大阪医科薬科大学 一般選抜 出題傾向 物理
大阪医科薬科大学の物理は、標準的な典型問題が中心ですが、設定が工夫されており、文字式による計算処理能力と正確な状況判断が求められます。
大問は4題構成で、力学、電磁気、熱力学の比重が高いものの、原子分野や波動分野も頻出するため、全分野の網羅的な学習が不可欠です。
傾向と対策の概要
大問は4題構成で、力学、電磁気、熱力学の比重が高いものの、原子分野や波動分野も単独の大問や小問集合で頻出するため、全分野の網羅的な学習が不可欠です。特に2025年度は原子分野が大問として出題されており、「捨て問」を作れない構成になっています。また、小問集合(大問IV)では物理量の次元解析などが頻出です。
試験形式の安定性と構成
2018年度から2025年度まで、基本的な試験の枠組みは安定しています。
| 科目・時間 | 理科2科目で120分(物理は約60分)。 |
|---|---|
| 大問構成 | 大問は4題構成。I、II、IIIは特定テーマの総合問題、IVは小問集合という形式が定着しています。 |
| 解答形式 | 空所補充(数値・数式)や記述式、選択式の混合。結果のみを記述する形式が多く、計算過程でのミスが許されないため正確性が重要です。 |
試験形式の大きな変化
全体として形式は非常に安定的ですが、過去に以下の例外的な構成が見られました。
- 小問集合の選択制(2021年度): 大問IVにおいて、4問中3問を選択して解答する形式が採用されました。ただし、2022年度以降および最新の2025年度では全問必答形式に戻っています。
- 原子分野の大問化: 従来は小問集合での出題が多かったですが、2018年度や2025年度のように、独立した大問として出題される年度があります。
出題分野や出題テーマの傾向
力学、電磁気、熱力学を中心にしつつ、原子・波動もバランスよく配置されています。
力学
- 2物体の運動と相対運動: ばねで連結された2物体の運動(2023年度、2025年度)や、重ねられた物体の摩擦と運動(2024年度)など、重心運動や慣性力を用いた考察が頻出です。
- 円運動・単振動: 円錐振り子(2021年度)や、慣性力がはたらく系での単振動(2025年度)など、座標系を適切に設定する力が問われます。
熱力学
- 断熱変化と気体の混合: 2025年度は断熱自由膨張を含むサイクル、2022年度はコンデンサーの極板間引力と気体の状態変化の融合が出題されました。
- 熱気球: 2024年度には、気球の浮上条件を問う標準的ながら差がつく問題が出題されています。
電磁気
- 回路とコンデンサー: スイッチの切り替えを含む回路問題(2024年度)や、極板間引力(2022年度)が頻出です。
- 電磁誘導・荷電粒子: 導体棒の運動(2020年度、2022年度)や、電磁場中での粒子のらせん運動(2018年度)などが出題されています。
原子・波動
- 原子: 2025年度は大問IIIで「中性子の発見と核反応」が出題されました。小問集合でも半減期やリュードベリ定数(2024年度)が問われており、重要度が増しています。
- 波動: 2023年度の小問で屈折、2024年度の小問でレンズが出題されていますが、大問としての出題頻度は他分野よりやや低めです。
特徴的な傾向
「物理量の次元・単位」の頻出
大問IV(小問集合)において、物理量の次元(M, L, Tなど)や単位を問う問題が非常に高い頻度で出題されています。2025年度は、$CR$回路や$LC$共振回路の時定数・周期に関連する時間の次元を選ぶ問題が出ました。
「送電線の電力損失」問題に関する注意: 2015年度から2021年度まで類似問題が連続して出題されていましたが、2022年度以降は出題が止まっています。傾向変化の可能性がありますが、過去の象徴的な問題として把握しておくべきです。
文字式計算の重視
多くの問題で具体的な数値ではなく、与えられた文字を使って解答を作成することが求められます。特に2025年度の力学などは、複雑な設定下で正確に文字式変形を行う力が試されました。
対策
- 原子分野を含む全分野の徹底: 原子分野を「小問対策」だけで済ませるのは危険です。中性子の弾性衝突や核反応式、ボーアの理論など、標準的な大問を解けるレベルまで仕上げましょう。
- 次元解析・単位の確認: 物理量の定義式から次元(Dimension)を導く練習が必須です。特に電磁気分野の単位変換は、確実な得点源となります。
- 相対運動と慣性力の習熟: 動く台や箱の中での物体の運動が頻出です。慣性力を正しく図示し、相対加速度や重心運動を用いて方程式を立てる練習を重点的に行ってください。
- 計算の「正確さ」と「文字処理」: 制限時間に対して処理量は標準的ですが、ミスが命取りになります。普段から文字式のまま整理し、次元解析で検算する癖をつけることが有効です。