正規合格と補欠合格、繰り上げ合格

繰り上げ合格の連絡

繰り上げ合格の連絡はまず、繰り上げ合格であるという電話があり、受験生の入学の意志を確認後、書類が届くというケースが多いようです。電報で連絡があるというケースもあります。電話は出願の際に登録した電話番号にかかってくるようです。番号非通知の電話からかかってくることもありますので、この時期は電話の着信に気を配ってください。

連絡の時期については、大学にもよりますが合格発表(正規合格者発表)の直後から3月下旬まで、特に国公立大学の合格発表のある3月中旬以降に連絡が多くなるようです。4月上旬、入学式の前日に連絡が来たという報告もありますので、希望を捨てないようにしてください。

なお、補欠順位を公表している大学と公表していない大学があります。補欠順位とは、入学試験の成績をもとに、大学が成績順に順位をつけて発表することです。補欠順位を公表している大学(2015年度)は、杏林大学、東京慈恵会医科大学、東京女子医科大学、日本医科大学などです。

金沢医科大学や川崎医科大学のように繰り上げ合格状況に関する問い合わせには一切応じない、としている大学もあります。

正規合格と補欠合格、繰り上げ合格

正規合格補欠合格、そして繰り上げ合格。この3つの「合格」の違いを説明しましょう。

まずは正規合格。これは文字通りの「正規」合格であり、この正規合格を勝ち取った時点でその大学・医学部への入学資格があります。入学定員と同数の正規合格者を発表する大学もあれば、入学辞退者が出ることを見込んで入学定員よりも多い正規合格者を発表する大学もあります。また、正規合格した場合は無条件で特待扱い(学費の一部免除等)となるケースもあります。

次に補欠合格。単に「補欠」と呼ばれたりもしますが、この補欠合格者になったとしてもこの時点では入学資格はありません。正規合格者から入学辞退者が出た場合、補欠合格者の中から順次入学資格が与えられます。補欠合格者の発表は、正規合格発表と同時に行われることがほとんどです。

この補欠合格者の中から新たに入学資格を与えられた受験生のことを繰り上げ合格者と呼んでいます。繰り上げ合格者数が正規合格者数を上回ることも珍しくありません。

補欠合格とは

私立医学部受験では、国公立大学を受験している受験生もいれば、他の私立医学部を併願している受験生もいます。彼らが複数の医学部に合格していた場合、当然進学する医学部をひとつ選ばなければいけません。この結果生じた欠員を補うものが補欠合格者であり、補欠合格者のなかから追加で合格となるのが繰り上げ合格者なのです。

2015年度の東京慈恵会医科大学を例に取り上げてみましょう(下表参照)。入学定員は110名ですが、正規合格者は入学定員の50%増の165名でした。正規合格者の中から他の大学に進学するために入学を辞退するであろう数を見込んで多めに正規合格としているのです。

正規合格発表と同時に補欠合格者も発表していますが、こちらは218名。そのうち繰り上げ合格者数は102名。補欠合格であっても繰り上げ合格とならなかった補欠合格者は116名です。

165名が正規合格しているにもかかわらずさらに102名を繰り上げ合格としたということは、正規合格した165名のうちのかなりの受験生が入学を辞退し、さらに繰り上げ合格者の中にも入学を辞退した受験生がいる、ということになります。

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