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以下の記事は2016年時の記事です。
Vol.11 「ターミナル・ケアとホスピス」
終末期を迎えた患者が延命措置を望まず、安楽死も望まない意思を表明していた場合はどのような医療的措置を施せるだろうか。既に治療の段階ではない患者をいかに幸せに死に導くかが最重要課題となっているときの医療である。
【ターミナル・ケア=終末期医療】とは、終末期患者のQOLを尊重して、無理な延命治療をせず、緩和医療を中心にした医療のこと。特に癌患者やHIV患者などに対する医療のことを言う。延命を目的にするものではなく、身体的あるいは精神的な苦痛を軽減する処置を施すことで、QOLを向上させることに主眼が置かれる。即ち【緩和医療=ペインコントロール】などの医療処置に加え、精神的な面でのフォローも重視して総合的な措置がとられている。一言でその目的を言うと、「末期患者の残りの人生を、より豊かで満足の得られるような環境づくりを目指すこと」である。
【緩和医療】とは、生命を脅かす疾患による問題に直面する患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的、心理的、社会的な問題を早期に発見し、的確な評価と処置を行うことによって、苦痛を予防したり和らげることでQOLを改善する行為である(WHO2002年)。これは人生の最期を患者や家族が幸福感や満足感を充足できるように援助する行為である。
【ホスピス】とは、癌やエイズなどの末期患者の身体的苦痛を軽減し(【緩和医療】)、残された時間を充実して生きることを可能とさせると共に心静かに死に臨みうるように幅広い介護に努めるための活動や施設。マザーテレサの活動を聞き知っているだろうが、マザーテレサは終末期患者に対する心の平安を期待しその具体的な場所として「死を待つ人の家」を建てて末期患者を収容した。この例がホスピスケアの実際だと考えられる。即ち、ホスピスは、ターミナル・ケアを施すことを理念とした行為や施設全体を指す医療措置である。
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