東北医科薬科大学 一般選抜 出題傾向 英語
傾向と対策の概要
東北医科薬科大学の英語試験は、試験時間70分で、長文読解、語彙、文法、整序英作文といった多様な形式で構成されており、医学・科学分野の高度な内容を含む英文読解能力と、応用的な文法・語彙力が問われます。
特に、現代社会の医療、生命科学、環境問題に関する長文が出題される傾向が強く、単なる内容理解だけでなく、詳細な情報や論理構成を正確に把握する力が求められます。また、高度な語法や熟語を問う問題が安定して出題されており、文法知識の抜けがないかも重要です。
試験形式の安定性と構成
本学の英語試験の形式は、2018年度から2025年度(問題冊子の提示がある範囲)にかけて、非常に高い安定性を保っています。
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 試験時間 | 70分で一貫して変更なし。 |
| 大問構成 | 大問は通常4~5問で構成され、長文読解(I, II)が中心となる。 |
| 出題内容 | 長文読解(内容一致、空所補充、タイトル選択)、文法・語彙(空所補充、下線部同義語、誤文訂正)、整序英作文(和文英訳)が定番。 |
| 整序英作文 | 文の構造を理解させる複雑な構文の出題(倒置や熟語を含む)が安定して出題されている。 |
試験形式の大きな変化
2018年度から最新入試までの資料を見る限り、試験時間(70分)や大問の構成、問題形式の大きな変更は見られません。受験生は過去の傾向に基づいた準備を計画的に行うことができます。
配点に関する注意点: 一次試験の配点については、2020年度の資料では外国語(英語)が100点、数学が100点、理科(2科目選択)が200点となっており、英語は理科と並ぶ主要科目ではないものの、合格に不可欠な要素です。
出題分野や出題テーマの傾向
出題テーマは、医学部入試の特性を反映し、生命科学、医療倫理、現代社会の課題に関する高度な内容が中心です。特に、時事的な話題を扱ったニュース記事(The Japan TimesやScience Newsからの抜粋が多い)を題材とする傾向があります。
| 年度 | 主なテーマ | 分野 |
|---|---|---|
| 2018 | ホルモンと内分泌かく乱物質、ゲノム編集の倫理的・法的問題 | 生命科学、医療倫理 |
| 2019 | 高額な抗がん剤(オプジーボ)と日本の医療経済、VOCsと大気汚染 | 医療経済、環境科学 |
| 2020 | 食料自給(自給自足)とアメリカの歴史的背景、脳の地図作成(空間情報と記憶) | 社会科学、生命科学 |
| 2021 | 再生可能エネルギーと脱炭素化、日本のノーベル賞受賞者数と基礎研究への支援 | 環境エネルギー、科学政策 |
| 2022 | プラセボ効果と脳の特性、東洋と西洋の思考様式(分析的思考と全体論的思考) | 心理学、文化心理学 |
| 2023 | 湖におけるマイクロプラスチックとバクテリアの増殖、小児の急性肝炎の増加 | 環境科学、医学 |
| 2024 | COVID-19後の睡眠障害と免疫システム、血液中のマイクロプラスチック | 医学、環境科学 |
| 2025 | 合成生物学とタンパク質の再創造(ナノマシン)、音楽と病気の伝播パターン | 生命科学、応用数学/社会科学 |
テーマの傾向
- 医療・生命科学の基礎知識を背景とする文章が非常に多い。
- 環境問題(マイクロプラスチック、大気汚染、エネルギー)も頻出テーマである。
- 科学の社会的・倫理的側面(ゲノム編集の規制、高額薬の保険適用、基礎研究の重要性)に関する議論も扱われる。
特徴的な傾向
1. 高度な語彙・熟語の重視
文法・語彙問題(大問III, IVなど)では、句動詞(phrasal verbs)やイディオム、そして文脈に合った高度な同義語が頻繁に問われます。例えば、look down on(軽視する)、come to(意識を取り戻す)、take the place of(~に取って代わる)、turn down(断る)、drop off(寝入る) など、多義語や熟語の応用力が必須です。
2. 整序英作文による文法・構文の徹底チェック
整序英作文(和文英訳)は配点も高く、難易度が高い傾向があります。特に、倒置構文(例:Only after her doctor had given her a serious warning... did she really try...)や、分詞構文、関係代名詞、比較構文など、複雑な文構造を正確に理解し、再現する能力が求められます。
3. 読解問題における内容細部の一致確認
長文読解後の内容一致問題では、「本文に書かれている内容と一致するか」を問う正誤判定形式が多く、本文の記述と選択肢の内容を細部まで照合する正確な読解力が不可欠です。
対策
上記の傾向に基づき、以下の対策が有効です。
- 科学・医学系長文の多読と速読の訓練: 普段から、環境科学、生命倫理、医療技術といったアカデミックなテーマを扱う英語のニュース記事や論文の抜粋を読み慣れることが重要です。一文一文の構造が複雑なため、70分という限られた時間内で正確に読み切るために、速読と精読を組み合わせた訓練が必須となります。
- 応用的な語彙・熟語の徹底暗記: 文法・語彙問題対策として、句動詞やイディオムを含む上級レベルの語彙を重点的に学習し、その文脈での意味を理解することが求められます。
- 複雑な構文の理解と整序英作文の対策: 整序英作文を突破するためには、倒置、分詞構文、仮定法、比較構文といった複雑な文法事項を正確に使いこなせるように練習する必要があります。特に、文の冒頭に来る表現(例:Not only, Only after, No computerなど)が引き起こす倒置のルールは重点的に確認すべきです。
- 長文の根拠に基づいた読解: 内容一致問題での失点を防ぐため、「どこに何が書かれているか」を意識しながら読み進める練習を積む必要があります。特に、数字や固有名詞、限定的な表現(only, most, allなど)を含む記述の確認を徹底することが重要です。
整序英作文対策のイメージ
東北医科薬科大学の英語試験は、まるで精密な外科手術のように、高度な知識(専門的な語彙やテーマ)と正確な技術(複雑な構文を正確に組み立てる能力)を制限時間内に要求します。特に、整序英作文は、ただ単語を知っているだけでなく、文法構造という設計図を完璧に理解し、正確な順番でパーツ(語句)を配置する高度な技術が試される部分と言えます。