以下の記事は2013年時の記事です。
Vol.12 「核分裂生成物」
現在実用化されている原子力発電は、核分裂反応を利用した発電方法である。核分裂反応で発生する熱を使って水を沸騰させ、その蒸気で蒸気タービンを回すことにより発電機を回して発電している。ウラン235を核分裂させると、核分裂生成物(セシウム137、ヨウ素131、ストロンチウム90などの放射性物質)ができる。
「放射線・放射性物質・放射能」
放射線を出す物質が「放射性物質」、放射線を出す能力が「放射能」である。「放射線」は放射性物質から出されるエネルギーで、電磁波や高速の粒子。放射線防護の際に問題となるのは、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、X線、中性子線である。
「被曝(ひばく)」
原発の大事故が起こると、大量の放射性物質が微粒子になって大気中に流れ出す。その放射性物質から放射線が放出される。放射線にさらされることを「被曝」という。もし放射性物質の微粒子を吸い込んだり、汚染された水や食物をとおして体内に取り込むと、それらの放射性物質は体内から放射線を照射し続けることになる。これを「内部被曝」という。 放射線の量を「線量」という。 放射線により生ずる障害は、総被曝線量に比例する(厳密には、同じ線量でも短時間に受けた方が被害が大きい)。 体内に放射性物質を取り込んだ場合は、内部被曝を受け続ける。その量は体が放射性物質を排出する割合と放射性物質の減衰(半減期)に応じて減っていく。
「被曝許容限度」
原子炉等規制法と放射線障害防止法では、一般の人の年間(総)被曝許容限度は「自然放射線による被曝に加えて1年間に1ミリシーベルト(mSv)」と決めている。 東京都の空間線量率は、2011年3月1日から14日は1時間当たりおよそ0.035マイクロシーベルト(μSv)で、年間被曝量に換算すると約0.3ミリシーベルト。2011年9月1日から14日は、1時間当たりおよそ0.056マイクロシーベルトで、年間被曝量に換算すると約0.5ミリシーベルトとなっている。
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- 核分裂生成物/放射線・放射性物質・放射能/被曝(ひばく)/被曝許容限度
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- 放射線障害 しくみ/放射線障害 しきい値
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- ベクレル(Bq)/グレイ(Gy)/シーベルト(Sv)/ベクレル・グレイ・シーベルトの関係/ベクレルとシーベルトの換算
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- 臓器移植法改正後の問題点
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