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以下の記事は2016年時の記事です。
Vol.16 「中東呼吸器症候群(MERS)」
MERS(Middle East Respiratory Syndrome:中東呼吸器症候群)は、2012年に中東への渡航歴がある症例から発見された新種のコロナウイルスによる感染症である。2015年には韓国で、死亡した人を含め多数の感染者が出たり、感染した可能性のため、一万人以上の人たちが一時的に隔離され、大きなニュースとなった。
感染すると2~15日の潜伏期を経て、重症の肺炎、下痢、腎障害等を引き起こす。感染者は50歳代前後で多く、60歳以上での致死率は高い。死亡例のほとんどは糖尿病や心肺疾患などの他の慢性疾患を患っていた。このウイルスに対抗するための特別な治療薬やワクチンは無く、集中治療室管理などの対症療法となる。
ヒトからヒトへの感染は限定的で、家族や病院での濃厚接触による感染報告はあるものの、市中において肺炎患者から肺炎患者を連続的に生じさせるような「持続的なヒトからヒトへの感染」は起こっていない。今のところ地域流行に留まっていると言えるが、ウイルスが検出されたにもかかわらず全く症状を示さない不顕性感染も報告されており、病原体の広がりは定かでない。
- コロナウイルス
- コロナウイルス(coronavirus)は、哺乳類・鳥類にさまざまな疾患を引き起こす一本鎖RNAウイルス。表面に花弁状の突起があり、太陽のコロナのように見えることから名付けられた。
- 飛沫感染や接触感染で伝播し、通常は軽度から中等度の呼吸器症状を起こすが、SARSコロナウイルスのように重症化するものもある。
- SARS
- SARS(Severe Acute Respiratory Syndrome:重症急性呼吸器症候群)は、中国広東省で最初の症例が起こったとされる新型コロナウイルスの「SARSコロナウイルス」が原因の感染症。2003年に世界中で大きな問題となった。
- 2003年7月に制圧宣言が出されるまでの間に8,069人が感染し、775人が死亡した。
2018年度版 / 2017年度版 / 2016年度版 / 2015年度版
- Vol.18:
- SFTS 重症熱性血小板減少症候群
- Vol.17:
- ノロウイルスによる感染性胃腸炎
- Vol.16:
- 中東呼吸器症候群(MERS)
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- 生体移植
- Vol.14:
- 心停止後臓器摘出
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- 脳死
- Vol.12:
- 臓器移植
- Vol.11:
- ターミナル・ケアとホスピス
- Vol.10:
- 延命措置(延命治療とも)
- Vol.09:
- 安楽死
- Vol.08:
- 尊厳死
- Vol.07:
- 優生思想
- Vol.06:
- 遺伝子診断
- Vol.05:
- 出生前診断(これを「しゅっしょうまえしんだん」と読もうが「しゅっせいぜんしんだん」と読もうが構わない)
- Vol.04:
- 代理出産
- Vol.03:
- iPS 細胞(人工多能性幹細胞)
- Vol.02:
- ES 細胞(胚性幹細胞)
- Vol.01:
- 再生医療