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関西医科大学 一般選抜 出題傾向 化学

傾向と対策の概要

関西医科大学の化学の入試は、2018年度から最新の2025年度に至るまで、大問4題構成という形式的な安定性を保っています。出題量も概ね例年並みと評されています。

難易度については、年によって「例年並み」、「やや易しかった」、「思考力を問う良問が多い」と幅がありますが、共通して、煩雑な計算問題が多く出題されるため、高い思考力と計算の正確性、そしてスピードが要求されています。

試験形式の安定性と構成

入試形式は極めて安定しており、一貫して大問4題構成で実施されています。 大問の構成は、主に理論化学、無機化学、有機化学の各分野からバランスよく出題される傾向が見られます。特に、理論化学では計算問題有機化学では構造決定問題が頻出しています。

試験形式の大きな変化

提供された資料(2018年度〜2025年度の講評)では、試験の基本的な形式(大問数、出題量)に関する大きな変化は報告されていません。 ただし、出題分野の比重には変動が見られ、近年(2024年度、2025年度)は理論化学の分野の割合が高いことが指摘されています。

出題分野や出題テーマの傾向

理論化学の傾向

理論化学は出題の中心であり、煩雑な計算を伴う問題が多いです。

  • 溶液と平衡:凝固点降下からの分子量計算や会合度の計算、逆滴定を用いた混合溶液の定量計算、酸塩基平衡(中和点のpH計算など)、溶解度積や沈殿滴定(モール法など)が頻出しています。
  • 気体:気体の状態方程式を用いた複雑な計算、実在気体の性質やファンデルワールスの状態方程式に関する問題、三態図(水の三態図や二酸化炭素の三態図)の理解を問う問題が出されています。
  • 熱化学:熱化学方程式の作成や反応熱の計算(生成熱、燃焼熱、昇華熱など)は頻出テーマです。

有機化学の傾向

構造決定と高分子化合物に関する問題が主なテーマです。

  • 構造決定:元素分析、アルコールの異性体からの構造決定、エステルの合成や構造決定、クメン法などの基礎的な反応は頻出です。
  • 天然有機化合物:アミノ酸やペプチド(ジペプチドやトリペプチド)に関する総合問題が度々出題されます。等電点の計算や電気泳動、必須アミノ酸、特殊なペプチド(例:グルタチオン)の構造や性質など、幅広い知識が求められます。
  • 高分子:合成高分子や天然高分子の出題もありますが、2020年度や2024年度では出題が少ないと評されています。ただし、ビニロンの合成やセルロース(綿)、ナイロン6などの基礎知識は問われています。

無機化学の傾向

  • 陽イオン分析:系統分析(Ag+, Pb2+, Cu2+, Fe3+, Zn2+, Ba2+, Na+など)に関する典型的な設問は「完答したい」と評されています。
  • 金属の性質:合金(青銅、黄銅、ステンレス、ジュラルミン)の構成元素や性質、電気化学(鉛蓄電池)、テルミット反応などが出題されています。
  • 工業的製法:ハーバー・ボッシュ法やオストワルト法、アンモニアソーダ法など、基礎的な工業化学の知識が問われています。

特徴的な傾向

  • 思考力と煩雑な計算の要求:複数の化学法則や反応ステップ(例:滴定、気体の状態方程式、平衡計算)を組み合わせて解く問題が多く、単なる公式の暗記だけでは対応できません。特に2022年度以降、計算の煩雑さが指摘されています。
  • 実験の流れや詳細な設定の把握:実験全体の手順や、問題文中の細かい設定(例:熱量計算における物質量の残量、近似が使えない電離度計算、容器内での溶解を考慮するかどうか)を正確に読み取ることが、正答を得るための重要なポイントとなります。
  • 化学反応式の作成:イオン反応式や化学反応式を記述させる設問が頻繁に見られます。特に、酸化還元反応や錯イオン生成、工業的製法に関する反応式は基礎的知識として必須です。

対策

  • 基本事項の徹底的な定着:「基本的」または「頻出」と評価された問題(無機化学の陽イオン分析、有機化学の頻出反応、熱化学方程式など)は確実に完答できるレベルに仕上げる必要があります。
  • 計算処理能力の向上:煩雑な計算や、複数のステップを要する計算問題に慣れるため、過去問や難易度の高い問題集を用いて、計算速度と正確性を高める訓練が必要です。
  • 有機化学の構造決定の習熟:アルコール、エステル、アミノ酸の構造決定は頻出です。特に、異性体が多くヒントが少ない問題や、馴染みの薄いアミノ酸(例:バリン、ロイシン、グルタチオン)についても、その性質から構造を決定できる応用力を身につけるべきです。また、重要なアミノ酸の構造式は暗記しておくことが求められます。
  • 化学反応式の記述練習:有機・無機・理論の分野を問わず、化学反応式を正確に書く練習を徹底してください。特に酸化還元反応、錯イオン生成、工業的反応は重要です。
  • 問題文の精読:問題文中の実験条件や数値、そして化学的な詳細な設定(例:水が気体か液体か、溶解度、触媒の有無など)を注意深く読み取り、計算ミスや解釈ミスを防ぐ集中力が不可欠です。

例えるなら: 関西医科大学の化学の入試は、緻密な設計図(基礎知識と頻出問題)に基づいて、複雑な構造物(複合計算問題)を制限時間内に正確に組み立てる作業に似ています。単に材料(知識)が揃っているだけでなく、その加工(計算)と組み立て(思考プロセス)の正確さとスピードが合否を分けます。