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以下の記事は2014年時の記事です。

Vol.14 「インフルエンザウイルス」

インフルエンザウイルスはウイルス粒子内の核蛋白複合体の抗原性の違いから、A・B・Cの3型に分けられ、このうち流行的な広がりを見せるのはA型とB型である。A型とB型のウイルス粒子表面にあるヘマグルチニン(赤血球凝集素、HA:haemagglutinin)とノイラミニダーゼ(NA:neuraminidase)という糖蛋白は変異が大きく、インフルエンザの種類が多い要因となっている。A型インフルエンザウイルスにはHAとNAの変異が特に多く、HAには16の亜型が、NAには9つの亜型があり、亜型の違いはH3N2やH5N9といった略称で表現されている。このように様々な組み合わせでヒト以外にもブタやトリなどの宿主に広く分布しているので、A型インフルエンザウイルスは人と動物の共通感染症としてとらえられる。そして最近では、渡り鳥がインフルエンザウイルスの運び屋として注目を浴びている。B型は遺伝子があまり変化しないので免疫が長続きし、C型は遺伝子がほとんど変化しないので免疫が一生続く。

しかし、A型は同一の亜型内で抗原性を毎年のように変化させるため、巧みにヒトの免疫機構から逃れ流行し続ける。これを連続抗原変異(antigenic drift)または小変異という。いわばマイナーモデルチェンジである。連続抗原変異によりウイルスの抗原性の変化が大きくなれば、A型インフルエンザに感染し、既に免疫がある人でも再び別のA型インフルエンザの感染を受けることになる。その抗原性に差があるほど感染を受けやすく、また発症したときの症状も強くなる。そしてウイルスは生き延びる。

さらにA型は数年から数十年単位で突然別の亜型に取って代わることがある。これを不連続抗原変異(antigenic shift)または大変異という。これは言わばインフルエンザウイルスのフルモデルチェンジで、つまり新型インフルエンザウイルスの登場である。人々は新たに出現したインフルエンザウイルスに対する抗体を持たないため、感染は拡大し地球規模での大流行(パンデミック)となり、インフルエンザウイルスは息をふきかえしてさらに生き延びる。

これまでのところでは、1918年に始まったスペイン型インフルエンザ(H1N1)は39年間続き、1957年からはアジア型インフルエンザ(H2N2)が発生し、その流行は11年続いた。その後1968年に香港型インフルエンザ(H3N2)が現われ、ついで1977年ソ連型インフルエンザ(H1N1)が加わり、小変異を続けながら現在はA型であるH3N2とH1N1、およびB型の3種のインフルエンザウイルスが世界中で共通したヒトの間での流行株となっている。

H5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザは、1997年の香港で家禽における発生において、初めてヒトに感染した(死亡6例を含む18例のヒトにおける患者)。このときは香港中の家禽約15万羽の淘汰により一旦収束したが、この後、2003年末から東南アジアでの家禽における発生とヒトへの感染事例が相次ぎ、感染地域の地理的な広がりとともに、ヒトにおける感染報告例も増加している。

すなわち、現在、A/H5N1亜型の鳥インフルエンザウイルスは南北アメリカを除くすべての世界の地域ですでに定着しており、持続的に野鳥や家禽の間で流行を起こし、それらが時折ヒトに感染しているという状況となっている。