レクサス どっと読む
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中学・高校時代こそ、本を読むべき時。

とくに、中高一貫の中学生。高校入試がないというメリットを生かさないのは、もったいなさ過ぎます。

「中高生、ひまさえあれば本を読むべし」……レクサスからの提言です。

どっと読む3冊目:『街の灯』北村 薫(きたむら かおる)著 文春文庫

当代きっての日本語の使い手、北村薫。

直木賞を受賞した『鷺の雪』へと連なる3部作の、第1作がこれ。

少々難しく感じられるかもしれませんが、何といっても北村さんの日本語が上手(うま)くて美しく、是非とも熟読玩味してほしいので、あえて取り上げた次第。

たとえばどういうところが上手くて美しいのかというと……

その1。

日本語では、一人称の主語が多過ぎると不自然になるのですが、最初の3頁を数えてみると、「わたしは」という言葉は、なんと1箇所しかありません。

「一人称視点」(「わたし」の視点)で書かれているにもかかわらず、です。

その2。

句読点のつけ方も絶妙です。読むときには、読点「、」で息継ぎをしながら読んでみることをオススメします。

その3。

古典で「き・けり・ぬ・つ・たり・り」と豊富だった過去・完了の助動詞は、現代語では「た」だけになってしまいました。ですから上手く書かないと、「た」だらけの単調な文章が出来上がってしまいます。

プロの書き手でも同じこと。「た」が鼻につく文章は、意外に多いものです。

ところがこの『街の灯』。最初の3文で「た」をたたみかけた後は、3頁目に至るまで、「た」で終わる文は1つしかありません。

でもまあ、こんな細かいことを気にしていると、肝心の中身が頭に入ってきませんね(笑)。

その他にも、登場人物の名前の紹介のしかたとか、風景描写とか比喩とか、上手いなあと唸るところは、まだまだたくさんあるのですが、キリがないのでこの辺で。

そうそう、中身についても少しは語っておかないといけません(笑)。

時は昭和7年(1932年)――関東大震災の9年後、世界恐慌の3年後、そして「満州事変」の翌年。

主人公・花村英子は、上流家庭のお嬢様。華族様たちの通う女学校の、今で言えば中学2年生。

ある日、おつきの運転手として女性が雇われることになり、英子は彼女をベッキーさんと呼ぶことにします。

このベッキーさんが、かっこいいんですわ〜♪

……ぜんぜん中身の紹介になってないですか? まあ、読めばわかります(笑)。

ちなみに、北村薫の他の作品も、ぜ〜んぶオススメです。

とくに、『空飛ぶ馬』(創元推理文庫)、『覆面作家は二人いる』(角川文庫)、『冬のオペラ』(角川文庫)あたり、是非ともご一読あられませ(^^)/

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