北里大学医学部合格者インタビュー

2016年北里大学医学部他合格 T.Sさん合格体験談

社会人経験者の感覚“どれだけのコストでどれだけそれに見合ったものを手に入れているのか”

北里大学医学部他合格

―合格おめでとうございます。
まずは、今年の合格校を教えてください。

岩手医科大学の正規合格をいただきまして、北里大学から補欠なのですが合格をいただきました。あとは、1 次合格だと、金沢医科大学と聖マリアンナ医科大学、センター利用で近畿大学、愛知医科大学、獨協医科大学、東海大学、福岡大学、埼玉医科大学。(後に聖マリアンナ医科大学と近畿大学も最終合格)進学先は北里大学です。

―いままでセンター利用でこんなにたくさん合格をとった人いません。本当にすごいですね!T 君の場合は、大学を卒業されてから社会人の経験を経ての再受験でしたね。

早稲田大学を卒業した後に、東京のテレビ番組制作会社でディレクターを3年ほど務めておりました。仕事をしているときに体調を崩したこともあり自分の仕事を振り返る機会があって、一生この仕事を続けていけるのかなと考えたときに、純粋に人の役に立つ仕事がしたいと思うようになりました。そのときに両親と相談した中で医学部を目指してみないかという話があり、挑戦してみようと思いました。
父が医師であり、医師という仕事は身近な仕事でしたが、中学2年生の時からずっとテレビのディレクターになりたいという夢があって、その夢を叶えるために大学を選びました。その頃は、医学部のことはほとんど考えていなかったんです。

―お仕事をお辞めになることを決められて、勉強についてはどのようにしようと思われていたのですか?

自宅で勉強することは考えていませんでした。僕の場合は受験勉強から離れていた期間が長かったことで、何をやればいいのか全くわからなかったため、予備校探しから始めました。大手の予備校さんだったり医学部専門の予備校さんだったり色々なところをホームページなどで見て、たまたまレクサスのホームページを見ていて「あ、良さそうだね!」という話を両親としまして、それで初めて桑原先生にお話を伺いに行きました。そのときは非常に時間をかけて僕の話を聞いていただけましたし、レクサス自体もなんていうんでしょう…「欲」がないというか(笑)。是非うちに入ってください素晴らしいですよ!という印象を受けなかったので、案外こういうところのほうがいいんじゃないかと思いまして。
とにかく、一番最初に先生が非常に僕の話を理解してくれました。僕がどういう状況で、最短コースで医学部に行きたいという話を理解していただけたのが決め手でしたね。僕の場合はもともと文系だったので、数学Ⅲを勉強していませんでした。理科の受験勉強はまるっきり経験がなかったので、ゼロからの受験勉強に近いようなものでした。

―T 君が入ったときの基礎学力テストの成績を見ると、英語はある程度の知識はあったと思いますが、数学は100点満点の14点で、化学と生物は受験不能という状況でした。こういった状況なので、最初にお話したのは数学を強化しようということになりました。もう一度数学Ⅰ、Ⅱ、A、B を教科書で勉強し直すこと、数学Ⅲは個人指導で開講までに習うことを勧めました。それをきちんと実行するのはなかなか大変ですが、T 君の場合は数学Ⅰ、Ⅱ、A、B の教科書を全て自分で復習して、なおかつ数学Ⅲの個人授業も受講していただき、お勧めした通りのことを実行してもらえました。また理科は教科書と薄い問題集を課題として渡しましたが、それも新学期開講までにきちんとこなしてくれました。そのあたりの最初の一歩のところがきちんとできたのが、今の成功にすごく大きな影響があると思います。
新学期の開講直前に実力テストという一番最初のテストがありましたが、その手応えはどうでした?

いや、全く手応えはありませんでした(笑)。ただ、目標としてプレ学習の期間に、標準的な現役生のレベルに到達できればな…という思いがあったので、プレ学習は頑張りました。

―点数を拝見しますと、生物と化学も一通り勉強したという成績になっていますよ!英数についてはやはりまだ成績がとても不安定でしたね。
T君はFコースでの出発でしたが、教材はどうでしたか?

プレ学習の教材で基礎の基礎から学習していたのですが、Fコースの教材も基礎的な問題ばかりだったので、プレから連続した流れで勉強を続けられ、授業が始まって突然難しいテキストになったということはなかったです。

―プレ学習と前期の教材の連続性は大きいですよね。レクサス独特の夜間指導や課題というシステムはどうでしたか?

