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久留米大学 一般選抜 出題傾向 生物 2018年度~最新入試の傾向と対策

傾向と対策の概要

久留米大学医学部の生物は、分子生物学ヒトの生体機能・恒常性に関する詳細かつ応用的な知識を要求する傾向が強いです。特に近年では、最新の医療技術(mRNAワクチンiPS細胞など)や高度な実験手法(RT-PCRSNP解析など)を題材にした問題が多く出題されています。

出題形式は、専門用語の知識に加え、字数制限のある論述形式(20字〜100字以内)の説明問題が非常に多く、正確な知識を簡潔に表現する能力が不可欠です。また、遺伝計算や生体データの読み取り(酸素解離曲線など)といった定量的思考も求められます。

試験形式の安定性と構成

提供された2018年度から2025年度までの資料に基づくと、試験形式は非常に安定しています。

  • 大問数: 毎年一貫して4題で構成されています。
  • 試験時間: 他の1科目と合わせて120分が設定されています。
  • 設問形式: 以下の形式が複合的に用いられています。
    • 空所補充(語句または数字)
    • 選択肢問題(記号選択)
    • 計算問題
    • 記述・論述問題(厳密な字数制限付き)

試験形式の大きな変化

大問の構成や制限時間といった形式的な点において、2018年度以降で大きな変化は見られません。

しかしながら、出題されるテーマの「新しさ」や「深さ」においては進化が見られます。特に、最先端の生物学分野や医療応用に関連するテーマ(例えば、2023年度のワクチン関連や2024年度のゲノム多型と個別化医療、2025年度のRT-PCR技術の深掘り)の出題が増加しており、単なる高校生物の範囲を超えた知識の応用や、実験手法の理解が強く求められています。

出題分野や出題テーマの傾向

出題は生物学の主要分野から幅広く行われますが、特に以下の2分野が頻出であり、深い理解が必要です。

細胞生物学・分子生物学

  • 遺伝情報の発現と調節: DNA複製メカニズム(リーディング鎖、ラギング鎖、岡崎フラグメント)、転写調節(プロモーター、オペレーター、RNAポリメラーゼ)、遺伝暗号。
  • 細胞内構造とタンパク質輸送: 細胞小器官の機能と構造(ミトコンドリア内膜の構造、小胞体、ゴルジ体、リソソーム)、タンパク質の輸送経路(小胞体への輸送、エキソサイトーシス)、フォールディングとシャペロン。
  • 実験技術: PCR法(Tm値の計算、アニーリング温度の最適化)、RT-PCR(cDNAの特徴、ゲノムDNA混入判定方法)、DNA型鑑定やRFLP解析の原理。

ヒトの生体機能と恒常性

  • 内分泌と恒常性: 腎臓の構造と機能(腎小体、バソプレシンによる水分再吸収)、血糖値調節(インスリン、グルカゴン、視床下部)、甲状腺ホルモンとフィードバック調節(バセドウ病)。
  • 神経・筋: 骨格筋の収縮メカニズム、神経伝達物質(アセチルコリン、シナプス)、自律神経系(交感神経と副交感神経の作用、血糖調節との関連)。
  • 感覚器: 眼の構造と機能(網膜、視細胞、遠近調節、視覚経路)、聴覚・味覚・嗅覚の感覚細胞。
  • 循環器: 心臓の構造と血液の流れ(動脈血/静脈血、弁の機能、心拍調節、血栓の転移先)。

遺伝と発生・生態

  • 古典遺伝: 自家受精によるヘテロ接合体の割合変化、連鎖と組換え価の計算(ショウジョウバエにおける雄と雌の組換えの有無の違い)。
  • 進化・生態: 地衣類や根粒菌の相利共生、植生の遷移、包括適応度と血縁選択。
  • 発生: ウニの受精(多精拒否、表層反応)、キメラマウス作製による多能性の検証と拒絶反応の理由。

特徴的な傾向

  • 字数制限論述の徹底:20字以内」「50字以内」「100字以内」など、字数が厳密に指定された説明問題が各年度にわたって多数出題されており、この形式は久留米大学の特徴の一つです。例えば、ミトコンドリア内膜の面積が大きい理由や、胎児ヘモグロビンの生理的理由など、メカニズムや機能的な意義を問うものが中心です。
  • 実験原理と検証の重視: 単に知識を問うだけでなく、実験結果の解釈(例:PCR産物の電気泳動結果の予測)や、実験手法の妥当性検証(例:RT-PCRにおけるゲノムDNA混入判定)に関する詳細な質問が多く、原理を深く理解していることが求められます。
  • 医学応用・病態生理学の出題: 医学部入試らしく、特定の病態(バセドウ病、重症筋無力症、糖尿病、アルツハイマー病、HIV)を例に挙げ、その分子的な原因やメカニズム、そして体内での調節システムがどのように破綻しているかを問う問題が多いです。
  • 計算・定量的な問題: 遺伝学における比率の計算や、DNA長とプライマー長に関する計算、酸素解離曲線を用いた酸素解離率の計算など、数値を扱う問題もコンスタントに出題されています。

対策

  • 記述・論述対策の徹底: 主要な生物学的現象やメカニズムについて、原因、過程、結果を過不足なく、かつ簡潔に述べる訓練が必須です。過去問を通じて、字数制限のある解答を何度も作成し、採点基準を満たすキーワードを盛り込む練習をしましょう。
  • 分子生物学と生体機能の集中学習: 特に遺伝子発現、細胞内輸送、恒常性のフィードバック機構は、知識が曖昧だと記述問題で点数を取りにくいため、図やモデルを用いて徹底的に理解する必要があります。
  • 実験原理のマスター: PCR、電気泳動、RT-PCR、クロマトグラフィーといった基本的な実験手法について、目的、原理、検証方法を具体的に説明できるように準備します。特に近年の出題傾向から、プライマー設計や結果の解釈に慣れておくことが重要です。
  • 定量的問題への慣れ: 遺伝計算だけでなく、生理学におけるグラフ(酸素解離曲線など)の読み取りや計算問題に対して、解法をパターン化し、正確に計算できる力を養いましょう。

例えるなら

久留米大学医学部の生物試験は、単に「生物学の辞書」を持っているかを問うのではなく、「厳密な専門用語を使って、生体内の複雑な機械がどのように動いているのか、なぜそう動くのかを、指定された文字数で正確にエンジニアに説明する」能力を試していると言えます。知識の正確さと、それを論理的に表現する言語能力のバランスが非常に重要です。