2026 旭川医科大学医学部の特徴

北の大地で地域医療を担う医師を目指す
北海道のほぼ中央に位置する旭川市。雄大な大雪山連峰を望むこの地に、地域医療の砦として重要な役割を担う旭川医科大学はあります。1973年の開学以来、北海道の医療を支える多くの優れた医師や看護職者を育成・輩出してきました。この記事では、豊かな自然環境の中で、地域に根ざし、世界に視野を広げる医師を育てる旭川医科大学医学部の魅力と特徴を、大学公式サイトの情報のみを基に詳しく解説します。
📌 大学の基本情報・立地
キャンパスとアクセス
旭川医科大学は、北海道第2の都市である旭川市にキャンパスを構えています。一つのキャンパスに医学部(医学科・看護学科)、大学院、そして特定機能病院である附属病院が集約されており、学問と臨床が密接に連携した環境が特徴です。
旭川市は、夏は30℃を超える日がある一方、冬は-20℃を下回ることもある寒暖差の大きい内陸性の気候ですが、四季の移ろいがはっきりとしており、美しい自然環境に恵まれています。キャンパス周辺は閑静な住宅街で、落ち着いて学業に専念できる環境です。市内中心部からは少し離れていますが、路線バスが頻繁に運行しており、生活に必要な店舗も周辺に点在するため、日常生活に不便を感じることは少ないでしょう。
また、北海道のほぼ中央という立地から、道内各地へのアクセスも比較的良好です。地域医療を学ぶ上で、道内各地の医療現場に触れる機会が多いことも、この大学ならではの利点と言えます。自然豊かな環境で、北海道の医療に貢献したいという強い意志を持つ学生にとって、非常に魅力的な学習の場です。
住所
〒078-8510 北海道旭川市緑が丘東2条1丁目1番1号
アクセス
バス: JR旭川駅前から旭川電気軌道バスで約30分、「医大病院前」下車
タクシー: JR旭川駅から約20分
飛行機: 旭川空港からふらのバスで約15分、「旭川医科大学」下車
🌟医学部医学科の教育の特徴
旭川医科大学医学部医学科は、北海道の地域医療を支え、国際的にも貢献できる医師の育成を使命として、独自の教育プログラムを展開しています。
教育理念と目的
大学の理念
旭川医科大学は、豊かな自然環境の中で真摯な教育及び研究活動を行い、医学・看護学の発展に尽くすとともに、地域及び国際社会における保健・医療・福祉の向上に貢献する。
医学科の教育理念
旭川医科大学医学部医学科は,豊かな人間性と高い倫理観を備え,高度な知識・技能と幅広い学問的視野を持ち,医学の発展及び保健・医療・福祉の向上を通じて社会に貢献する強い意志を有する医療人及び研究者を育成する。
各学年の特徴的な教育内容
旭川医科大学のカリキュラムは、地域医療への貢献と、自ら課題を発見し解決する能力の育成に重点を置いて構成されています。
1年次: 一般教養科目を中心に、幅広い学問分野に触れ、豊かな人間性の基礎を築きます。同時に、医学・看護学科の合同で行われる「早期体験実習」が始まります。早い段階で医療や福祉の現場を体験することで、医師としての倫理観やプロフェッショナリズムに対する意識を高めることを目的としています。また、「地域医療学」の講義を通じて、北海道が抱える医療の現状と課題について学び、地域医療への関心を深めます。
2年次: 本格的に基礎医学の学習が始まります。解剖学や生理学、生化学など、人体の構造と機能に関する根幹的な知識を学びます。特に、ご献体を用いた解剖実習は、学生一人ひとりが生命の尊厳と向き合い、医師としての責任感を育む重要な機会となります。
3年次: 基礎医学で得た知識を基に、病気の原因やメカニズムを学ぶ臨床医学系の講義が中心となります。薬理学や病理学などを通して、疾患への理解を深めていきます。また、この時期から基礎医学の研究室に配属され、研究活動に触れる「医学研究」が始まり、科学的探究心を養います。
4年次: 臨床医学の各分野について系統的に学ぶとともに、共用試験(CBT、OSCE)に備えます。この試験に合格することで、臨床実習への参加資格が得られます。学内にあるシミュレーションセンターなどを活用し、実践的な手技のトレーニングも行い、臨床現場に出るための準備を整えます。