受験勉強からだいぶ離れていたというのもあって、とにかく何をやっていいのかわかりませんでした。自分でやろうにも全く知識がないですし、とにかくこれをやりなさいというふうに与えられたものをこなすだけでいいと先生はおっしゃっていたので、その日与えられた課題をその日のうちに終わらすことを目標にしていました。それ以外で補助的に自分で何かやろうっていう余裕もなかったですし、方法も浮かばなかったので、他には何も手を出していませんでした。
レクサスはスケジュール体制がしっかりしていて、それに則って勉強できるので無駄がなかったですね。自分で時間を組み立てて勉強するっていうのが一番難しいと思うんですよね、受験勉強って。受験のプロが組んでくれた時間割ですから、それさえやればいいっていうのは安心でしたし、楽でした。

―各教科共に全範囲を1年間で3~4巡しますが、1巡目はどうでしたか?

1巡目は辛かったですね(笑)。とにかく最初は辛かったです。

―それでも毎週の小テストは要求された成績を取り、7月には第2回の実力テストを迎えました。そのときには成績的には上向いてます!1巡目の辛かった分が成績に出ていますよね。
あとは、夏が終わったあとの第3回の実力テストが、第1回・第2 回に比べると難しかったと思います。第1回・第2回は基礎力を見るという実力テストだったのですが、第3回・第4回は実戦力を見るというものになってるため、案の定、実戦力が特に必要な数学の成績が他の教科に比べるとかなり低めに出ています。理科も基礎的な知識だけでは実戦的な問題に対応できなかったりする部分もあり、生物はある程度は用語を覚えていればそこそこの成績は取れますが、化学は実戦的な計算問題などもあったため低めの成績になっています。このあたりでは気持ちの焦りとかはありましたか?

周りのみんなも同じテストを受けていて、同じように「難しいね」っていう話をしていたので、自分だけできないんだという思いはなく、そこで焦っていたということはなかったです。しかし、今までのテストとは毛色が違ったので、本番の入試とか、もう少し難しい問題になってくるとこういうことなんだなっていう導入という意味で受け止めました。

―レクサスの場合、前期と夏に基本を勉強することにより、道具立てをきちんとして、秋以降に勉強した道具を使って実戦的な部分を勉強することにより、実際の試験に対応できるように考えています。9月の実力テストというのは、一種最終目標的なものを示し、最終的にはこれをこなさなければいけないということを伝え、いままでの道具立ての部分だけで満足してしまってはダメですよという警告の意味も入っています。

そのテストを受けて、この部分の基礎がわかっていなかったんだな、ぼんやりとしかわかっていなかったんだなということが、逆にはっきりしたとも言えますね。

―レクサスの友人はどうでしたか?

冬の前くらいまではずっとFコースで、自分より年下の子ばかりで、入る前は結構浮いちゃうんじゃないかなという不安もありましたが、あまりそこは関係なかったというか、心配しすぎだったのかなと思いますね。向こうも普通に接してくれるし、僕も歳とか関係なく普通に友達として接しました。大学に入学したら余計関係ないでしょうね。そういう面では友人ができて、逆に歳とは関係なく一緒に頑張っているというのは互いに支えになりますね。

―なるほど。先生方はどうでした?

みなさん非常に熱心で、僕はこういった予備校経験があまりないので、ここまでしてくれるんだっていうのは最初正直思いました。夜間指導の時間も非常に多くの先生がいらっしゃってどんな内容でも対応してくれたり、非常に初歩的な質問でも嫌な顔せずに話してくれたりして至れり尽くせりで、これは利用しない手はないと思いました(笑)。

―レクサスは先生がたくさんいますし、みなさん親切で熱心ですからね。また、自分に合う先生を見つけてうまく利用していただければ、さらに効果が上がると思います。
T君の場合には不得意という意識を持ってしまう科目はありましたか?

そうですね。やはり数学と化学に関しては後半になるにしたがって点数が伸びにくかったという点で不得意科目だったと思うのですが、どちらも嫌いになっているわけではなくて、好きだけど何かうまくいかないなというのはありましたね。それで、夏の頃かな、数学の先生に、数Ⅲの基礎を学習したのが半年程前で、少し抜けてきているのでどうにかしたいという相談をしましたら、ドリルをいただいて、それを追加でやるかたちで補強しました。

―数学Ⅲが少し弱い人に対して、必要に応じて補充などもしてます。
成績の伸び悩みなどのスランプはありましたか?

成績については、波がなかったと思います。気持ちの面でもスランプというものはなかったです。逆にノリにノッってるみたいな状態もなくて、一定の生活リズムで気持ちもあまり揺れがありませんでした。
登下校時にタイムカードを押すのも「仕事」だなっていうイメージを持っていたので、毎日きちんと9時前に来ようと考え、行動していました。今日も仕事頑張るぞ!くらいの気持ちでした(笑)。

―実際に試験に行き、入試問題を解いてみた手応えはどうでしたか?

