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近畿大学 一般選抜 出題傾向 生物

前期日程の傾向と対策

近畿大学医学部一般前期入試の生物における2018年度から最新年度までの傾向と対策について、過去問の分析に基づきまとめます。

傾向と対策の概要

近畿大学医学部の生物は、例年、長文のリード文に基づいて出題される形式が継続しています。単なる知識の暗記だけでなく、与えられた情報や前提条件を深く理解し、応用・考察する力が求められます。

出題分野は幅広く、生命現象の基本メカニズムから、生体機能、医学的な背景を持つ免疫や発生、生物の多様性まで全範囲が対象となります。特に、字数制限のある論述問題や、計算問題(呼吸商、DNA複製、細胞周期など)が多く出題される点が特徴的であり、正確な知識を基にした論理的な記述力と、数学的処理能力の双方が合否を分けます。

試験形式の安定性と構成

試験形式は、2018年度から最新年度まで極めて安定しており、大きな変化は認められません。

時間・科目 2科目で120分(生物はおよそ60分)
大問構成 例年、大問I、II、III、IVの4題構成
問題形式 長文リード文、穴埋め、論述(40字〜150字程度)、計算問題、図示問題
解答上の注意 「漢字の生物用語は、原則として正しい漢字を用いて解答すること」が毎年指示されます。

出題分野や出題テーマの傾向

高校生物の全分野にわたりますが、特に以下のテーマが詳細かつ頻繁に出題されています。

恒常性、内分泌、神経系

  • 恒常性調節のメカニズムは頻出。チロキシン、副腎皮質刺激ホルモン、バソプレシン、パラトルモン、インスリン、グルカゴンなどのホルモン作用、および負のフィードバック調節。
  • ホルモンの受容体位置の違い(水溶性/脂溶性)とその作用機序(転写調節)。
  • 自律神経系(交感神経の作用、体温調節)や循環系(血管の構造、血液凝固、血液脳関門)。

細胞生物学、代謝(呼吸・発酵)

  • 細胞周期やDNA複製に関する知識、特に複製起点や速度、時間計算を伴う問題。
  • 呼吸と発酵のメカニズム(解糖系、クエン酸回路、電子伝達系)に関する詳細な穴埋め。
  • パスツール効果の生物学的意義、呼吸商の計算問題(脂肪、タンパク質、アルコール発酵を含む場合)。

免疫学

  • 獲得免疫(一次応答、二次応答、記憶細胞の役割)や、T細胞・B細胞の分化・成熟に関する実験考察。
  • 免疫細胞(マクロファージ、NK細胞、T細胞)の組織への遊走経路や、自己免疫疾患(I型糖尿病)に関する考察。

分子遺伝学と遺伝

  • 遺伝子組換えの技術(cDNA利用、制限酵素、プラスミド)や、ABO式血液型の遺伝子型と酵素活性の違い。
  • PCR法と電気泳動の原理に関する専門的な知識。
  • ショウジョウバエの発生パターン形成(ホメオティック遺伝子、母性効果遺伝子)や、エピジェネティクス。

特徴的な傾向

  • 高度な論述・考察力の要求:論述問題は単なる定義の記述にとどまらず、「どのようなしくみで生じるか」や「どのような変化が起こっていると考えられるか」といったメカニズムの深い説明を求めます。
  • 計算問題の常態化:細胞周期/DNA複製に関する計算、および呼吸商の計算(複数の基質を考慮した複雑な計算)は重点的な対策が必要です。
  • 専門的・応用的なテーマの導入:高校範囲を逸脱する専門用語(例:血液脳関門、シャペロン、フォトトロピンなど)が登場することもありますが、ヒントはリード文に含まれています。

対策

医学部合格への重要ポイント

  • 知識の定着と正確な記述:基本的な生物用語を正しい漢字で、定義とともに正確に覚えることが基礎となります。特に恒常性、遺伝情報、免疫学などの核となる分野を徹底的に固めてください。
  • 論述・考察能力の養成:「定義」だけでなく、必ず「メカニズム」や「生理的意義」を含めて説明できるように準備することが重要です。
  • 計算対策の徹底:呼吸商、DNA複製、細胞周期に関する計算は必須対策です。複雑な条件設定への対応力を養ってください。
  • 実験考察の読み解き:専門的なテーマや実験結果を提示するリード文に対して、焦らず既習の基本知識を結びつけて推察する訓練が必要です。

