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東京医科大学 一般選抜 出題傾向 生物

東京医科大学の生物入試は、全体的な難度が高い傾向が続いています。特に、高度な読解力と考察力が求められる長文のリード文形式の問題が中心です。高得点を得るためには、教科書レベルの知識の正確性に加え、応用的な計算問題や、与えられた実験データ(グラフや図)を論理的に分析する能力が不可欠です。

傾向と対策の概要

難易度は年によって変動があり、2018年度、2020年度、2022年度、2023年度は特に難度が高かったと評価されています。一方で、2019年度、2021年度、2024年度、2025年度は比較的易化傾向が見られましたが、依然として高いレベルの出題を想定した対策が必要です。

試験形式の安定性と構成

試験は、2科目で120分という時間枠内で実施されており、この形式は2018年度から2025年度まで安定しています。構成は以下の2つの主要な形式で安定しています。

第1問:小問集合形式

複数の短い設問で構成され、生物の幅広い分野から基礎的な知識や定義、あるいは詳細な知識を問う正誤問題が出題されます。

第2問以降:長文読解・考察問題形式

通常3〜4つの大問で構成されます。詳細な実験結果や最新の生命科学の知見を含むリード文が与えられ、それに基づいて考察、計算、グラフ分析を行う問題が中心です。

試験形式の大きな変化

2018年度から2025年度までの期間において、試験時間やマークシート形式といった基本的な試験形式の大きな変更はありません。しかし、問題の難易度については、難化傾向と易化傾向が交互に現れており、これが実質的な「変化」として受験生に影響を与えています。例えば、2022年度や2023年度は再び難化し、高度なレベルの出題が多く見られました。

出題分野や出題テーマの傾向

出題は生物学の主要な分野を広く網羅していますが、特に分子生物学・遺伝学、動物生理学、生態学・進化といった分野で高度な考察問題が出題される傾向があります。

分野 主な出題テーマ (2018-2025)
細胞・代謝 細胞骨格(アクチンフィラメント)、酵素反応(ミカエリス・メンテン式、阻害)、ATP/電子伝達系、光合成/呼吸基質の推定、真核細胞の細胞小器官とタンパク質輸送(ER、ゴルジ体、ミトコンドリア、葉緑体)。
動物生理 循環器(圧―容量曲線、心拍出量計算)、腎臓(尿生成、クリアランス、PAH、RAA系、グルコース再吸収)、神経伝達(伝導速度、シナプス、鋭敏化)、ヒトの肝臓、ヒトの眼、ヒトの耳。
分子生物学・遺伝 DNA/RNA/リボソームの基礎知識、転写調節(レポーター遺伝子実験)、遺伝子技術(PCR、電気泳動、制限酵素、RFLP)、遺伝子計算(連鎖と組換え、X染色体連鎖)、アミラーゼ遺伝子のコピー数多型(CNV)。
発生 神経誘導、脳細胞の分化(細胞周期計算を含む)、カエルの発生、ショウジョウバエの形態形成(母性因子、ギャップ遺伝子、ホメオティック遺伝子)。
生態・進化 生態系の物質収支/エネルギー収支の計算、個体群の絶滅要因、ニッチ/すみわけ、適応進化/自然選択、動物の変遷、遷移と光合成曲線、利他行動・包括適応度(血縁度計算)、バイオームの垂直分布、分子系統樹(FOXP2、mtDNA)。
その他 植物の花芽形成(光周性)、植物ホルモン(ジベレリン、アブシジン酸など)、免疫/アレルギー(Th2細胞、サイトカイン、IgE、経皮感作)。

特徴的な傾向

高度な実験・データ考察の要求

  • 膨大なリード文から必要な情報を抽出し、提示された図表やグラフ(圧―容量曲線、酵素反応速度グラフ、細胞周期の標識率グラフ、アレルギーのサイトカイン量グラフ)を正確に分析する能力が強く求められます。特に2025年度ではタンパク質の輸送実験結果の電気泳動パターン解析や概日リズムの複雑な遺伝子ループ解析が出題されました。
  • リード文で提供される先端的な知識(コレステロール代謝の受容体結合、アレルギーのサイトカイン経路など)を、既習の基本原理に結びつけて応用する力が試されます。

正確で詳細な知識を問う正誤問題

第1問の小問集合には、教科書や図説の細かい記述や周辺知識を知らないと判断が難しい正誤問題が含まれます。例として、特定外来生物の指定、菌類の分類、酵素のリボザイムとしての機能、腎臓の血管系の詳細などが挙げられます。

複雑な定量的・定性的な計算問題

例年、計算問題は難度が高いと評されています。特に、腎臓のクリアランス計算(イヌリン、PAH)、心拍出量計算、細胞周期の時間計算、遺伝の連鎖・組換え計算、包括適応度や血縁度の計算(利他行動)などが出題され、合否を分けます。

医学関連テーマの重視

ヒトの生理機能(腎臓、循環、神経)、疾患に関連する分子メカニズム(家族性高コレステロール血症、食物アレルギー)、遺伝子の多型(IL-4、アミラーゼ)など、医学や生命科学の最新の研究領域に触れる問題が頻出します。

対策

徹底的な基礎知識の定着と周辺知識の深化

小問集合で確実に得点するため、全分野の教科書レベルの基本事項を完璧に暗記し、加えて資料集や図説に記載されている細かい知識(実験手法の原理、生物の分類群の詳細など)まで確認することが必須です。

考察力・実験データ分析の反復練習

過去問を用いて、長文のリード文から設問の根拠となる情報を即座に探し出し、図表やグラフと結びつけて論理的な結論を導く訓練を徹底してください。特に、2022年度、2023年度のような難易度の高かった年度の考察問題に多く取り組み、高レベルの出題形式に慣れる必要があります。

計算問題への重点的な対策

要注意:出題頻度が高く、難度の高い生理学(循環、腎臓)と遺伝/進化(連鎖、包括適応度、細胞周期)の計算問題を重点的に練習します。単に公式を覚えるだけでなく、問題文中の複数の数値や条件を正確に統合して計算を行う練習が必要です。

時間配分の意識

問題量が多いため、第1問の知識問題で素早く得点を確保し、考察や計算を要する大問に十分な時間を割く時間配分の戦略を立てて臨むことが重要です。

まとめ:東京医科大の生物入試対策は、まるで厚い専門書を読み解く作業に似ています。多くの情報を素早く処理し(読解力)、基本原則(知識)を応用して、与えられた複雑なデータ(実験結果)を正確に分析し、最終的な結論(解答)を導き出す力が常に求められています。