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以下の記事は2014年時の記事です。

Vol.02 「再生医療研究と幹細胞」

再生医療とは、傷ついたり、機能を損なったりした臓器や組織に、体外で培養した細胞等を移植し、その損傷した組織や臓器の機能の復元を目指すもので、iPS細胞が樹立される以前からその研究が進められていた。

現在、再生医療の実現に向け研究されている主な幹細胞としては、体性幹細胞、胚性幹細胞(ES細胞)、iPS細胞がある。

  体性幹細胞 ES細胞
(胚性幹細胞)
体細胞由来ES細胞 iPS細胞
(人工多能性幹細胞)
由来 体細胞 受精卵 卵子と体細胞核 体細胞
生命倫理問題 なし あり (あり) なし
拒絶反応 自己細胞:なし
他家細胞:あり
あり なし 自己細胞:なし
他家細胞:あり
医療応用上の課題 自己複製機能と
分化能の維持
腫瘍化の可能性 腫瘍化の可能性 腫瘍化の可能性

体性幹細胞は、生物の体にもともと備わっており、自己の細胞を用いて組織を再生した場合には倫理的な問題や拒絶反応の心配もないことから、細胞移植における重要な細胞供給源として期待される。だが一方で、体性幹細胞を生体外で増殖させる際、自己複製能と分化能をいかにして維持するのかという点が研究の大きな課題になっている。

ES細胞及びiPS細胞は、生体外にて、理論上全ての組織に分化する分化多能性を保ちつつ、ほぼ無限に増殖させることができるため、再生医療への応用に注目されている。

ヒトES細胞は、不妊治療で使われずに破棄される受精卵や胚を用いて作製するため、子宮に戻せばいずれヒトになり得る受精卵や胚を壊さなければつくれない、という生命倫理的な問題が生じる。また、受精卵の遺伝情報を受け継いでいるため、移植される患者の免疫反応により拒絶反応を引き起こす場合がある。

ただしこの点については、2013年5月に、体細胞核移植技術を用いて作製したヒトクローン胚からES細胞を作ることに成功したとの報告もあり、再生医療への応用の可能性が模索されている。

このES細胞が抱える大きな障壁を一挙に飛び越え、再生医療実現への道を切り拓いたのがiPS細胞である。iPS細胞は、血液や皮膚などの体細胞を用いるので受精卵や胚は使用せず、この点についての生命倫理上の問題はない。更に自己細胞を用いて作製すれば拒絶反応の心配はないと考えられる。

一方で、iPS細胞、ES細胞に共通して存在する課題として、移植する細胞・組織の中に、分化し損なった細胞が残存している場合に、腫瘍を形成するリスクがあり、現在、このリスクを低減させるための研究も進められているところである。