やはり手応えがあったなという大学は1次合格してますし、これは確実に失敗しているっていうのは、終わった時点である程度わかってしまいましたね。
それに、どこかひとつでも引っかかればいいっていう思いで1年やっていたので、だから逆に手応えがあった場合でも、あれ?なんかこんなのでいいのかなと、すごく不安になったりしましたけど。

―1年の勉強でそこまでになり、手応えのあるなしがわかるようになったのは大したものですよ!
受験に行って、これは話しておきたいとか、特別な感想はありますか?日程的に忙しかったかな?

僕の場合は、8日連続で試験を受けて、1日空いて4日連続とか、1日空いて3日連続とかって感じで、周りの友達に比べたら相当受験していた方だと思うんですが、そこは仕事だと思ってというか(笑)。ディレクターのときのロケに行っていると思って。仕事のときの方がきつかったですね、この1年より。だから試験日程が続くのは全然大したことなかったです(笑)。まぁ椅子に座っているだけだし、あまり気にはしませんでした(笑)。

―やはり、お仕事を経験した方は違いますね!(笑)

最初先生に相談したときに、連戦だと疲れちゃうんじゃないかと心配されました。でも、やってみて大丈夫でした。

―それはなかなか頼もしいお話をお聞きできました(笑)。
大学の再受験ということを検討されている方にアドバイスはありますか?

確かに、受験したいという気持ちだけではどうにもならないこともあるとは思いますが、とにかくその中でも、再受験生に寛容な大学は多くあるので、挑戦してみる価値はあります。ただし、仕事をしていたということで、やはり現役生よりも色々な誘惑があるわけですから、それをシャットアウトしたり自分を律していけるぐらいに追い込まないと難しいとは思うんですよ。だから、とにかく覚悟をもって耐えるくらいの気持ちで挑まないとダメです。再受験生だからとか社会人経験があるからとか年齢が上だからっていうことで有利になることは全くないですね。だから確実に若い子たちより2倍、3倍は勉強するつもりで受験勉強に挑まないとうまくいかないと思うので、是非相当な覚悟をもって挑戦して欲しいです。

―おっしゃる通りで自分を追い込むということができないと、合格はなかなか厳しいですよね。

そうですね。ただ僕の場合は、仕事をしていたときのほうがよっぽど追い込まれていましたが(笑)。

―面接のときに、試験官から再受験について何か言われました?

半分以上は仕事の話を聞かれて、どうして辞めたのかとか、自分の夢だった職業を辞めているので、医師になってもまた辞めるんじゃないかとか。やはり現役生に比べたらかなり厳しめの質問が多かったのかなとは思います。

―ちなみに、その質問に対してはどう答えたんですか?

そのときは、「もう絶対辞めません!」みたいに言い切ったような気がしますけどね(笑)。何を言ってもどっちにしろ突っ込まれるので、もう質問させないよ!っていうくらいに「絶対、医師になってみせる!」と言い切りました。

―レクサスでの1年を振り返って、どのような感想を持たれていますか?

短いかなと思ったんですけど、結構長かったですね。やはり1日がとても長い。毎日授業後に夜間指導になりますけど、とにかくこなさなければいけない量が僕にとっては非常に多かったんですね、特に最初の時期は。だから効率も最初は悪かったし、うまくやる方法を見つけられていなかったので、それをこなしていかなければいけない前期は、かなり辛かったです。ただ後期は、だんだん自分で要領がつかめてきて、どういうふうに覚えていくと定着するのかがわかってきました。なので、課題量はどんどん増えていくんですけど、ある程度こなしていけるようになったので、気持ち的には少し楽になっていました。

―最初の部分をどう乗り切るかということは、レクサスの1年では大きいですよね。

前期の基礎固めみたいなのがなければ、後期の授業だったり課題についていくことはできないと思います。
僕なんかはまるっきり初めてのことをやっていたわけですが、受験勉強の経験がある人なら、前期は知っていることばかりだと思います。ですから、もうわかっているから大丈夫だよという気持ちで取り組むと、後期でうまくいかないことがあると思います。
「やったんだけど、まぁもう1回やるか!」ぐらいで前期みっちりやるっていうのが一番いいと思います。

―レクサスのイベントには参加されましたか?

