2026 九州大学 医学部 の特徴

歴史と最先端が融合する学び舎、九州大学医学部
九州大学は、1867年に設立された賛生館を源流とし、1911年に九州帝国大学として設立された日本有数の基幹総合大学です。中でも医学部は、大学創設時からの長い歴史と伝統を誇り、日本の医学・医療の発展に大きく貢献してきました。福岡という活気あふれる都市にありながら、落ち着いた学習環境と最先端の研究設備を両立させています。本記事では、九州大学医学部の特徴や魅力について、大学公式サイトの情報をもとに詳しくご紹介します。
📌 大学の基本情報・立地
キャンパスとアクセス
九州大学医学部の学生は、主に2つのキャンパスで学びます。1年次には、福岡市西部に位置する広大な伊都(いと)キャンパスで、全学部の学生と共に教養教育を履修します。自然豊かな環境に最新の設備が整ったキャンパスで、幅広い学問分野に触れ、多様な価値観を持つ仲間と交流することで、医師として必要な豊かな人間性の土台を築きます。伊都キャンパスでの生活は、将来の医療人としての視野を広げる貴重な経験となるでしょう。
2年次からは、福岡市東区にある病院キャンパス(馬出地区)に学びの場を移します。九州大学病院に隣接したこのキャンパスは、医学教育と臨床研究の中心地です。最寄り駅である地下鉄箱崎線「馬出九大病院前」駅とは地下通路で直結しており、雨の日でも濡れることなく通学が可能です。また、JR博多駅や福岡の中心地である天神からのアクセスも良好で、交通の利便性は非常に高いです。キャンパス周辺は、閑静な住宅街でありながら、学生向けの飲食店やスーパーマーケットも点在し、学習に集中しつつも快適な生活を送れる環境が整っています。歴史を感じさせる赤レンガの建物と近代的な研究棟が調和した美しいキャンパスで、学生は本格的な医学の道へと進んでいきます。
住所
伊都キャンパス:〒819-0395 福岡市西区元岡744
病院キャンパス:〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1
アクセス(病院キャンパス)
地下鉄: 福岡市地下鉄箱崎線「馬出九大病院前」駅下車、徒歩すぐ
JR: 鹿児島本線「吉塚」駅下車、徒歩約15分
西鉄バス: 「県庁前」または「警察本部前・九大病院入口」バス停下車、徒歩約3〜4分
🌟医学部医学科の教育の特徴
九州大学医学部医学科は、深い知識と倫理観、そして旺盛な探求心を持つ医師・医学研究者の育成を目指しています。その教育は、長い歴史の中で培われた伝統を礎に、常に時代の要請に応えるべく進化を続けています。
教育理念と目的
九州大学医学部医学科は、その教育研究上の目的を次のように定めています。
教育研究上の目的
医学部 本学部は、「人の健康と福祉の増進」という医学の使命を達成するための人材を組織的に養成する。
医学科 医学に関する知識・技術の教育を基盤にし、医の倫理に徹し、旺盛な探求心を有する医療及び医科学研究に携わる人材を組織的に養成する。
教育の目的
医学部医学科は、 医学に関する知識・技術の教育を通して、 医の倫理に徹し、 旺盛な探究心を有する医師および医科学研究者を育成することを目的とする。
この理念に基づき、単に病気を治す技術だけでなく、患者の「生きがいを持ち人間らしく生きること」に寄り添える、人間味あふれる医療人の育成が目指されています。
各学年の特徴的な教育内容
九州大学医学部のカリキュラムは、将来、臨床医としても研究者としても世界をリードできる人材を育むために、体系的かつ先進的に組まれています。
1年次: 伊都キャンパスにて、基幹教育(一般教養)を学びます。医学の専門分野に進む前に、人文科学、社会科学、自然科学といった幅広い学問に触れ、多角的な視点と豊かな教養を身につけます。この時期に他学部の学生と交流することは、チーム医療に不可欠なコミュニケーション能力の基礎を養う上で重要な意味を持ちます。早期体験実習として、医療や福祉の現場を訪問する機会も設けられています。
2年次: 病院キャンパスへ移行し、本格的な医学教育が始まります。解剖学、生理学、生化学といった基礎医学の講義と実習が中心です。特に、献体を用いた人体解剖実習は、人体の精緻な構造を学ぶだけでなく、生命の尊厳と医療人としての倫理観を深く心に刻むための重要な教育課程と位置づけられています。
3年次: 基礎医学の知識を土台に、病理学、薬理学、微生物学など、疾病の原因やメカニズムについて学びます。後半からは内科学、外科学といった臨床医学の各論が始まり、基礎と臨床をつなぐ知識を修得していきます。研究室に早期配属され、最先端の研究に触れる機会(研究室配属)もあり、研究マインドの涵養が図られます。
4年次: 臨床医学の講義が中心となり、各診療科の疾患について深く学びます。共用試験(CBT、OSCE)に合格すると「スチューデントドクター」として認定され、臨床実習への参加資格を得ます。この段階までに、医師として必要な基本的な知識、技能、態度を網羅的に修得します。
5年次、6年次: 臨床実習(クリニカル・クラークシップ)が教育の中心となります。学生は九州大学病院をはじめとする国内外の医療施設で、診療チームの一員として実際の診療に参加します。指導医の監督のもと、患者さんを受け持ち、診断や治療計画の立案に関わることで、実践的な臨床能力を磨きます。また、希望者は基礎医学研究を継続できるMD-PhDコースを選択し、大学院博士課程へ進学することも可能です。
