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東京医科大学 一般選抜 出題傾向 物理

東京医科大学の物理は、力学・電磁気・波動・熱力学・原子の全5分野から毎年もれなく出題されるのが最大の特徴です。試験は全問マークシート方式で行われますが、計算量が非常に多く、数値計算の煩雑さや高い数学的処理能力が求められます。

2023年度以降、難易度が上昇傾向にありましたが、最新の2025年度もその傾向は継続しており、全体として難度が高くなっています。問題数が減少した年(2025年度は5題)でも、計算負荷や思考力を要する設設問が多く、時間配分が合否を分ける鍵となります。

試験形式の安定性と構成

  • 試験時間と科目:理科2科目で120分(物理には60分)。
  • 解答形式:全問マークシート方式。
  • 大問数:年度により変動が激しいのが特徴です。
年度 大問数
2018年度 5題
2020・2021年度 9題
2022年度 7題
2023年度 8題
2024年度 6題
2025年度 5題
  • 構成:2025年度は、第1問が全分野からの小問集合(6問)となり、第2問以降に各分野の総合問題が配置されました。
  • 付録:問題冊子の巻末に物理定数表や三角関数表が添付されており、これらを用いた数値計算が頻出です。

試験形式の大きな変化

試験形式(マーク式、時間)に変化はありませんが、大問数と出題構成には揺れがあります。

問題数の減少と難化(2024-2025年)

2020年代初頭は小問集合を含めて9題という多さでしたが、2024年は6題、2025年は5題へと減少しました。しかし、2025年度の講評で「問題数は減ったものの、難度が高かったり時間がかかったりする問題が含まれており、全体として難度が上がっている」と指摘されている通り、1問あたりの重みが増しています

小問集合の復活

2025年度は第1問が小問集合形式となり、ここで力学、熱、電磁気、波動、原子と幅広い分野が問われました。

出題分野や出題テーマの傾向

全分野から偏りなく出題されます。近年の頻出テーマは以下の通りです。

分野 主な出題テーマ(2018~2025年度)
力学 斜面への斜方投射(到達時間・距離の最大化)、可動台と物体の相対運動(慣性力)、単振動(ばね・浮き)、円運動、剛体のつり合い(はしご)。
電磁気 RLC交流回路(位相差・インピーダンス・共振)、非線形抵抗(ダイオード・電球)を含む回路のグラフ解析、電磁誘導(磁場中を動くコイル)、コンデンサー(誘電体の挿入・移動)。
波動 ドップラー効果(2台の車、円運動する音源)、薄膜の干渉、ニュートンリング(液体の屈折率)、光の屈折と全反射。
熱力学 熱サイクル(P-Vグラフ、熱効率の計算・最大化)、断熱変化(ポアソンの式)、気体の混合。
原子 放射性崩壊と半減期、光電効果、ボーアの原子模型(線スペクトル)。

特徴的な傾向

高度な数学的処理と近似計算

  • 三角関数の加法定理を用いた最大値の導出や、相加平均・相乗平均の関係を用いた熱効率の最大化など、高度な数式処理能力が問われます。
  • 「有効数字の桁数より1桁多くとる」という計算指示が徹底されており、途中計算での丸め誤差に注意が必要です。
  • 三角関数表を用いて、特定の角度を比例配分(補間)で近似して求める問題も過去に出題されています。

グラフを用いた解析

ダイオードや電球などの非線形素子を含む回路問題が頻出です。キルヒホッフの法則から導いた直線の式を、素子の特性グラフ(I-Vグラフ)に書き込み、交点を読み取る手法が必須です。

導出過程の重視

公式の暗記だけでなく、原理からの導出が求められます。例えば、断熱変化におけるポアソンの式の適用や、ドップラー効果の公式導出、ニュートンリングの光路差の近似式など、教科書レベルの現象を深く理解している必要があります。

対策

1. 全分野の穴のない学習

原子分野を含め、全5分野から必ず出題されるため、苦手分野を作らないことが最優先です。特に原子分野(半減期、光電効果)は計算問題として定着させておく必要があります。

2. 計算力の強化(スピードと精度)

普段の演習から、電卓を使わず手計算で有効数字を意識して解く習慣をつけてください。特に、分数計算や根号を含む計算、三角関数の処理を素早く行えるようにしましょう。

3. 「グラフ解法」と「最大・最小問題」の習熟

  • 電磁気では、特性曲線と負荷直線の交点を求めるグラフ解法をマスターしてください。
  • 力学や熱力学では、変数が変化したときの物理量の最大値を求める問題に対し、微分や相加・相乗平均、三角関数の合成などの数学的手法を使えるように準備しておきましょう。

4. 時間配分戦略

問題数が少なくとも計算が重いセットになることがあります。試験開始時に全体を見渡し、解きやすい問題から確実に得点し、計算が泥沼化しそうな問題は後回しにする判断力が重要です。