2026 大分大学 医学部 の特徴
豊穣の大地で育む、地域に根ざし世界を見据える医療人への道
大分医科大学を前身とし、地域医療への貢献を大きな使命として掲げる大分大学。その医学部は、「人間性豊かな全人的医療」を実践できる医師の育成を理念とし、早期からの体験実習や充実した臨床教育に定評があります。温泉地として名高い由布の自然に抱かれた落ち着いた環境で、学生は未来の医療を担うべく、日々の学びに励んでいます。今回は、地域社会との強い連携の中でどのような学びが展開されているのか、大分大学医学部の魅力と特徴を深掘りしていきます。
📌 大学の基本情報・立地
キャンパスとアクセス
大分大学医学部は、大分県由布市にある挾間(はさま)キャンパスに位置しています。由布市は温泉地として名高い由布院温泉にも近く、緑豊かな自然に恵まれた落ち着いた環境です。県庁所在地である大分市の中心部からは少し離れていますが、その分、学業や研究に集中しやすい環境が整っています。
キャンパス周辺は、学生向けの住居も多く、スーパーマーケットや飲食店なども点在しており、生活に必要なものは一通り揃います。また、キャンパス内には附属病院が併設されており、早期から最先端の医療現場に触れることができるのは、医学を志す学生にとって大きな魅力と言えるでしょう。
都心のような喧騒はありませんが、穏やかな時間が流れる中で、じっくりと医学の道を探求したい学生にとっては、非常に恵まれたロケーションです。大自然の恩恵を受けながら、地域に根差した医療人としての素養を育むことができるでしょう。
住所
〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1丁目1番地
アクセス
バス利用(大分駅から): JR「大分駅」からバスで約30分、「大学病院」バス停下車。
自動車利用: 大分自動車道「大分IC」から約10分。
JR利用: 最寄駅はJR久大本線「賀来駅」ですが、駅からキャンパスまでは距離があるため、バスやタクシーの利用が一般的です。
🌟医学部医学科の教育の特徴
大分大学医学部では、人間性豊かな医師を育成するため、独自の教育理念とカリキュラムを展開しています。
教育理念と目的
以下に、大学が掲げる教育理念と目的を公式サイトから引用します。
教育理念
医学に関する最新の学術を教育・研究し、高度の医学の知識並びに技術、そしてこれらを支える高い倫理観と豊かな教養・人間性を備えた医師及び医学研究者を養成し、これら学問の進歩、国民の健康の維持増進、医療・保健を中心に地域や国際社会の福祉に寄与する。
教育目的
患者の立場を理解した全人的医療ができるよう、豊かな教養と人間性、高度の学識、生涯学習能力、国際的視野を備えた人材を育成することを目的として実践的な医学教育を行う。
各学年の特徴的な教育内容
大分大学医学科のカリキュラムは、基礎から臨床、そして実践へとスムーズに移行できるよう、体系的に組まれています。
1年次:主に旦野原キャンパスで、医学を学ぶ上での基盤となる教養科目や、化学・生物学などの自然科学系科目を学びます。早期から医療現場に触れる機会として、介護・看護の早期体験実習が組み込まれているのが特徴です。これにより、医学への学習意欲を高め、医療人としての心構えを早い段階で育みます。
2年次:挾間キャンパスでの専門教育が本格的に始まります。解剖学、生理学、生化学といった基礎医学の根幹をなす科目を学び、人体の正常な構造と機能について深く理解します。臓器別・機能別に統合されたチュートリアル教育が導入されており、知識の有機的な結合を図ります。
3年次:病理学や薬理学など、疾患の原因や治療法について学ぶ臨床基礎医学が中心となります。基礎医学で得た知識を基に、様々な疾患がどのようにして起こるのかを系統的に学習し、臨床医学への橋渡しを行います。
4年次:臨床医学の各科目(内科学、外科学など)の講義が中心となります。後半には、共用試験(CBT、OSCE)が実施され、臨床実習に進むための知識と技能、態度が評価されます。また、研究室に所属し、基礎研究に触れる機会も設けられており、リサーチマインドの育成も重視されています。
5年次、6年次:附属病院を中心とした臨床実習(クリニカル・クラークシップ)がメインとなります。学生は診療チームの一員として、指導医のもとで実際の患者さんの診療に参加します。様々な診療科をローテートすることで、実践的な診断能力や治療技術、そして医師としてのコミュニケーション能力を磨き上げます。地域医療の重要性を学ぶため、大分県内の関連病院での実習も行われます。
このように、大分大学では、早期体験実習から始まり、系統的な基礎・臨床医学教育を経て、実践的な臨床実習へと至る一貫したカリキュラムを構築しています。特に、学生が能動的に学ぶチュートリアル教育や、研究室での活動を通じて、単に知識を習得するだけでなく、自ら課題を発見し解決する能力や、科学的探究心を育む教育が展開されていることが大きな特徴です。