このように、九州大学医学部では、低学年での幅広い教養教育から始まり、基礎医学、臨床医学、そして実践的な臨床実習へと、段階的かつ体系的に知識と技術を積み上げていくカリキュラムが構築されています。自ら課題を見つけ、解決する能力を養うための能動的な学習が奨励されており、未来の医学・医療を切り拓くプロフェッショナルを育成するための教育が展開されています。
🏠学生生活・施設環境
部活動
医学部の学生の多くは、学業と両立させながら部活動に励んでいます。体育系の部活は、西日本医科学生総合体育大会(西医体)や九州山口医科学生体育大会(九山)といった、医学部生ならではの大会を目標に活動しており、他大学の医学生との交流も盛んです。文化系の部活も、音楽や学術など多岐にわたり、共通の趣味を持つ仲間との絆を深めています。部活動を通じて培われる協調性やリーダーシップ、そして先輩・後輩との縦のつながりは、医師になってからも大きな財産となります。多くの部活では、試験期間中の活動を考慮するなど、学業との両立をサポートする体制が整っているため、安心して打ち込むことができます。
大学の周辺環境
2年次から過ごす病院キャンパスは、福岡市の中心部からほど近い場所にありながら、緑も多く落ち着いた雰囲気です。最寄り駅の「馬出九大病院前」駅周辺には、コンビニエンスストアやスーパー、定食屋などが揃っており、日々の生活に不便はありません。少し足を延せば、JR吉塚駅周辺の活気ある商店街や、福岡県庁、東公園などがあります。また、福岡の中心地である天神や博多へも地下鉄で数駅という好立地のため、放課後や休日にはショッピングやグルメ、文化施設巡りなどを気軽に楽しむことができます。都市の利便性と、学業に集中できる落ち着いた環境が両立している点は、大きな魅力と言えるでしょう。
先輩後輩の関係
九州大学医学部では、部活動や研究室などを通じて、先輩と後輩の強い結びつきが育まれます。特に、同じ部活の先輩からは、試験対策の情報や実習の乗り切り方、将来のキャリアパスに関するアドバイスなど、貴重な情報を得ることができます。こうした縦のつながりは、膨大な量の知識を学ぶ医学部生活において、大きな精神的支えとなります。また、大学主催のイベントや学生主体の交流会なども行われており、学年を超えた交流の機会が豊富に用意されています。面倒見の良い先輩が多く、新入生が大学生活にスムーズに溶け込めるような温かい雰囲気があります。
医学に関係した学習環境
病院キャンパスには、医学生の学びを支えるための施設が充実しています。医学図書館は、膨大な数の医学専門書や学術雑誌を所蔵しており、静かな環境で自習に集中できる閲覧席も多数備えられています。オンラインデータベースも充実しており、最新の医学情報にアクセスすることが可能です。また、実践的な臨床技能をトレーニングするためのクリニカルスキルトレーニングセンターも設置されています。ここでは、シミュレーターや模擬患者を用いて、診察、手技、コミュニケーションスキルなどを繰り返し練習することができます。これにより、実際の患者さんに接する臨床実習に、自信を持って臨むことが可能となります。最先端の医療を提供する九州大学病院が隣接していることも、日々の学習のモチベーションを高める最高の環境と言えるでしょう。
🩺 在学生・卒業生の声
公式サイトに寄せられたメッセージなどから、九州大学医学部での学びの様子がうかがえます。
在学生の声
研究と臨床、両方の視点を学べる環境 6年次の在学生は、「九州大学は歴史があり、福岡で活躍しているOBの先生も多いだろうと考えて入学を決めた」と語ります。入学後の学習については、低学年での基礎医学から高学年の臨床実習まで、段階的にステップアップしていくカリキュラムの良さを挙げています。また、研究室配属の機会を通じて、臨床だけでなく研究の面白さにも触れることができ、将来の選択肢が広がったと感じているようです。勉強は大変ながらも、同じ目標を持つ友人と支え合いながら充実した日々を送っている様子がうかがえます。
部活動と勉強を両立できる 部活動に所属している在学生からは、「医学部の部活は、練習頻度も学業と両立できる範囲で組まれていることが多い」という声が聞かれます。週に数回の練習で着実に上達しながら、勉強やアルバイトの時間も確保できるため、充実した大学生活が送れているとのことです。特に、西医体などの大会を通じて他大学の医学生と交流できることは、大きな刺激になっているようです。部活動で得た仲間との絆は、一生の宝物になると感じています。
卒業生の声
臨床実習で医師としての自覚が芽生えた 臨床実習を終えた6年生は、「実際に患者さんと接することで、医師になるという実感が強く湧いた」と話します。指導医の先生方が患者さん一人ひとりに真摯に向き合う姿を間近で見ることで、自らも「医学の進歩に置いていかれないよう、生涯学び続ける医師になりたい」という目標が明確になったそうです。九州大学病院の先生方のレベルの高さと、熱心な指導に感銘を受けたと語っています。
多様な人との出会いが視野を広げてくれた 卒業を控えた学生は、「九州大学医学部には、全国から多様なバックグラウンドを持つ学生が集まっている。また、1年次に伊都キャンパスで他学部の学生と交流できたことも大きな財産になった」と振り返ります。医学という専門分野だけでなく、幅広い視野を持つことの重要性を学んだと述べています。また、海外の大学との交流も盛んであり、国際的な視点を養う機会にも恵まれていると感じているようです。
