「渋谷駅」から徒歩3分 / 専用寮あり

2026年度 医学部入試まで、

時間

2026 北海道大学医学部の特徴

北海道大学校舎

北の大地で育む、探求心と人間性豊かな医療人への道

 北海道大学は、札幌農学校から続く長い歴史と「フロンティア精神」を基本理念に掲げる、日本を代表する基幹総合大学です。その中でも医学部は、国内トップクラスの研究力と充実した教育環境を誇り、将来の医療を担う多くの優れた医師・研究者を輩出してきました。今回は、雄大な自然と都市機能が調和した札幌の地で、どのような学びが展開されているのか、北海道大学医学部の魅力と特徴を深掘りしていきます。

📌 大学の基本情報・立地

キャンパスとアクセス

北海道大学のメインキャンパスである札幌キャンパスは、JR札幌駅の北口から徒歩圏内という、非常に利便性の高い場所に位置しています。約177万平方メートルにも及ぶ広大な敷地は、東京ドーム約38個分に相当し、都心にありながら豊かな自然環境を誇ります。キャンパス内には、ポプラ並木やイチョウ並木、さらには小川や農場まで広がり、四季折々の美しい景観が訪れる人々を魅了します。この恵まれた環境は、学生が日々の喧騒から離れ、落ち着いて学問に集中するための大きな助けとなるでしょう。

医学部キャンパスは、この広大な札幌キャンパスの北側に位置し、北海道大学病院に隣接しています。講義棟や研究棟、図書館などの施設が機能的に配置されており、学生は移動の負担が少なく、勉学や研究に没頭できる環境が整っています。また、札幌駅周辺には商業施設や飲食店が充実しており、大学生活に必要なものはほとんど揃います。学問に打ち込む傍ら、北海道ならではのグルメや文化、少し足を延せばスキーやスノーボードなどのウィンタースポーツも気軽に楽しむことができ、充実した学生生活を送ることが可能です。大都市の利便性と、北海道の雄大な自然の両方を享受できる立地は、北海道大学ならではの大きな魅力と言えるでしょう。

  • 住所

    • 〒060-8638 札幌市北区北15条西7丁目

  • アクセス

    • JR「札幌」駅下車、北口より徒歩約15分

    • 札幌市営地下鉄南北線「北12条」駅下車、徒歩約6分

    • 札幌市営地下鉄南北線「北18条」駅下車、徒歩約8分

🌟医学部医学科の教育の特徴

北海道大学医学部医学科では、単に知識や技術を習得するだけでなく、豊かな人間性と高い倫理観、そして未知の課題を探求する科学的思考力を備えた医師・医学研究者の育成を目指しています。その教育方針は、明確な理念と体系的なカリキュラムに貫かれています。

教育理念と目的

北海道大学医学部医学科は、以下のような理念と教育目標を掲げています。

理念

世界をリードする先進的医学研究を推進し、高い倫理観と豊かな人間性を有する医学研究者・医療人を育てることにより、人類の健康と福祉に貢献する。

教育目標

広範な医学知識、高い倫理観、豊かな人間性、国際的視野を備え、医学の進歩と医療の実践・発展に寄与する医師・医学研究者を養成する。

これらの理念に基づき、学生が医師・研究者として生涯にわたって成長し続けるための礎を築く教育が展開されています。

各学年の特徴的な教育内容

6年間のカリキュラムは、幅広い教養から高度な専門知識、そして実践的な臨床能力へと、段階的にスムーズに移行できるよう緻密に設計されています。

  • 1年次(医学教養コース):入学後、学生はまず総合教育部にて、他の理系学部の学生と共に幅広い教養科目を履修します。医学という専門分野に進む前に、多様な学問分野に触れ、異なるバックグラウンドを持つ仲間と交流することで、多角的な視点と豊かな人間性を育みます。これは「医学は文系である」とも言われる所以であり、患者と向き合う上で不可欠な幅広い視野と人間関係構築能力の土台を作る重要な期間と位置づけられています。

  • 2年次~3年次前半(基礎医学コース):2年次からは医学専門科目が本格的に始まります。このコースでは、人体の正常な構造と機能を学ぶ解剖学や生理学、生化学、そして病気の発症メカニズムを理解するための病理学、微生物学、薬理学などを学びます。講義と並行して行われる解剖実習や組織学実習などを通して、生命の複雑さと尊厳を深く理解していきます。

