有機化学のオキテ6

掟6. CnH2nはアルケンやシクロアルカンを表す。C4H8のような基本的なものは全ての構造式をすぐに書けるようにしておくべし。

問題

C4H8の分子式で示される鎖式炭化水素にはA、B、CおよびDの4種類の異性体が存在する。化合物Aを臭化水素と反応させると化合物E、FおよびGが生成した。化合物BおよびCを同時に臭化水素と反応させるとEおよびFが生成した。化合物EとFは、沸点や密度などは同じであるが、平面偏光に対する性質のみが異なっていた。

  • 問1. 化合物AとDを構造式で示せ。
  • 問2. 化合物BとCとはどのような関係にあるか。
  • 問3. 化合物EとFとはどのような関係にあるか。
  • 問4. 化合物Gの名称を記せ。
<東邦大学医学部>

解答と解説

<解答>

  • 問1. 下図 3-2解答1
  • 問2. 幾何異性体
  • 問3. 幾何異性体
  • 問4. 1-ブロモブタン

<解説>

C4H8で考えられる分子構造はアルケンとシクロアルカンがあり次の6種類である。

3-2解説1

問題文に鎖式炭化水素とあるので4種のアルケンの異性体をA、B、C、Dとして考えればよい。問題文中に、E、Fは沸点や密度などは同じであるが平面偏光に対する性質のみが異なるとあるので、E、Fは光学異性体の関係にあることがわかる。E、FはA、B、Cに臭化水素を付加させた化合物であるので、反応後にA、B、Cの炭素骨格は同じ形でなければならない。またAからは臭化水素付加後にE、Fとは別にGができなければならないので、次のようにA、B、C、Dの分子構造が決定される。

3-2解説2

掟6. CnH2nはアルケンやシクロアルカンを表す。C4H8のような基本的なものは全ての構造式をすぐに書けるようにしておくべし。