医学部定員の推移
最近約50年の18歳人口と医学部定員の推移は、次のとおりです。
年度 | 18歳人口(A) | 入学定員(B) | 医学部に入る割合(A/B) | 私立医学部入学定員(C) | 私立医学部に入る割合(A/C) |
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1969年 | 213万人 | 4,040人 | 527人に1人 | - | - |
1981年 | 188万人 | 8,280人 | 227人に1人 | - | - |
2007年 | 130万人 | 7,625人 | 170人に1人 | 2,880人 | 451人に1人 |
2014年 | 118万 | 9,069人 | 130人に1人 | 3,318人 | 356人に1人 |
1970年代、国公私立合わせて33の医学部(防衛医大を除く)が新設された結果、医学部の門戸は一気に広がったが、その後「医療亡国論」によってむしろ定員は削減される方向に向かった。
だが近年の「医師不足」「地域医療崩壊」を解消するため2008年以降少しずつ増加し、2007年に7,625名だったものが、2017年度には9,420名に達した。
とくに東北医科薬科大学と国際医療福祉大学の新設が相次いだ2016年・2017年は、ともに100名を超える増加となった。
厳しさをを増した医学部受験
上記の推移だけを見ると、医学部は年々易しくなっているかのように見える。
だがしかし、31大学の一般入試(前後期日程含む)の一次試験日程は、26日間にわたっている。
だから受けようと思えば体力さえ続けば、
1. 26大学の1次試験を受けることも不可能ではない
その結果どういうことになるかといえば、どの大学を受ける層も似たようなものとなり、
2. 大学が、学力によってランク付けされにくくなった
という事態が生じた。そして、
3. 滑り止めが消失した
すると、滑り止めがないからなおさら、たくさん受けなければならない。(1に戻る。以下循環)
一大学当たりの受験生は、こうして増えた。
また、平成不況とマスコミ不信が、若者の視線の行先を、メーカーや金融やマスコミから医師へと転換させた。
そのため例えば「東大入試常連校」の矛先が、国公立医学部はおろか私立医学部へも向かった。
かようにして医学部受験生の、ここ10年むしろ厳しさをを増した「茨の道」は、深まるばかりなのである。