🌱 どのよう医師を目指す人に向いているか
九州大学医学部は、その長い歴史と伝統に裏打ちされた質の高い教育と、最先端の研究環境を誇る、日本を代表する医学部の一つです。充実した教育カリキュラムと施設、そして都市機能と落ち着いた環境が両立した立地は、医師を目指すすべての学生にとって魅力的な学びの場と言えるでしょう。
九州大学医学部が向いている人
将来、臨床医だけでなく研究医としてのキャリアも視野に入れている人: 伝統的に基礎研究に強く、早期から研究室で最先端の研究に触れる機会が豊富にあります。MD-PhDコースも用意されており、研究マインドを涵養し、将来の医学研究をリードしたいという高い志を持つ学生にとって最適な環境です。
主体的に学び、自ら課題を発見・解決する能力を伸ばしたい人: カリキュラムには、学生の能動的な学習を促す工夫が随所にみられます。単に知識を受け取るだけでなく、自ら考え、探求していく姿勢を持つ学生が、より大きく成長できる大学です。
豊かな人間性と幅広い教養を身につけたい人: 1年次に伊都キャンパスで全学の学生と共に学ぶ期間が設けられています。医学の専門知識だけでなく、多様な価値観に触れ、人間としての深みを増したいと考える人に向いています。
充実した学生生活と学業を両立させたい人: 部活動が盛んであり、多くの学生が勉学と両立させています。仲間との絆を深め、人間的に成長しながら医師を目指したい人にとって、非常に良い環境です。
向いていない可能性がある人
都市の喧騒から完全に離れた静かな環境のみを求める人: 病院キャンパスは福岡市の中心部に近い便利な立地ですが、その分、ある程度の都市の喧騒はあります。完全に静寂な環境だけを好む人には、少し賑やかに感じられるかもしれません。
手厚いサポートがないと学習を進めるのが難しい人: 九州大学の教育は、学生の自主性・主体性を重んじるスタイルです。もちろんサポート体制は整っていますが、常に受け身の姿勢で、手取り足取りの指導を期待する人にとっては、その自由度の高さが逆に難しさに繋がる可能性があります。
九州大学医学部は、未来の医療を担う強い意志と探求心を持ち、人間的にも成長したいと願う学生にとって、最高の学び舎となるでしょう。ここで得られる知識、技術、そして仲間との絆は、医師として、また一人の人間としての人生を豊かにする、かけがえのない財産となるはずです。
📚出典
九州大学 医学部 医学科. (n.d.). 九州大学 医学部 医学科. Retrieved from https://www.mdc.med.kyushu-u.ac.jp/
九州大学 医学部・大学院医学系学府・大学院医学研究院. (n.d.). 九州大学 医学部・大学院医学系学府・大学院医学研究院. Retrieved from https://www.med.kyushu-u.ac.jp/
九州大学 医学部 医学科. (n.d.). 教育研究上の目的・ポリシー. Retrieved from https://www.mdc.med.kyushu-u.ac.jp/admission/policy/
九州大学 医学部 医学科. (n.d.). カリキュラム. Retrieved from https://www.mdc.med.kyushu-u.ac.jp/education/curriculum/
九州大学 医学部 医学科. (n.d.). 学科紹介. Retrieved from https://www.mdc.med.kyushu-u.ac.jp/education/department/
九州大学 医学部 医学科. (n.d.). Q&A. Retrieved from https://www.mdc.med.kyushu-u.ac.jp/department/faq/
九州大学 医学部・大学院医学系学府・大学院医学研究院. (n.d.). 周辺環境. Retrieved from https://www.med.kyushu-u.ac.jp/campus/environment/
九州大学病院. (n.d.). 交通アクセス. Retrieved from https://www.hosp.kyushu-u.ac.jp/access/
九州大学 医療系統合教育研究センター. (n.d.). クリニカルスキル トレーニングセンター運営専門部会. Retrieved from https://www.medu.kyushu-u.ac.jp/trainingcenter/section/
九州大学附属図書館. (n.d.). 医学図書館. Retrieved from https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/directory/65
九州大学 医学部 生命科学科. (n.d.). 部活生に聞いてみた. Retrieved from https://www.biomed.med.kyushu-u.ac.jp/juken/ask-club.html
九州大学 医学部 医学科. (n.d.). 在学生の声. Retrieved from https://www.mdc.med.kyushu-u.ac.jp/message/student/