🏠学生生活・施設環境
部活動
大分大学医学部には、体育系・文化系合わせて多種多様な部活動やサークルが存在します。多くの学生が部活動に参加しており、学業との両立を図りながら充実した学生生活を送っています。体育系では、西日本医科学生総合体育大会(西医体)や九州・山口医科学生体育大会(九山)での活躍を目指して、日々練習に励んでいます。文化系では、管弦楽団や混声合唱団などが定期的に演奏会を開くなど、活発に活動しています。学年や学科を超えた交流の場でもあり、部活動を通じて築かれる縦と横の繋がりは、卒業後も続く貴重な財産となるでしょう。
大学の周辺環境
挾間キャンパスは、由布岳や鶴見岳を望む、自然豊かで落ち着いた場所にあります。キャンパス周辺には、スーパーマーケット、ドラッグストア、コンビニエンスストア、飲食店などが揃っており、日常生活に不便を感じることは少ないです。家賃相場も比較的安価で、多くの学生が大学周辺で一人暮らしをしています。大分市の中心市街地へはバスや車で30分程度の距離で、休日のショッピングやリフレッシュにもアクセスしやすい立地です。豊かな自然環境と生活の利便性がバランスよく共存しており、学業に集中しつつ、穏やかな学生生活を送るには適した環境です。
先輩後輩の関係
医学部は6年制ということもあり、先輩と後輩の結びつきが強い傾向にあります。特に部活動やサークル活動は、学年を超えた交流の中心的な役割を担っています。先輩からは、試験対策の情報や教科書・参考書の譲渡、実習での立ち振る舞いなど、学生生活を送る上での実践的なアドバイスを得る機会が多くあります。また、大学全体で新入生をサポートする体制もあり、学生生活に関する様々な相談に応じています。こうした縦の繋がりは、学習面での不安解消だけでなく、将来医師としてキャリアを考える上でも心強い支えとなります。
医学に関係した学習環境
挾間キャンパスには、医学の学習と研究を支える施設が充実しています。附属図書館医学分館は、豊富な医学専門書や学術雑誌を所蔵し、24時間利用可能な学習スペースも備えているため、試験期間中などは多くの学生が利用しています。スキルスラボセンターでは、シミュレーターやトレーニングモデルを用いて、採血や縫合といった基本的な臨床手技から高度な医療技術まで、実践的なトレーニングを積むことができます。そして、キャンパスに併設された附属病院は、最先端の医療を提供する特定機能病院であり、学生にとっては最高の学びの場です。1年次から実習などで病院を訪れる機会があり、臨床現場の空気を肌で感じながら学習を進めることができます。
🩺 在学生・卒業生の声
大学公式サイトでは、在学生や卒業生の個別の声を紹介するページは見当たりませんでしたが、大学が発信する情報から、学生たちがどのような環境で学び、成長しているかを垣間見ることができます。ここでは、大学紹介や各学科の特色説明などから推測される学生像をまとめます。
在学生の声
地域医療と研究の両方に魅力を感じる 大分大学は地域医療教育に力を入れている点が魅力的に感じられます。県内の医療機関での実習などを通じて、地域が抱える医療課題を肌で感じ、将来、地域に貢献したいという意識が高まるようです。また、研究室への所属を通じて、基礎研究の面白さや奥深さに触れる機会も豊富にあり、臨床医だけでなく研究医としての道も視野に入れながら、自分の可能性を広げられる環境に関心を持つ学生が多いと考えられます。
仲間と支え合うアットホームな雰囲気 学生同士の繋がりが強く、アットホームな雰囲気があることが伺えます。医学の勉強は膨大で困難なことも多いですが、同じ目標を持つ仲間たちと協力し、教え合いながら乗り越えていく文化があるようです。部活動やサークル活動も盛んで、勉強だけでなく課外活動にも打ち込むことで、人間的にも大きく成長できる環境が整っていると期待されます。
卒業生の声
全人的医療の基礎を築けた6年間 大分大学での6年間は、単に医学知識を詰め込むだけでなく、医師として最も大切な「患者の立場を理解する姿勢」を育む期間であったと感じる卒業生が多いと推察されます。教育理念にもある全人的医療の実践は、在学中の様々な講義や実習で繰り返し強調されます。卒業後、臨床現場に出て初めて、その教えの重要性を実感し、大分大学で培った礎が日々の診療の支えとなっているようです。
生涯学び続ける姿勢が身についた 卒業生は、生涯にわたって自己研鑽を続ける「生涯学習能力」を大学で身につけたと感じているでしょう。医学は日進月歩であり、常に新しい知識や技術を学び続ける必要があります。大分大学のカリキュラムは、学生の自主的な学習を促すように設計されており、在学中に「自ら学ぶ力」を養うことができます。この力は、医師として働き始めてからも、質の高い医療を提供し続けるための重要な基盤となります。
