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以下の記事は2013年時の記事です。

Vol.11 「放射線障害 しくみ」

放射線によりDNA鎖が直接的に傷つけられる場合と、電離作用によって生成された過酸化水素、イオン対などによって間接的に傷つけられる場合がある。 DNAの2本の鎖の同じ箇所が書き換えられた場合、細胞はアポトーシス(プログラムされた細胞死)を起こすか、DNA鎖が傷ついたままで生き残る。生き残ってそのまま損傷が固定化すると、細胞の活動が異常となり、ガンや白血病を引き起こすことがある。 腸や骨髄など細胞の増殖が速い器官や組織は、筋肉や腱など細胞の増殖速度が遅い部位に比べ、放射線による影響を受けやすい。また、精子や卵子も放射線による損傷を受けやすい。

「放射線障害 しきい値」

しきい値とは、一般に境界線、境目のことを指し、ある値以上で効果が現れ、それ以下では効果が現れないことをいう。つまり、この量を超えなければ害がでないという「量」があると き、それをしきい値(閾値)と言う。250mSv以上浴びると急性障害が出るといい、7Sv以上浴びた場合は生存が難しいといわれている。1999年の東海村の臨界事故でも7Sv浴びた作業員は死亡した。やけど、内出血、け いれん、脱毛、水晶体混濁、白血球減少、永久不妊などの急性障害には"しきい値が存在している"と考えられている。

晩発性障害としては、ガン・白血病、遺伝障害、白内障、胎児の障害、などがあり"しきい値はない"といわれている。しかし、これらが発現したとしても、その原因を数十年前に浴びた放射線だと特定することは難しい。統計的に放射線を浴びた人たちに、これらの障害の発生の確率が高くなるというものである。ICRP(国際放射線防護委員会)は、1Svを被曝すると一生の間に致死的ガンになる確率を0.05としている。つまり、20人が1Sv被曝すると、1人は致死的ガンになるということである。職業人の限界線量50mSv/年だから400人に1人、あるいは40年間その量を浴び続けると10人に1人が致死的ガンになる確率である。一般人の限界線量1mSvにしても、2万人に1人は致死的ガンになる、50年間では400人に1人となる。この比例関係が続けば、どんなに被曝量が小さくても浴びる人が多くなればなるほど、また浴びる期間が長くなればなるほど、致死的ガンになる人の数が多くなる。

上記のように微量放射線の害は確率的現象なのだから、いくら被曝量が少なくても発病の確率が低くなるだけでゼロにはならない、つまり"しきい値はない"という説が一般的だが、ある量以下ではほとんど害がないから"しきい値がある"と主張する説もある。他にも、極微量ならばかえって細胞を活性化して健康に良いという説(ホルミシス説)まである。 (International Commission on Radiological Protection)

また、内部被曝も問題だ。 外部被曝なら"遮蔽物をおく""放射線源に近づかない""接するときはできるだけ短い時間で"という対策をとることができるが、体内に入ってしまった放射性物質には、こうした対策がとれない。そのためα線なども大量に浴びてしまう可能性が高い。α線の実体はヘリウム原子核なので高エネルギーでダメージも大きい。元素によって特定の器官に集まる性質がありヨウ素131は甲状腺に、ストロンチウム90は骨に集まるので、この部位が集中して放射線を浴びることになり危険である。プルトニウム239の微粒子も吸い込むと肺に沈着し 肺ガンの確率が高くなる。

福島原発事故のあと"安定化ヨウ素剤を飲む、飲まない"というのが話題になったが、放射性でないヨウ素を飲み、あらかじめ甲状腺を飽和させておけば放射性ヨウ素があまり取り込まれないだろうという理屈だ。しかし、ヨウ素剤を飲むことによる副作用との兼ね合いも考えなくてはならない。

一般的には、あまり過敏になる必要はないだろうが、やはりできるだけ被曝量を少なくする努力はした方がいいだろう。