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順天堂大学 一般選抜 出題傾向 生物

傾向と対策の概要

順天堂大学医学部の生物は、基礎的・標準的な知識を問う問題が土台にありながらも、難度の高い計算、複雑な実験解析、および深い考察力を要求する問題が混在している点が特徴です。

特に、分子生物学、遺伝、生態学の分野において、与えられたデータや数式、グラフを正確に読み取り、結論を導き出す高度な応用力が試されます。一般的な知識問題で確実に得点しつつ、これらの応用問題で差をつけることが合格の鍵となります。また、医学部入試ならではのヒトの生理や病理に関連するテーマ(糖尿病、免疫、循環など)も詳細に問われる傾向があります。

試験形式の安定性と構成

  • 試験時間・科目: 2科目120分という形式は一貫して維持されています。
  • 構成: 2018年度〜2024年度の出題構成は、大問3題または大問 I と大問 II の形式をとることが多く、それぞれが独立したテーマで構成されています。
  • 解答形式: 多くの問題は選択式ですが、記述式解答用紙を用いて詳細な説明や実験の考察、計算結果を記入させる問題(特に大問 II で見られる)も含まれます。記述問題には40字以内などの字数制限が付されることが多いです。

試験形式の大きな変化

大枠の試験形式(大問数、時間)に大きな変化は見られませんが、出題内容において計算・考察の難化が顕著です。

  • 実験考察問題の高度化: 2020年度の遺伝子Xの構造解析や2024年度のPCRによる変異遺伝子解析など、実験結果図(電気泳動図など)と複数の付帯情報を総合的に分析し、遺伝子の塩基配列や構造を推定させる問題が出題されています。
  • 数理モデルの導入: 2022年度には、被食者と捕食者の個体数変動を扱うロトカ・ヴォルテラの方程式を用いた数理モデルが出題されました。これは非常に難解で、合否を分けた可能性があります。
  • 生態学における計算増加: 2025年度には、栄養段階ごとのエネルギー収支に関する複雑な計算問題(総生産量、純生産量、エネルギー効率の算出)が出題されています。

出題分野や出題テーマの傾向

出題範囲は「生命現象と物質」「生殖と発生」「生物の環境応答」「生態と進化」の全分野にわたりますが、特に以下のテーマが目立ちます。

分野 頻出テーマ(年度例) 特記事項
分子生物学・遺伝 PCR法(原理、応用、計算)、遺伝子解析(変異、構造)、連鎖と組換え(複雑な計算)、原核生物の遺伝子発現調節(オペロン) 毎年出題され、計算・考察難度が高い。
細胞・代謝 呼吸・光合成の電子伝達系、カルビン・ベンソン回路の炭素数計算、細胞周期。 代謝系の詳細なメカニズム(電子の供与体・受容体)や物質収支計算が問われる。
生理学・恒常性 ヒトの循環、血流量の比較、筋収縮、血糖値調節と糖尿病、消化とホルモン(セクレチン)、視覚。 ヒトの生理機能や病理学の基礎知識を問うものが目立つ。
免疫 自然免疫・適応免疫の仕組み、MHC分子、HIV、アレルギーの実験考察。 細かい知識と複雑な実験考察力が同時に要求される頻出分野。
生態 窒素循環、個体群生態(縄張り、密度効果)、エネルギー収支(純生産量、計算)、捕食・被食関係(数理モデル)、バイオーム。 標準的な知識に加え、数理モデルや詳細なエネルギー計算が加わり、応用力が試される。
発生・進化 ウニ・両生類の発生、眼の誘導、動物の陸上進出、人類の進化。 古典的な発生学のテーマ(誘導、細胞分裂様式)は安定して出題される。

特徴的な傾向

  • 実験データ/グラフの読み取りの重視: グラフや図(縄張りと労力、エネルギー収支図、PCR電気泳動図、アレルギー実験)を元に、最適な解釈や結論を選択させる問題が多い。特に、最適な縄張りの大きさの決定のように、利益と労力の差が最大となる点を求める経済学的な視点を含む問題も出題されています。
  • 数理的な能力の要求: 遺伝の組換え価の算出、PCRの増幅断片数の計算、生態系のエネルギー効率の計算、さらにはロトカ・ヴォルテラモデルの解析など、計算力と数式の理解が不可欠な問題が多いです。
  • 医学関連知識の導入: 糖尿病の病態生理(I型・II型の違い、インスリン抵抗性)や、ヒトの視覚経路における視野の欠損、免疫応答におけるアレルギーやHIVの影響など、医学的素養を試す詳細な問題が見られます。
  • 詳細な知識の要求(古典的テーマ): 植物ホルモンが複数の機能を持つことの理解や、生体内での窒素化合物の分子構造レベルでの理解、ウニと両生類の卵割の細かい違いなど、教科書の隅々まで確認が求められるテーマも含まれます。

対策

  • 基礎知識の徹底: 典型的な問題(循環器系の基本構造、細胞分裂のプロセス、窒素循環の基本など)を短時間で正確に解答できるように、標準的な知識を盤石にする必要があります。
  • 計算・数理解析の特訓: 遺伝計算(特に連鎖と組換えの計算)や、生態系のエネルギー収支、PCRの増幅曲線に関する計算問題に時間を割いて取り組み、複雑な数式やデータ解析に慣れることが重要です。
  • 実験考察力の強化: 分子生物学や免疫の分野で頻出する、実験結果図(ゲル電気泳動など)と実験の前提条件を紐づけて考察する練習が必須です。
  • 短文記述の練習: 記述問題では、問われている論点に対する核心を捉え、指定された字数(40字以内など)に収める簡潔で正確な表現力が求められます。セクレチン分泌のフィードバック調節や、DNA鑑定の原理など、頻出テーマの記述解答を事前に準備しておくと効果的です。
  • 医学関連分野への注力: 恒常性維持機構(ホルモン)や免疫、ヒトの生理機能について、病態生理の基礎まで含めた深い理解を目指しましょう。

順天堂大学の生物の入試対策は、基本的な知識を「ツール」として、それを応用し、複雑なデータを読み解き、論理的な結論を導く能力を磨くことが、最も有効な戦略となります。これは、生物学の知識を使いこなす科学者のような思考力を試されている、と言えるでしょう。