5年次、6年次: 学生が診療チームの一員として医療に参加する「診療参加型臨床実習(クリニカル・クラークシップ)」が中心となります。大学病院だけでなく、道内各地の地域中核病院や診療所、保健所など、多様な医療現場で実習を行います。これにより、プライマリ・ケアから高度先進医療まで、幅広い医療の現場を体験し、地域における医師の役割を深く理解することができます。希望者は海外の提携大学で臨床実習を行うことも可能です。
このように、旭川医科大学では、低学年次からの体験実習や地域医療教育、そして道内各地の医療機関と連携した実践的な臨床実習を通して、知識や技術だけでなく、医師としての人間性や倫理観を育む教育を一貫して行っています。自ら課題を見つけ、生涯にわたって学び続ける姿勢を身につけるための教育プログラムが大きな強みです。
🏠学生生活・施設環境
部活動
旭川医科大学には、体育系・文化系合わせて多くの学生団体があり、学生の多くが何らかの部活動に所属しています。特に体育会系の部活動は活発で、多くの部が東日本医科学生総合体育大会(東医体)での上位入賞を目指して日々練習に励んでいます。スキー部や山岳部など、北海道の自然を活かした部活動が盛んなのも特徴の一つです。学年や学科を超えた交流の場となっており、厳しい医学の勉強を乗り越える上で、部活動で築かれる縦と横の強いつながりは、学生生活の大きな支えとなります。
大学の周辺環境
キャンパスは旭川市の中心部から少し離れた緑が丘地区にあり、その名の通り緑豊かな落ち着いた環境です。周辺には学生向けのアパートが多く、家賃も比較的安価なため、多くの学生が大学の近くで一人暮らしをしています。徒歩圏内にスーパーマーケットやコンビニエンスストアもあり、日常生活には困りません。冬は厳しい寒さと多くの雪に見舞われますが、その分、スキーやスノーボードといったウィンタースポーツを気軽に楽しむことができるのは、この地ならではの魅力です。
先輩後輩の関係
学生数が比較的少ない単科大学であることや、多くの学生が部活動に所属していることから、先輩・後輩のつながりが非常に強い傾向にあります。学習面では、先輩から試験対策の資料(通称:過去問)を受け継いだり、実習の進め方についてアドバイスをもらったりする文化が根付いています。また、生活面でも、新入生歓迎会などを通じてすぐに打ち解けることができ、アットホームな雰囲気の中で学生生活を送ることができます。この強固な縦のつながりは、卒業後も医師としてのキャリアを歩む上で貴重な財産となります。
医学に関係した学習環境
学内には24時間利用可能な図書館や自習室が完備されており、学生は集中して学習に取り組むことができます。図書館には豊富な医学専門書や学術雑誌が揃っており、オンラインジャーナルへのアクセスも充実しています。また、附属病院がキャンパスに併設されているため、最先端の医療を身近に感じながら学ぶことができます。臨床実習が始まると、この附属病院が主な学びの場となり、指導医のもとで実践的な経験を積んでいきます。地域医療を学ぶための遠隔医療センターなど、特色ある施設も整っています。
🩺 在学生・卒業生の声
※公式サイトで公表されている情報を基に構成しています。
在学生の声
北海道の地域医療に貢献したい 北海道で生まれ育ち、地元の医療に貢献したいという思いから旭川医科大学を志望しました。1年次から地域医療について学ぶ機会があり、将来の目標がより明確になりました。先生方との距離も近く、親身に相談に乗っていただける環境です。(医学科 学生)
部活動と勉強の両立 勉強は大変ですが、部活動の仲間と励まし合いながら乗り越えています。東医体に向けて練習に打ち込む時間は、良いリフレッシュになります。先輩方が試験対策などを手厚くサポートしてくれるので、安心して学業と両立できています。(医学科 学生)
卒業生の声
実践的な臨床実習が力になった 道内各地の病院で行う臨床実習は、非常に貴重な経験でした。大学病院だけでは学べない、地域ごとの医療の特色や課題を肌で感じることができました。この経験が、現在のプライマリ・ケア医としての土台になっています。(卒業生・外科医)