はい。『医学部まるごと相談会』に参加しました。これが本当に役に立って…!
大学ごとの個別説明会で、いろいろな話を伺いました。入試担当の先生に直接大学のことを伺っておくことが面接のときに非常に重要だと聞いていたのですが、オープンキャンパスなど回っている時間はないので、『医学部まるごと相談会』で一度にお話を伺えるのがとてもよかったです。

―Tくんは、『医学部まるごと相談会』やセミナーで非常に熱心にメモを取っていた印象がありますね。

ほぼ全ての大学の相談ブースを利用しました。そこでお話聞いてないとどういう大学かっていうのかがわからない。もちろん受験勉強は大切ですし、その時間を削ってまで行かないといけないっていうのはありますけど、ちょっとでも話聞いて雰囲気が分かっていないと、いざ1次を通って2次で面接というときにあたふたするじゃないですか。実際いざ面接って段階になったとき、そのノートが非常に役に立ちましたし、是非みんな参加して欲しいなと思います。

―『医学部まるごと相談会』に参加しておけば、面接で志望動機を聞かれたときも「あのときお話を聞いて…」って言えるからね。
個別ブースでは具体的にどのようなことを聞いてましたか?

僕は再受験生だったので、再受験生に対してどれくらい間口が広いかっていうことは必ず聞いていましたね。それとカリキュラムの特色について、学生生活、家賃の相場、出身地の割合なども聞きました。ある程度パンフレットや(レクサスが出版している)合格読本に載っていることもありますけど、直に話しているとやっぱり載ってないキーワードが出てくるので、それをメモしておけば面接のときに使えるんですよ。あと、数ある医学部の中でずばりその大学としての受験生に対する売りは何ですか?など聞くのもいいです。『医学部まるごと相談会』は面接の材料探しだと思って積極的に参加しましたね。

―ご両親とは受験について色々とお話しされましたか?

僕は中学の頃から医師とは違う夢を目指して勉強していたのですが、いざやっぱり医学部に入りたいっていうことになったときに、両親が非常に応援してくれたのは自分にとってありがたかったですね。とにかく両親のサポートや応援なしでは、この受験自体まず有り得ない話でしたので。

―そうですか。T君でもそうなんだ。

そうですね。きっかけとしては両親からの話が非常に大きかったですね。
やはり再受験という道を考えることすらなかったので、普通はそんな道があるんだっていうことすら知らないんじゃないかと思います。こういう道でやっていくというのもありなのかなというのを気づかせてくれたというのも非常に大きかったですし、もちろん金銭的な意味でも両親の支えなしでは不可能だったので、感謝しています。

―レクサスの後輩に対して何かアドバイスありますか?

僕の場合は、レクサスに入ったとき、授業日数で1年間の学費を割ってみました。日割りの授業料を計算して1日いくらっていうのを出したんですよ。かつ、カレンダーに一番最初の岩手の1次の日から逆算した日数を書き込んでいって、あと何日残ってるっていうのをカレンダーに全部書いてたんですね。1年といったら365日だけど、実際は10ヵ月だから案外書いてみると全然少ないんですよ。残りの日数が100をきって、桁が2桁になったりすると、まずいんじゃないかと自分を追い込んだこともあります。
授業でどれくらいのお金が使われているのかというのを計算することで、今日1日でいくら分の知識を自分に定着させることができてるのかというコスト意識みたいなのは常に持ってましたね。そう考えてみるだけで「やらなきゃまずいよね」と思えるんです。レクサスに来て1日分のお金を集金箱に入れているつもりで、その分知識を持ち帰らないといけないという意識でやるべきなのかなと思います。
残り日数を意識してモチベーションにつなげたり、どれだけのコストでどれだけ自分がそれに見合ったものを手に入れているのか、そういったことを意識しながら日々振り返っていくということが大事だと思います。そういう部分で追い込める材料を自分で作ってる。社会人経験者ならではの感覚かもしれません。

―今、将来どうしたいという希望はありますか?

ちょっとまだ医学の世界がどれくらい奥深いのかってことを知らないので、医学生になって勉強する中で今後どういった道に進みたいのかというのを決めたいと思ってます。

―最後に何かメッセージありますか?

レクサスの先生方は、別に受験生をいじめたいから厳しくしているわけじゃないし(笑)、ストレスを与えたいからという動機でやられているわけではないので、とにかくみんな応援してくれてると思って、そういう素晴らしい環境の中で勉強できるということに感謝しつつ、勉強することがいいのかなと思います。せっかく、これだけの環境を整えてもらっているので、それをフルに利用して、もっとがめつくいってもらいたいですね。

―「がめつく」というのはいい表現ですね。せっかくそれだけのものが用意されているのだから、そこから取れるものは全部取ろうっていう気持ちで取り組めると良いと思います。

そうですね。せっかく先生がいるんだから聞きたいことがあるならきちんと質問しに行くとか、与えられた教材はきちんとこなして、その分の知識を頭の中に詰め込むっていう、がめつい意識は必要ですよね。

―社会人を経験した方ならではのアドバイスですね!それは後輩にしっかりと伝えるようにします。今日はどうもありがとうございました。

ありがとうございました!