  • 3年次後半~4年次(臨床医学コース):基礎医学で得た知識を土台に、内科学や外科学など、各診療科の具体的な疾患について学びます。病態の理解、診断、治療法に至るまで、臨床現場で必要となる知識を体系的に習得します。また、この期間には「医学研究演習」が設けられており、学生は希望する研究室に約3ヶ月間配属されます。最先端の研究に触れ、自ら課題を見つけて探求するプロセスを経験することで、科学的な思考力と研究マインドを涵養します。これは、将来臨床医になる上でも、EBM(根拠に基づく医療)を実践する上で極めて重要な経験となります。

  • 4年次後半~6年次(臨床実習コース):4年次の全国共用試験(CBT、OSCE)に合格すると、いよいよ北海道大学病院や関連医療機関での臨床実習が始まります。学生は「スチューデント・ドクター」として診療チームの一員となり、指導医のもとで実際に患者さんの診療に参加します。少人数グループでの診療参加型実習が中心であり、知識を実践的なスキルへと昇華させていきます。豊富な症例を経験し、医療現場の緊張感やチーム医療の重要性を肌で感じることで、医師としての自覚と責任感を育んでいきます。

このように、北海道大学医学部では、幅広い教養教育から始まり、基礎医学、臨床医学、そして実践的な臨床実習へと至る一貫したカリキュラムが組まれています。特に、早期から研究に触れる機会を設けることで、単なる知識の暗記に留まらず、生涯にわたって自ら学び、課題を探求し続ける姿勢を育むことを重視している点が大きな特徴です。

🏠学生生活・施設環境

部活動

医学部には、医学部生のみが所属する独自の部活動が多数存在し、運動部から文化部まで多岐にわたります。同じ目標を持つ仲間と過ごす時間は、厳しい医学の勉強を進める上での大きな支えとなります。また、総合大学であるため、全学のサークルや部活動に参加することも可能です。学部や学年を超えた交流は、視野を広げ、多様な価値観に触れる貴重な機会となるでしょう。特に北海道という土地柄、スキー部やスノーボードサークルなど、ウィンタースポーツ系の活動が盛んなのも特徴の一つです。多くの部活動では、東日本の医学生が集う「東日本医科学生総合体育大会(東医体)」を大きな目標としており、練習に励んでいます。

大学の周辺環境

キャンパスが位置する札幌市は、人口約190万人の大都市でありながら、豊かな自然に囲まれているのが魅力です。キャンパスから少し足を延せば、大通公園や中島公園など市民の憩いの場が広がり、週末には支笏湖や定山渓温泉など、北海道ならではの大自然を満喫することもできます。また、東京や大阪といった大都市圏に比べて家賃が比較的安価であることも、学生にとっては大きな利点です。新鮮な食材が手に入りやすく、食文化が豊かなことも札幌での生活の楽しみの一つと言えるでしょう。学業に集中できる落ち着いた環境と、アクティブに過ごせる都市機能・自然環境が両立しており、充実したオフタイムを送ることができます。

先輩後輩の関係

医学部の多くの部活動では、縦のつながりが強く、先輩から後輩へと勉強のノウハウや実習・試験対策の情報などが受け継がれていく文化があります。同じ道を歩む先輩からのアドバイスは、膨大な量の知識を学ばなければならない医学生にとって、非常に心強い助けとなります。部活動や学内行事を通じて築かれるこうした人間関係は、卒業後も医師としてのキャリアを歩む上で、大切な財産となるでしょう。

医学に関係した学習環境

北海道大学医学部は、学生の学びをサポートするための施設が非常に充実しています。医学部図書館は、国内外の医学専門書や学術雑誌を豊富に所蔵しており、静かな環境で自習に集中できるスペースも完備されています。また、講義棟や研究棟も整備されており、特に「医系多職種連携教育研究棟」内には、高度なシミュレーターなどを備えたクリニカルシミュレーション機能があり、臨床実習に出る前に実践的な手技を安全にトレーニングすることが可能です。隣接する北海道大学病院は、特定機能病院として最先端の医療を提供しており、臨床実習の場としてこの上ない環境です。これらの充実した施設が、学生の高い学習意欲に応えています。