近畿大学医学部の生物試験は、与えられた設計図(リード文)と工具(基本知識)を使って、特定の機能を果たす精密機器(論述解答)を制限時間内に組み立てる作業に似ています。

後期日程の傾向と対策

近畿大学医学部一般後期入試の過去問(2018年度〜2024年度)の分析に基づき、生物の出題傾向と対策をまとめます。

傾向と対策の概要

後期日程も前期と同様、長文のリード文に基づき、基礎知識の確認、複雑な計算、および字数制限のある論述を組み合わせた出題形式で一貫しています。

単なる用語の暗記だけでは対応できず、リード文の実験データや現象を正確に読み取り、生物学的な原理(メカニズム)を論理的に考察する応用力が強く求められます。計算問題と、専門用語を正しい漢字で記述する能力が合否を分ける重要な要素となっています。

試験形式の安定性と構成

時間・構成 生物と他科目を合わせて120分(推奨回答時間は約60分)。大問3〜4題構成。
出題形式 全ての大問が詳細なリード文から始まり、穴埋め、論述(40字〜120字等)、計算、図示・グラフ選択/作成が中心。
解答の注意 「漢字の生物用語は、原則として正しい漢字を用いて解答すること」と明記されています。

出題分野や出題テーマの傾向

医学部として重要度の高い、ヒトの恒常性維持機構や、分子レベルの生命現象(分子遺伝学、細胞生物学)に関する問題が詳細に出題される傾向があります。

恒常性、循環、排出

  • 循環系と血圧調節:心臓の拍動リズム、血圧低下時の神経調節、血管収縮の意義、血流量の変化。
  • 血液と凝固:血液凝固因子、線溶系、カルシウムイオンの役割、血しょうと血清の違い。
  • ホルモン調節と腎機能:鉱質コルチコイド、バソプレシン、糖質コルチコイドによる調節。

分子生物学と遺伝情報

  • 遺伝子の発現調節:転写と翻訳、スプライシング(エキソン、イントロン)、キャップ構造、ポリA鎖。
  • 突然変異と遺伝暗号:塩基置換(ミスセンス変異)、フレームシフト、遺伝暗号の解読実験。

免疫学

  • 獲得免疫のしくみ:抗体(免疫グロブリン)の構造、MHCやTCRによる抗原認識、形質細胞による抗体産生。
  • 実験考察:CFSEを用いたリンパ球の増殖実験の解析など。

細胞生物学と代謝・発生

  • エネルギー代謝:呼吸の各過程とATP合成、呼吸基質の代謝経路、赤血球の特殊性。
  • 酵素と調節:アロステリック調節や競合阻害など。
  • 発生と生殖:減数分裂、ウニの受精(多精拒否)、中胚葉の誘導、神経堤細胞の由来など。

特徴的な傾向

  • 高度な計算問題の常態化:酸素消費量計算、細胞周期の所要時間計算(非同調培養)、DNAの長さに関する計算など。
  • 論理的な「なぜ/どのように」の記述要求:現象の背後にある分子や細胞の具体的な働きを、字数制限内で過不足なく説明することが求められます。
  • 医学・生理学との強い関連性:心筋梗塞、腎不全、貧血、不妊治療など、医療に関わるテーマが頻繁に選ばれます。

対策

後期日程突破のための対策

  • 用語の正確な習得(漢字必須):恒常性、洞房結節、副腎皮質、転写調節因子、アクアポリンなど、重要用語を漢字で書けるように訓練してください。
  • 長文読解と論述の訓練:実験の条件や結果から必要な情報を抽出し、設問の意図を把握する練習を徹底してください。特に因果関係を明確にしたメカニズムの説明力が重要です。
  • 計算問題への対応力の強化:細胞周期、代謝(呼吸商・ATP効率)、遺伝子の複製速度などの定量的な問題をミスなく処理する能力を身につけてください。
  • 発生・恒常性・免疫の詳細な理解:これらの分野は毎年、詳細かつ応用的な出題がされています。分子レベルでの理解を目指してください。

近畿大学医学部の生物試験は、知識を道具として使い、提示された新しい状況や実験を論理的に分析する「バイオロジカル・インテリジェンス」を試しています。