縦のつながりに支えられて 卒業してからも、大学の同級生や先輩・後輩とのつながりは続いています。臨床現場で困ったことがあれば気軽に相談できますし、学会などで顔を合わせることも多く、心強い存在です。旭川医大で得た一番の財産は「人とのつながり」かもしれません。(卒業生・内科医)
🌱 どのよう医師を目指す人に向いているか
旭川医科大学医学部は、その教育理念とカリキュラム、そして立地環境から、特定の目標を持つ学生にとって非常に適した大学である一方、志向によっては合わない可能性も考えられます。
向いている人
地域医療、特に北海道の医療に貢献したい人: 大学全体で地域医療への貢献を理念に掲げており、1年次から道内の医療現状を学び、高学年では道内各地での臨床実習が豊富に用意されています。地域に根ざした医師を目指すための環境が整っています。
豊かな自然環境の中で学びたい人: 大雪山連峰を望む雄大な自然に囲まれたキャンパスは、落ち着いて学業に専念できるだけでなく、スキーや登山など、四季折々のアクティビティを楽しむことができます。
人との強いつながりを大切にしたい人: 学生数が比較的少なく、部活動が盛んであるため、学年や学科を超えた密な人間関係を築きやすい環境です。このつながりは、学生生活だけでなく卒業後も大きな支えとなります。
主体的に学ぶ姿勢を持つ人: 早期からの体験実習や診療参加型臨床実習など、自ら積極的に動くことで学びが深まるプログラムが多く組まれています。受け身ではなく、能動的に学修を進めたい人に向いています。
向いていない可能性がある人
都市部での生活を強く望む人: キャンパスは旭川市の中心部から離れた郊外にあり、東京や大阪のような大都市の刺激的な環境とは異なります。落ち着いた環境が、人によっては物足りなく感じるかもしれません。
基礎研究や最先端の専門分野のみに強い興味がある人: もちろん高いレベルの研究も行われていますが、大学の主眼はあくまで地域医療を担う総合的な臨床医の育成に置かれています。基礎研究者や特定の専門分野のスペシャリストを第一に目指す場合、他の大学の方がより適した環境である可能性も考えられます。
寒さや雪が極端に苦手な人: 旭川の冬は長く、厳しい寒さと多くの積雪があります。ウィンタースポーツを楽しめるという利点もありますが、寒冷地での生活に慣れていない人にとっては、負担に感じる可能性があります。
まとめ 旭川医科大学医学部医学科は、「北海道の地域医療への貢献」「豊かな人間性と倫理観の育成」「主体的な学習態度の涵養」を重視する人に、非常に魅力的な学びの場です。一方で、都会的な環境や、研究に特化したキャリアを強く志向する人には、そのスタイルが合わないかもしれません。ここでの6年間は、単に医師になるための知識や技術を学ぶだけでなく、北の大地で人々の健康を支えるという使命感を胸に、人間的にも大きく成長したいと願う人にとって、かけがえのない時間となるでしょう。
📚出典
旭川医科大学. (n.d.). 理念・目標. https://www.asahikawa-med.ac.jp/guide/about/policy/
旭川医科大学. (n.d.). アクセス. https://www.asahikawa-med.ac.jp/ipc/access.html
旭川医科大学. (n.d.). 学生団体紹介. https://www.asahikawa-med.ac.jp/campus/active/circle/
旭川医科大学医学部. (n.d.). 医学科 カリキュラム. https://www.asahikawa-med.ac.jp/uploads/files/portal/guide/data/education/policy/2022med_cm.pdf
旭川医科大学病院外科. (n.d.). メッセージ. https://www.asahikawa-med.ac.jp/dept/mc/surgery/sdt/message
テレメール. (n.d.). 先輩が旭川医科大学に入学を決めた理由. https://telemail.jp/shingaku/p/shingakusurvey/result.php?code=0002