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埼玉医科大学 一般選抜 出題傾向 英語

傾向と対策の概要

埼玉医科大学医学部の英語試験は、時間に対する問題量の多さが最大の特徴です。問題自体の難易度は「標準~易レベル」とされていますが、制限時間内にすべてを解き切るのは「時間的に非常に厳しい」と評価されています。

出題は、基礎的な文法・語彙力を問う問題と、医学・医療に関連するアカデミックなテーマを扱った複数の長文読解が中心です。特に2021年度以降、試験時間が短縮されたため、解答の正確さに加えて速読力と情報処理能力の向上が必須となっています。

試験形式の安定性と構成

試験形式の構成自体は、2018年度から最新の年度まで概ね安定しています。

大問1:文法・語彙・語法・整序英作文

例年、適語句の選択(空所補充)や語順整序問題が出題されます。この大問は「基本的なレベルのものばかり」と評価されており、失点しないことが望ましいとされています。

  • 分詞構文を用いた慣用表現(例: weather permitting)
  • 最上級の強調(例: by far)
  • 仮定法の倒置(例: Should S be given、If it weren't)
  • 句動詞やイディオム(例: do without、turn one's back on、make oneself heard)

大問2以降:長文読解および会話文

複数のパッセージ(年度により5〜7題程度)が出題され、情報量が豊富です。設問形式は、内容一致選択、空所補充、下線部和訳や類推、指示語の特定など多岐にわたります。

長文読解の一部として、テーマに関連する会話文(ダイアログ)が組み込まれる形式が頻繁に見られます(例:2018年度、2019年度、2020年度、2021年度、2024年度)。

試験形式の大きな変化

最大の変化は、試験時間の短縮です。
  • 2018年度〜2020年度(前期・後期): 80分
  • 2021年度〜最新(前期・後期): 70分に短縮
2020年度の講評では、80分であっても「時間的に非常に厳しい」とされていたため、10分の短縮は受験生に対してより高い情報処理能力を要求しています。

出題分野や出題テーマの傾向

出題されるテーマは、医療従事者としての関心や倫理観を反映した、アカデミックで現代的なトピックが中心です。

年度 主な出題テーマの例 分野
2024 (前期) 医療におけるジェンダーバイアスと性差、デジタル健忘症とGoogle効果、義務的なボランティア活動の是非 医学倫理、認知科学、社会学
2023 (前期) COVID-19による若者のメンタルヘルス危機、相貌失認症(顔認識障害)、肥満患者に対する胃バイパス手術 公衆衛生、神経科学、医学・外科治療
2022 (前期) ペットと健康の利点、ステレオタイプ脅威、専門医実習(レジデンシー)における医師のストレス 心理学、医学教育
2021 (前期) 平均寿命の国際比較(特に日米韓)、気分と説得力(心理学)、脳外科医の死との関わり(倫理) 公衆衛生、心理学、医学倫理
2020 (後期) 抗生物質耐性菌(スーパーバグ)、協力関係のジレンマ、マインド・ワンダリング、終末期患者との交流(医師の随筆) 感染症、倫理学、心理学、医学倫理
2019 (後期) 複数リスク要因と死亡リスク、埋没費用 (Sunk Cost Bias)、医師と人種/PTSD患者との関係、音楽論(抽象的) 公衆衛生、経済心理学、医学倫理
2018 (前期) サマータイムと睡眠、倫理学(Peter Singer)、NEAT(非運動性活動熱産生)と座位行動、医師の死生観(末期がん患者としての医師の手記) 公衆衛生、倫理学、医学倫理

特に、医学、健康科学、心理学、社会倫理に焦点を当てた文章が繰り返し採用されています。また、2019年後期では「音楽論」や「埋没費用」といった「なじみの薄いテーマ」も出題されており、幅広い教養と読解力が求められます。

特徴的な傾向

専門的な随筆・エッセイの採用

大問の終盤では、医師や患者の視点に立った、心情や倫理的な状況の理解を深く問う文章が頻出します。例えば、末期がん患者となった医師の手記や、研修医の葛藤など、医療現場のリアリティに関わるテーマが特徴的です。

時事性とアカデミックな出典

現代的なトピック(例:COVID-19、デジタル健忘症、ジェンダーバイアス)が取り上げられ、出典が学術論文や専門性の高いメディア(例:The Lancet、Nature、Oxford University Pressなど)であることが多いです。

会話文(ダイアログ)の多用

記事や論説文のテーマを引き継いだ会話文が出題され、読解力に加え、会話の流れや口語表現の理解が求められます。

対策

1. 時間配分の確立と速読能力の強化

70分という短い制限時間で全問題を解き切るためには、過去問演習を通して、各大問に費やす時間を厳密に設定し、速読と正確な情報把握を両立させる訓練が必要です。スキャニング能力(必要な情報を的確に見つけ出す能力)を磨きましょう。

2. 文法・語彙の完璧な基礎固め

大問1は確実に得点源にしなければなりません。倒置、仮定法、分詞構文、関係詞の慣用表現、そして多義的なイディオムや句動詞の知識を徹底的に固める必要があります。

3. 医学・科学・倫理の背景知識の習得

頻出する公衆衛生、医学倫理、心理学、社会科学の分野の専門用語や主要な論点を事前に学習しておくことが、難解な文章を素早く理解する助けになります。

4. アカデミックな英文の論理的読解

単に和訳するだけでなく、筆者の主張、論拠、議論の構造を正確に把握する訓練が求められます。特に医療随筆では、登場人物の心情や状況を深く理解する能力が必要です。

この試験で高得点を取ることは、まるで膨大な量の情報を高速でスキャンし、同時にその情報の質や人間的な側面(倫理や心情)を深く読み取る作業に例えられます。短い時間で多角的な能力が試されるため、総合的な英語力が不可欠です。