🩺 在学生・卒業生の声

公式サイトに掲載されているメッセージから、北海道大学医学部での学びの実際を垣間見ることができます。

在学生の声

  • 幅広い学問に触れられる1年間 1年次は総合教育部で、医学に直接関係しない分野も含め、様々な講義を受けることができます。聖書や海洋生物、憲法など、多岐にわたる分野に触れることで、視野が広がり、人間としての幅を広げることができたという声があります。総合大学ならではの環境を存分に活かし、のびのびと成長できる1年間は、その後の専門課程に進む上での大きな土台となっているようです。

  • 仲間と共に成長できる環境 広く美しいキャンパスで、同じ目標を持つ仲間と出会い、共に学び、成長できる環境に魅力を感じている学生が多いようです。特に専門課程が始まると、勉強はより一層大変になりますが、そうした時に支え合える友人の存在が大きな力になっていることがうかがえます。

卒業生の声

  • 世界レベルの研究環境 大学院を修了した卒業生からは、最先端の研究に触れ、将来研究者を目指す上でこの上ない環境であったという声が寄せられています。分野や講座の垣根を越えた情報交換の場も多く、多様な視点から物事を考える力が養われたようです。これまで医学に携わってこなかった人にも門戸が広く開かれており、多様なバックグラウンドを持つ人材が集う活気ある研究環境が魅力として挙げられています。

🌱 どのよう医師を目指す人に向いているか

北海道大学医学部での6年間の学びは、医師として、また一人の人間としての確かな礎を築くための、またとない機会を提供してくれます。これまでの特徴を踏まえ、どのような人に向いているか、また、どのような人には合わない可能性があるかをまとめます。

  • 北海道大学医学部に向いている可能性が高い人

    • 研究マインドを持ち、科学的探求心にあふれる人:カリキュラムに「医学研究演習」が組み込まれていることからもわかるように、研究を重視する風土があります。臨床の現場に出ても、常に疑問を持ち、科学的根拠に基づいて医療を実践したい、あるいは将来的に基礎研究や臨床研究で医学の発展に貢献したいと考えている人には、非常に刺激的な環境です。

    • 幅広い教養と豊かな人間性を育みたい人:1年次に総合教育部でリベラルアーツを学ぶ期間が設けられており、専門性だけでなく、全人教育を重視しています。多様な価値観を理解し、患者さんに寄り添える人間性豊かな医師を目指す人にとって、その土台を築くのに適した環境です。

    • 主体的に学び、行動できる人:広大で自由な校風の中、提供される機会をどう活かすかは学生次第です。自ら課題を見つけ、仲間と協力しながら解決していく主体性が求められます。

    • 北海道の雄大な自然環境で学びたい人:都市の利便性と豊かな自然が両立したユニークな環境です。勉学に励む傍ら、四季折々の自然に触れ、心身ともにバランスの取れた学生生活を送りたい人には魅力的な選択肢でしょう。

  • 別の選択肢を検討した方が良い可能性がある人

    • 早期から臨床手技や臨床知識のみに特化して学びたい人:1年次は教養教育が中心であり、基礎研究にも時間を割くカリキュラムです。入学後すぐにでも臨床漬けの環境に身を置きたいという志向が強い場合、少し回り道に感じられるかもしれません。

    • 小規模でアットホームな指導環境を最優先する人:日本を代表する大規模な大学であり、多くの学生が在籍しています。もちろん臨床実習などは少人数グループで行われますが、教員との密な関係性を何よりも重視する場合は、より小規模な大学の方が肌に合う可能性があります。

    • 都会的な刺激に常に囲まれていたい人:札幌は十分に大きな都市ですが、首都圏ほどの多様な文化やエンターテインメントが集積しているわけではありません。地方都市の落ち着いた環境よりも、常に最先端のトレンドや多様な人々と交流できる刺激的な環境を求める人には、物足りなさを感じる場面もあるかもしれません。

北海道大学医学部医学科は、「科学的探究心」「豊かな人間性」「主体的な学びの姿勢」「自然との調和」といったキーワードに共感する人にとって、理想的な学びの場となるでしょう。一方で、より実践的・臨床的なスキル習得に特化した早期教育や、都市型のライフスタイルを重視する人にとっては、他の選択肢も視野に入れる価値があるかもしれません。ここでの学びは、単なる医師を育てるのではなく、未来の医学・医療をリードする気概と、深い人間理解を兼ね備えた「良医」を育てることを目指していると言えるでしょう。

📚出典