有機化学のオキテ5

掟5. メタンとハロゲンを光照射下で反応させるとラジカルが生じ連鎖反応が起こることを知っておくべし。

問題

  • 問1. 次の(a)~(e)の炭化水素についての記述について,正しいものには○を,誤っているものには×を記せ。
    • (a)飽和炭化水素は,化学反応性がまったくない。
    • (b)一般式がCnH2nで表される炭化水素は,すべて二重結合をもつ。
    • (c)一般式がCnH2n-2で表される,三重結合を1個もつ炭化水素をアルケンという。
    • (d)アセチレンに塩素を作用させると塩化ビニルが得られる。
    • (e)アルカンから水素原子1個を除いた炭化水素基をアルキル基という。
  • 問2. 次の反応式(Ⅰ)と(ⅰ)~(ⅲ)を参考にして,下記の(a)~(d)の問に答えよ。 有機化合物の炭素・水素の元素分析
    • (a)(Ⅰ)の反応を何反応というか。
    • (b)(ⅰ)の反応の起こる条件は何か。
    • (c)(ⅰ)と(ⅱ)の反応の下線の反応生成物を何というか。
    • (d)(ⅱ)と(ⅲ)の反応式は交互にくり返される。このような反応を何というか。
<岩手医科大学医学部>

解答と解説

<解答>

  • 問1. (a)×  (b)×  (c)×  (d)×  (e)○
  • 問2. (a)置換反応 (b)光照射 (c)ラジカル (d)連鎖反応

<解説>

問1.

  • (a)飽和炭化水素の反応性は低いが,光照射下でハロゲンと置換反応を起こす。
  • (b)アルケンの場合は二重結合をもつが,同じ分子式で表されるシクロアルカンの場合は二重結合をもたない。
  • (c)三重結合を1個持つ炭化水素はアルキンである。
  • (d)アセチレンに塩素を作用させると1,2-ジクロロエチレンが得られる。

問2. メタンは光照射下でハロゲンと反応させると置換反応を起こす。このときにはCl・やCH3・のような不対電子をもつラジカルという反応性の高い物質が次々と生じて反応が進行する。このような反応は連鎖反応と呼ばれている。

<補足>

メタンは酢酸ナトリウムをNaOHまたはソーダ石灰と混ぜて加熱すると得られる。

CH3COONa+NaOH → CH4↑+Na2CO3

掟5. メタンとハロゲンを光照射下で反応させるとラジカルが生じ連鎖反応が起こることを知っておくべし。