有機化学のオキテ44

有機化学のオキテ44

掟44. 基本的なアミノ酸は名称を与えられたら構造式を書けるようにしておくべし。

<28-5>問題

α-アミノ酸は、α位の炭素(α炭素)に((1))と((2))をもつカルボン酸であり、天然には約20種類存在し、グリシン以外はα位の炭素が不斉炭素原子となり、((3))が存在する。天然アミノ酸のうち、生体内で合成できないアミノ酸のことを((4))といい、ヒトでは8種類が知られている。α-アミノ酸は酸とも塩基とも反応する両性物質で、結晶中では((5))イオンとなっているが、酸性溶液では((6))が結合して((7))イオンになり、塩基性溶液では((6))がとれて((8))イオンとなる。この時、電気的に中性となるpHをa等電点といい、各アミノ酸で異なる。また、アミノ酸は側鎖Rにより分類され、側鎖に((1))をもつ((9))アミノ酸、((2))をもつ((10))アミノ酸、両方もたないb中性アミノ酸がある。
多数のアミノ酸が((1))と((2))との間で((11))するとアミド結合もしくは((12))結合により((13))が生成する。タンパク質は((13))が基本となっているが、タンパク質分子同士は((12))結合の部分で多数の((14))結合を形成しており、この((14))結合によって((15))構造をとっている。タンパク質は((16))したり,酸や塩基などを加えると性質が変化してもとに戻らなくなる。これをタンパク質の((17))といい,分子内や分子間の((14))結合が変化することも原因の1つである。タンパク質にはアミノ酸のみからなる((18))とアミノ酸以外に糖や金属イオンなどの要素を含む((19))がある。また,生体内における化学反応の触媒として働くタンパク質は((20))と呼ばれ,無機触媒と異なり,特定の反応しか触媒しない。これを((21))という。((20))は最適な((22))と((23))で最も大きな活性をもつため,これらの条件を変えると全く活性を示さなくなることがある。
タンパク質を水酸化ナトリウム水溶液と加熱し,さらに硫酸銅(Ⅱ)水溶液を加えると((24))色になる。これは((25))反応と呼ばれ,((12))結合を2つ以上含むタンパク質が示す反応である。また,タンパク質に濃硝酸を加えて加熱すると((26))色になり,さらにアンモニア水または((27))を加えて橙色となる反応は((28))反応と呼ばれ,タンパク質の構成アミノ酸に((29))が含まれているときに起こる。この反応は、((29))が((30))されることに基づく反応である。

  • 問1.((1))~((30))に適当な語句を入れなさい。
  • 問2. グリシンは水溶液中で次のような電離平衡を形成している。 ①の電離定数K1=10-2.4、②の電離定数K2=10-9.6としたとき、グリシンのa等電点はいくつか。
  • 問3. 次のアミノ酸のうち、b中性アミノ酸はどれか。
    グルタミン酸、リシン、フェニルアラニン
<昭和大学医学部>

<27-3>解答と解説

<解答>

  • 問1. (1)カルボキシ基 (2)アミノ基 ※(1)(2)が逆なら(9)(10)も逆(3)光学異性体 (4)必須アミノ酸
      (5)双性 (6)水素イオン(7)陽 (8)陰 (9)酸性 (10)塩基性 ※(9)(10)が逆なら(1)(2)も逆
      (11)縮合重合 (12)ペプチド (13)ポリペプチド (14)水素(15)立体(高次) (16)加熱 (17)変性
      (18)単純タンパク質 (19)複合タンパク質 (20)酵素 (21)基質特異性(22)温度
      (23)水素イオン濃度(pH) ※(22)(23)順不同 (24)赤紫 (25)ビウレット (26)黄
      (27)水酸化ナトリウム水溶液 (28)キサントプロテイン (29)ベンゼン環 (30)ニトロ化
  • 問2. 6.0
  • 問3. フェニルアラニン

<解説>

  • 問1. α-アミノ酸はα位の炭素(α炭素、カルボキシ基が結合している炭素)にカルボキシ基の他にアミノ基も結合しているアミノ酸である。(つまり同一の炭素にカルボキシ基とアミノ基の両方が結合している。)グリシン以外のアミノ酸はα位の炭素が不斉炭素原子となり光学異性体が存在する。(D型、L型、天然タンパク質のアミノ酸はL型)天然アミノ酸のうち、生体内で合成できないアミノ酸を必須アミノ酸という。アミノ酸は結晶中では双性イオンとなっているが、酸性溶液中では水素イオンが結合して陽イオンとなり、塩基性溶液中では水素イオンがとれて陰イオンとなる。またアミノ酸は側鎖Rにより分類され、カルボキシ基をR中にもつ酸性アミノ酸、アミノ基をR中にもつ塩基性アミノ酸、両方共にもたない中性アミノ酸がある。
    多数のアミノ酸が縮合重合するとアミド結合もしくはペプチド結合によりポリペプチドが生成する。タンパク質分子どうしはペプチド結合の部分で多数の水素結合を形成しており、この水素結合によって立体構造をとっている。タンパク質は加熱したり、酸・塩基などを加えると変性するが、これは分子内や分子間の水素結合が変化することも原因の1つである。タンパク質にはアミノ酸のみからなる単純タンパク質とアミノ酸以外に糖や金属イオンを含む複合タンパク質がある。また生体内における化学反応の触媒として働くタンパク質は酵素と呼ばれ、基質特異性をもち、最適温度、最適pHが決まっている。
    タンパク質を水酸化ナトリウム水溶液と加熱し、さらに硫酸銅(Ⅱ)水溶液を加えると赤紫色になる。これはビウレット反応と呼ばれ、ペプチド結合を2つ以上含むタンパク質が示す反応である。またタンパク質に濃硝酸を加えて加熱すると黄色になり、さらにアンモニア水または水酸化ナトリウム水溶液を加えて橙(黄)色となる反応はキサントプロテイン反応と呼ばれ、タンパク質の構成アミノ酸にベンゼン環が含まれているときに起こる。この反応はベンゼン環がニトロ化されることに基づく反応である。
  • 問2. 下図
  • 問3. 下図

<補足>

などもそれぞれ構造が書けるようにしておくこと。

掟44. 基本的なアミノ酸は名称を与えられたら構造式を書けるようにしておくべし。