🌱 どのよう医師を目指す人に向いているか
大分大学医学部は、地域医療への強いコミットメントと、基礎から臨床までを繋ぐ体系的な教育、そして学生の主体性を尊重する学習環境を強みとしています。これらの特徴を踏まえ、どのような人に向いているか、また、どのような人には合わない可能性があるかを考察します。
大分大学医学部が向いている人
地域医療に貢献したいという強い意志を持つ人
理由: 大分県内の関連病院での臨床実習が充実しており、地域医療の現状と課題を深く学ぶ機会が豊富にあります。将来、地元やへき地医療に貢献したいと考えている人にとって、そのための知識と経験を得る上で適した環境です。
豊かな自然環境の中で落ち着いて学業に専念したい人
理由: キャンパスが位置する由布市挾間町は、都心の喧騒から離れた穏やかな環境です。誘惑が少なく、静かな場所でじっくりと医学の探求に没頭したい人にとっては、理想的な学習環境と言えるでしょう。
仲間との協調性を大切にし、チームで学ぶことを楽しめる人
理由: チュートリアル教育やグループでの実習など、学生同士が協力して課題に取り組む機会が多く設けられています。仲間と議論し、共に成長していく過程を重視する人に向いています。部活動などを通じた縦横の強い繋がりも魅力です。
臨床だけでなく、医学研究にも興味がある人
理由: 4年次に研究室へ所属する機会があり、基礎研究に触れることができます。早い段階からリサーチマインドを養うことができ、将来、研究医や大学教員としてのキャリアを考えている人にとっても良いスタート地点となります。
向いていない可能性がある人
都会的で刺激的なキャンパスライフを最優先する人
理由: キャンパス周辺は生活に便利な施設は揃っていますが、大都市にある大学のような華やかさや多様なエンターテイメント施設はありません。学業以外の刺激を強く求める人には、物足りなく感じられる可能性があります。
完全に受け身の姿勢で、講義を聴くだけの学習を好む人
理由: 大分大学の教育は、チュートリアル教育など学生の能動的な参加を求める場面が多くあります。自ら課題を見つけて学ぶ姿勢が求められるため、指示されたことだけをこなしたいという受け身のタイプの人には、学習スタイルが合わないかもしれません。
早期から特定の専門分野に特化した学習をしたい人
理由: カリキュラムは、将来どの診療科に進んでも対応できるような、総合的な知識と技能を持つ医師(ジェネラリスト)の育成を重視しています。入学後すぐに特定の専門分野だけを深く学びたいという志向が強すぎる場合、幅広い分野を学ぶ基礎課程を長く感じる可能性があります。
大分大学医学部は、豊かな人間性と高い倫理観を備え、地域社会に貢献できる医師の育成を重視しています。仲間と支え合いながらじっくりと学び、医師としての確かな礎を築きたい人にとって、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。一方で、都市部での刺激的な生活や、受動的な学習スタイルを望む人には、その環境や教育方針が合わない可能性も考慮する必要があります。ここでの6年間は、医師としての知識・技術だけでなく、人間性そのものを育む貴重な時間となるはずです。
📚出典
大分大学医学部. (n.d.). サイトについて. 2024年4月25日取得, from https://www.med.oita-u.ac.jp/campus/site.html
大分大学医学部. (n.d.). 医学科について. 2024年4月25日取得, from https://www.med.oita-u.ac.jp/campus/med-igaku.html
大分大学医学部. (n.d.). カリキュラム. 2024年4月25日取得, from https://www.med.oita-u.ac.jp/campus/med-igaku_curriculum.html
大分大学. (2001). 1.医学科の教育内容. 2024年4月25日取得, from http://www.med.oita-u.ac.jp/syomuka/evaluation2001/ed2.htm
大分大学医学部. (n.d.). アクセス. 2024年4月25日取得, from https://www.med.oita-u.ac.jp/campus/access.html
大分大学医学部. (n.d.). キャンパス案内図. 2024年4月25日取得, from https://www.med.oita-u.ac.jp/campus/map.html
大分大学医学部. (n.d.). 学生サークル. 2024年4月25日取得, from https://www.med.oita-u.ac.jp/student/circle.html