医学部入試のQ&A
Question.01
医学部入試の倍率ってどのくらい?
Answer.01
一般選抜の合格者倍率(受験者数÷最終合格者数)は、だいたい5~15倍。
◇ 補足 ◇
後期試験や順天堂大B方式、兵庫医大一般選抜Bは募集人数が少ないため極端に高い倍率となる。また、帝京大と東海大の倍率が比較的高く見えるが、実際そこまで高くはない。例えば帝京は3回の試験を実施しており、複数回の受験が認められている。仮に1人の受験生が3回の試験を受けた場合、3人の受験者とカウントされる。そして、もっとも出来が良い試験で合否が判定され、合格した場合は1人の合格者、2人の不合格者とカウントされる。このように見かけ上高い倍率に心を乱されず平常心で戦ってほしい。なお。
東海大、獨協医大、金沢医大も2回の試験を帝京同様のシステムで実施する。
一般選抜 倍率ランキング
レクサス調べ(2024年度データ)
Question.02
最終?正規?繰上げ合格って何?
Answer.02
正規合格者と繰上げ合格者を総称して最終合格者(合格者)と呼ぶ。
◇ 補足 ◇
医学部入試において、1回の合格発表で入学者全員が確定することは減多にない。合格者の全員がそのまま入学を希望するわけではないからだ。通常は欠員が出て、複数回に分けて線上げの合格者が発表される。多くの大学は、繰上げ合格の可能性が高い受験者を「補欠者」として発表する。
医学部入試では、合格発表日当日の発表時間に「合格」と判定された者を「正規合格者」と呼ぶ慣例がある。どこの誰が考えた言葉なのかは不明だが、全くセンスのない言葉である。正規?繰上げで合格した者だって正規の合格者である。繰上げ合格者は「非正規」「不正規」の合格者とでも言いたいのだろうか?まるで裏口入学者であるかのような言い回しで、実に無礼である。なお、本番で登場する「二次試験合格者」は、「正規合格者」と同義である。
ちなみに、医学部入試では二次試験合格者より繰上げ合格者の方が多い大学もあり、毎年4月に入るまで自身の合格を信じて、繰上げ合格の知らせを待ち続ける受験生は少なくない。
【注意】
・「繰上げ合格者」は、「補欠合格者」や「追加合格者」とも呼ばれるが、東京医科大学では、この3つの表現に明確な区別がある。
・大阪医科薬科大の繰上げ合格の仕組みは独特で、一次試験不合格者から繰上げ合格候補者を選出して、繰上げ合格者を決めるための二次試験を3月に別途実施する。
Question.03
一次試験合格の秘訣は?
Question.03
英語と化学を得意になれ!
◇ 補足 ◇
得意な者でもケアレスミスで大量失点する危険性のある科目は、1位:数学 2位:物理 3位:生物 4位:化学 5位:英語 である。
私大医学部の入試は、とにかく制限時間が厳しい。時間がない事への焦りと本番の緊張とが相まって、数学のように高度な判断力を要する科目には、計算ミスや読み間違いによる大量失点の危険性が付きまとう。一方で英語や化学は、一度得意になってしまえば安定して高得点が狙える性質をもつ。好き嫌いを言わず、粛々と英語、化学の勉強を続ければ、入試では優位に立てる。英語、化学を得意とする者は、数学や物理、生物で高得点を取ろうと気負わずに自分の解ける問題だけをじっくり解けばよい。結果的に、この姿勢が正常な思考を促し、数学、物理、生物の高得点に繋がるのだ。
Question.04
面接対策は何をすれば?
Answer.04
意欲と誠実さを伝える練習をせよ。
◇ 補足 ◇
医学部は医師を育てる教育機関である。良医を目指して努力できなさそうな者の入学を認める訳がない。面接試験は、入学後6年間の勉強を乗り越えて、医師国家試験に合格できそうな人物であるかの確認のために実施される。
【面接での心得】
・医師になることへの情熱をアピールする。
・質問をよく聞いて、一生懸命考えて答える。緊張していても、口下手でもOK。とにかく一生懸命!
・もし答えが分からない時は、ごまかそうとせず正直に伝える。誠実さを見る試験であることをお忘れなく!
【面接練習の準備】
・自分の気持ちを整理する。
→ 医師志望理由、理想の医師像を固める。
・受験大学が求める人材を知る。
→ アドミッションポリシーで確認。
・受験大学がどのような医師を育てようとしているのかを知る
→ カリキュラムポリシー、ディプロマポリシーで確認。
【面接練習】
・なぜ医師になりたいのかを説明する練習
・本学志望理由を説明する練習
→理想の医師像と、大学が育てようとしている医師像が合致していることを説明するとよい。
・自己PR の練習
→自身の長所のうち、大学が求める人材に合致しているところをPRするとよい。
※注意
面接のために医学知識を身につける必要はない。医学知識は医学部進学後に学ぶものである。ただし、医師を目指す者の常識として「SOL」「QOL」「インフォームドコンセント」「地域医療」「チーム医療」の意味は知っておく必要がある。