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以下の記事は2015年時の記事です。
Vol.03 「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」
受精卵を使うES細胞と違って、人の体細胞を使って万能細胞を作ろうという試みである。人の皮膚や血液に複数の遺伝子因子を入れてES細胞と同様の分化増殖機能を持つ万能細胞を作るのである。自分の細胞から分化させた臓器や生体組織であるから、ほとんど拒絶反応を起こさないで生着するといわれている。よって免疫反応の機能を損ねずに、通常の日常生活が営める利点がある。しかし遺伝因子の中の1つは癌化させる危険性を持っているといわれている。しかし現在この課題は解決されたとの報告も上がってきているという。とにかく200種類以上ある体の細胞を作製できるこの細胞に期待したい。しかも成体となる可能性のある受精卵を破壊することなく作製できるため倫理面での問題をクリアできるといわれている。ここで押さえておきたいのは、再生医学や移植医療への貢献度の高さである。臓器移植でもレシピエント(臓器需要者)数に比してドナー(臓器提供者)数が絶対的に不足している現状がある。【心停止後臓器提供】を無暗に推し進める訳にもいくまい。iPS細胞の研究の進歩と発展に心から期待する以外には今のところ手立てが無い。
ところがiPS細胞もまたES細胞と同様に【クローン胚】へのアプローチには厳重な規制が敷かれている。創薬の面でも再生医療の面からも良いこと尽くめではあるが、やはりヒト・クローン胚による万能細胞作製にはまだまだ多くの問題点と不安な要素が山積しているということである。しかし、野菜や穀物などの品種改良などへの応用には既にアプローチされ始めていて、これからも天候異常などによる食糧難危機などを乗り切る対策に利用されるであろう。
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