東京科学大学 医学部医学科 二次試験の傾向と対策【2026年度版】
東京科学大学(Science Tokyo)医学部医学科の二次試験は、「思考力」「記述力」「論理性」を極限まで問う難問揃いです。統合初年度となった2025年度入試の結果を踏まえ、合格に必要な戦略を解説します。
1. 入試の全体像と合格ライン
配点と比率
医学科(前期)の配点は二次試験重視型となっています。
| 試験区分 | 配点詳細 |
|---|---|
| 共通テスト | 180点(1000点を圧縮) |
| 二次試験 | 360点(英語120・数学120・理科120) |
| 合計 | 540点 |
| 比率 | 共通テスト 1 : 二次試験 2 |
合格ライン(目標得点率)
2025年度の入試データによると、合格最低点は上昇傾向にあります。
- 合格最低点:393.3点 / 540点(得点率 72.8%)
- 合格者平均点:408.53点 / 540点(得点率 75.7%)
かつては「6割〜6割5分」が目安と言われていましたが、近年は競争が激化しており、7割以上(できれば75%)を確保する学力が求められます。
2. 科目別 難易度と対策
① 英語:超長文読解と要約の持久走
| 難易度 | 標準〜やや難(語彙レベルは標準的だが、分量が圧倒的) |
|---|---|
| 形式 | 試験時間90分。1500〜2000語を超える超長文が1題。 |
| 時間制限 | 極めて厳しい。速読力と日本語処理能力が必須。 |
傾向と対策
- 2025年度は「培養肉」をテーマにした科学的な文章が出題されました。
- 最大の特徴は400字以内の日本語要約です。指定キーワードを使い、論旨を再構築する力が問われます。
- 正誤問題(内容真偽)の選択肢も多く、細部まで精読する必要があります。
② 数学:完全記述式の論理力勝負
| 難易度 | 難(設定が抽象的で、典型問題が少ない) |
|---|---|
| 形式 | 試験時間90分。大問3題。全問記述式。 |
| 時間制限 | 1問あたり30分かけられますが、完答は容易ではありません。 |
傾向と対策
- 2025年度は、伝統的だった「微積分」の出題がなく、空間図形(正二十面体)や整数・ベクトル、指数関数と対称性が出題されました。
- 「解法パターンを当てはめる」だけでは太刀打ちできず、誘導に乗りながら自ら実験・考察して論理を積み上げる力が求められます。
- 「計算力」と「記述力」がカギです。途中経過を論理的に説明できる答案作成能力が評価されます。
③ 理科:2科目同時進行の処理能力
| 難易度 | 標準〜難(考察・論述問題が多い) |
|---|---|
| 形式 | 試験時間120分で2科目(物理・化学・生物から2つ)。 |
| 時間制限 | 厳しい。思考力を要する問題が多く、時間配分が重要。 |
傾向と対策
- 物理:力学・電磁気が頻出ですが、2025年度は熱力学も出題。現象のグラフ化や数式の意味の論述が増えています。
- 化学:理論・有機・無機から万遍なく出題。医薬品など医学部らしいテーマの長いリード文読解力が求められます。
- 生物:実験考察問題が中心。「なぜそうなるのか」という因果関係を論理的に記述する力が必須です。
3. 共通テスト失敗時の「逆転」の難度
結論:逆転は可能だが、極めてハードルが高い
共通テストは180/540点と圧縮されるため、共通テストでの「5〜6点の失点」は、二次試験の「1点」で取り返せます。計算上は、二次試験での爆発的な得点力があれば逆転可能です。
しかし、合格者の二次試験平均得点率が75%を超えている現状では、ライバルたちも二次試験で高得点を取ってきます。共通テストで大きく失敗した場合、二次試験で8割近い得点が必要となり、難問揃いの試験内容を考えると「相当な実力差」がない限り逆転は困難です。
共通テスト90%が標準的なスタートラインであり、精神的余裕を持って二次試験に臨むためにも、ここでの失点は最小限に抑えるべきです。
4. 小論文・面接試験(主に後期日程・推薦等)
前期日程では学力試験の翌日に個人面接が行われますが(配点は総合評価)、後期日程では小論文と面接のみで合否が決まります。
面接試験(前期・後期共通)
- 形式:個人面接。面接官3〜5人に対し受験生1人。
- 内容:志望動機、自己分析、医師としての適性、倫理観など。後期では「研究医」としての資質や新大学への関心について深く問われることもあります。
小論文試験(後期日程のみ)
- 配点:100点(共通テスト500点+面接100点+小論文100点)。
- テーマ:医学・科学・哲学など多岐にわたります(例:「科学哲学」「医療における選択」など)。
- 対策:課題文を読み解き、内容説明や自身の考えを論述します。論理的な構成力と、医師として求められる倫理観や社会的視点を示す必要があります。
まとめ
東京科学大学医学部は、名称が変わっても「研究医養成」の旗印の下、極めて高い基礎学力と応用力を求めています。共通テストで盤石な点数を取り、二次試験では「解ける問題を確実に完答する」堅実さと、「未知の問題に論理的にアプローチする」思考力の両方を磨いて挑んでください。
東京科学大学医学部は、名称が変わっても「研究医養成」の旗印の下、極めて高い基礎学力と応用力を求めています。共通テストで盤石な点数を取り、二次試験では「解ける問題を確実に完答する」堅実さと、「未知の問題に論理的にアプローチする」思考力の両方を磨いて挑んでください。
※データは2025年度入試実績および2026年度入試予告に基づいています。最新の募集要項は大学公式サイトで必ずご確認ください。