試験形式の安定性と構成
| 年度 | 試験時間 (2科目) | 構成 (大問数) | 設問形式 |
|---|---|---|---|
| 2018~2019 | 100分 | 5題前後 | マークセンス方式 |
| 2021~2025 (最新) | 120分 | 5題前後 | マークセンス方式 |
試験形式は、2科目あたり100分(2019年度まで)から120分(2021年度以降)に延長された点を除き、各大問が詳細なリード文と複数の空所補充/正誤判定/計算問題からなるマークセンス方式で構成されるという点は安定しています。
各大問は概ね、リード文の後に問1から問5~10程度の小問が続く形式であり、リード文の情報を正確に読み解き、知識と結びつける能力が求められます。
試験形式の大きな変化
2021年度入試から、2科目合計の試験時間が100分から120分に延長された点が最大の変化です。この時間の増加は、問題文が長い考察問題や計算問題(例:2021年度の生態系物質収支計算、2022年度の皮膚移植実験考察)に対応するための措置と考えられます。
近年では単なる知識確認に留まらず、実験結果の分析や、複数の因子が絡み合う生命現象のメカニズム(シグナル伝達、遺伝子調節)に関する詳細な設問が増えており、出題の深度が増しています。
出題分野や出題テーマの傾向
出題は広範囲にわたりますが、特に以下のテーマが繰り返し出題されています。
1. 代謝とエネルギー (頻出)
- 呼吸(解糖系、クエン酸回路、電子伝達系、酸化的リン酸化)。
- 光合成(光化学系、カルビン・ベンソン回路、C4植物)。
- 酵素の働きや反応速度、発酵(アルコール発酵、乳酸発酵)の計算や実験考察。
2. 分子生物学・遺伝情報 (頻出)
- DNAの複製、転写、翻訳、遺伝暗号(コドン)。
- 遺伝子発現の調節(オペロン説、真核生物の転写調節、クロマチン構造)。
- バイオテクノロジー(PCR法、サンガー法、遺伝子組換え)。
- 真核生物特有の機構(スプライシング、選択的スプライシング)。
3. 体内環境の維持(恒常性)
- 神経系(興興奮の伝導、活動電位、シナプス、感覚器—特に眼の構造と視覚)。
- ホルモン調節(インスリン、甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン、視床下部-下垂体)。
- 血液・循環(ヘモグロビン、心臓の機能)。
- 免疫(自然免疫、獲得免疫、細胞性/体液性免疫、抗体の遺伝子再編)。
4. 生殖、発生、遺伝
- 減数分裂、配偶子形成(ヒト、被子植物)。
- メンデル遺伝の法則、連鎖と組換え価の計算。
- 発生の分子メカニズム(ショウジョウバエのホメオティック遺伝子、胚誘導)。
5. 生態と環境
- 生態系(物質循環、エネルギー移動、純生産量計算、生命表)。
- 個体群(標識再捕獲法、群れと競合)。
- 生物の進化(自然選択、遺伝的浮動、分子時計)。
特徴的な傾向
複雑な実験考察と計算問題の常態化
- 酵素の反応速度や阻害剤に関するグラフ問題。
- 生態系の物質収支や成長量の計算。
- 浸透圧や細胞容積変化の定量的な計算。
- 遺伝学における組換え価の計算や集団遺伝学(分子時計)に関する高度な計算。
発展的な分子生物学/発生学のテーマ
- 抗体の多様性生成(遺伝子再編)の組み合わせ計算。
- ショウジョウバエの発生における濃度勾配と分節遺伝子(ギャップ遺伝子、ペアルール遺伝子など)の作用メカニズム。
多岐にわたる植物の出題
- 植物ホルモン(アブシシン酸、ジベレリン、エチレン、オーキシン)の作用メカニズムと細胞伸長。
- 花芽形成の調節(フロリゲン、光周性)や、植物のABCモデル。
対策
獨協医科大学の生物で高得点を取るためには、単なる暗記ではなく、「なぜそうなるのか」という理由付けや定量的な理解が求められます。
全分野の基本知識の徹底的な定着
特に頻出分野である代謝、分子生物学、恒常性(神経、内分泌、免疫)は、教科書レベルの知識を完璧に理解することが出発点となります。
実験考察問題への慣れと計算力の強化
試験時間延長の背景から、リード文の長い実験データや図表の読み取り訓練を重点的に行うべきです。生態系の物質収支計算、浸透圧、遺伝学(特に組換え価)などの計算問題を繰り返し練習し、正確かつ迅速に解けるようにする必要があります。
発展的なテーマの学習
免疫の遺伝子再編、ショウジョウバエの発生遺伝学、植物のシグナル伝達系、分子時計 など、高校生物の範囲を超えがちな医学部特有の発展的なテーマにも対策が必要です。これらの内容は、資料に記載されているリード文や解説から発展させて知識を深めることが有効です。
正確かつ迅速な解答力の養成
問題量が多いため、120分という時間の中で、長いリード文を読み込みながらミスなくマークしていく練習が必須です。マークセンス方式の過去問演習を通じて、時間配分を意識した訓練を積むことが重要です。
例えるなら、獨協医科大の生物の試験は、基本的なパーツ(知識)をマスターしているかを問うだけでなく、そのパーツを使って「複雑な機械(生命現象)の設計図(リード文)を分析し、故障箇所(実験結果の異常)を特定する」能力を求めていると言えます。単に単語を覚えるのではなく、その機能と応用を深く理解することが鍵となります。
小論文
試験時間
60 分
配点
段階評価
字数
問 1 200 字以内 問 2 400 字以内
問題例
【2024 年度】次の文章(障がい者への支援に関する考え方)を読んで、以下の問に答えなさい。 問 1.本文を 200 字以内で要約しなさい。 問 2.本文の内容について、あなたの考えを 400 字以内で述べなさい。
【2021 年度 1 日目】次の文章を読んで。以下の問いに答えなさい。(外山滋比古著 『思考の整理学』(株式会社筑摩書房)1986 年 4 月 24 日 発行 出題の都合により一部改変) 問 1.本文を 200 字以内で要約しなさい。 問 2.本文の内容について、あなたの考えを 400 字以内で述べなさい。
面接試験
試験時間
10 分程度
配点
段階評価
面接形式
個人
よく聞かれる質問
◆医師志望理由。本学志望理由。 ◆県枠志望理由。
◆ 県枠より一般入試で受かったほうがラッキーだと 思っていないか。
◆県民の期待を背負って医師になる自覚はあるか。
◆ 趣味(トロンボーンと答えたらトロンボーンについ て色々と聞かれた)。 ◆成績について。
◆高校の校風と特色。 ◆浪人した理由。
◆医師志望理由の中で最も強いきっかけ。
◆ リーダーシップについて(私はリーダーシップがあ る!と断言しないほうがよさそうでした)。
◆部活について(かなり詳しく聞かれました)。
◆ 部活で学んだこと(「協力することの大切さ」はあ まり相手の反応が良くなかったです)。
◆ 本は読むか? ジャンルは? そこから学ぶことは?
◆表彰の内容と、どうやって賞を取ったのか。
◆家族構成について/親が医療従事者かどうか。
◆ 予備校で学力は伸びたか? 点数が伸びただけで 学力はどうなのか? ◆併願校について(メモをとっていた)。 ◆ 仮に東京の大学に合格した場合、それでも本校を 選ぶか。 ◆アルバイト経験について。
◆本校に来てどんな印象を受けたか。
◆女の子にもてるにはどうしたらいいか。
自分に勝とう
自分に厳しく
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