有機化学のオキテ4
掟4. アルカンの構造異性体では枝分かれの多い球に近い構造の沸点が低くなることを知っておくべし。
問題
次の飽和炭化水素に関する(1)と(2)の文を読み,以下の設問に答えなさい。
- (1)一般式CnH2n+2で表される飽和炭化水素は((ア))系炭化水素ともよばれる。このような一つの一般式で表され,分子式がCH2ずつ異なる一群の化合物を((イ))体という。
- (2)飽和炭化水素が沸騰するときには,(A)分子間に働く相互作用が切断される必要がある。したがって,表面積の大きな分子ほど沸点は((ウ))なる。また,同じ炭素数のものでは,枝分かれが((エ))方が分子の形が((オ))に近くなり,表面積が((カ))なるので沸点は低くなる。
-
問1.((ア))~((カ))に最適の語句を,下記の語群から選び,記号で答えなさい。
語 群 a. メチレン b. メチル c. メタン d. エチレン e. 高く f. 低く g. 大きく h. 小さく i. 多い j. 少ない k. 同位 l. 同素 m. 同族 n. 直線 o. 平面 p. 球 - 問2. 下線(A)のような力を何というか。
- 問3. n=5で表される飽和炭化水素の中で,沸点が最も低いと考えられる化合物の構造式を,例にならって書きなさい。
解答と解説
<解答>
- 問1. (ア)c (イ)m (ウ)e (エ)i (オ)p (カ)h
- 問2. 分子間力
- 問3. 下図
<解説>
- 問1. 分子は形状が球に近くなるほど表面積が小さくなる。枝分かれが多い分子は球に近くなり表面積が小さくなるので,分子間に働く相互作用が小さくなり沸点は低くなる。
- 問2. ファンデルワールス力という解答も可能。
- 問3. 問1で考えた枝分かれが一番多い構造を考える。
<補足>
C5H12の構造異性体と沸点は次のようになる。
掟4. アルカンの構造異性体では枝分かれの多い球に近い構造の沸点が低くなることを知っておくべし。