有機化学のオキテ

<29>合成高分子(総論)
掟45.個々の合成高分子のモノマーや重合する場合の反応様式を正確に覚えておくべし。(特に6,6-ナイロンとポリエチレンテレフタラート)

<29-2>

次の文章を読み各問に答えよ。答は各問の選択肢の中から選べ。文中に2箇所の空欄( a ),( b )がある場合には,これらに当てはまるものが( a ),( b )の順に並んでいる組み合わせを選べ。

合成高分子は,1種類またはそれ以上の種類の小さな分子(単量体)を原料とし,それらを次々と結合(重合)させてつくられる。重合により生成する高分子(重合体)の繰り返し単位の数は重合度とよばれる。合成高分子では分子量の異なる分子が混在しているので,その分子量は平均分子量として表される。したがって,重合度についても,平均分子量を繰り返し単位の式量で割った値を平均重合度としている。(有機化学のオキテP80)

1.ポリ酢酸ビニルの合成原料となる単量体は,次のどの方法によってつくられるか。
(A)エチレンに無水酢酸を反応させる。
(B)アセチレンに酢酸を付加させる。
(C)塩化ビニルに酢酸を反応させる。
(D)ビニルアルコールに酢酸を縮合させる。
(E)酢酸エチルから分子内で脱水素させる。

2.6,6-ナイロンの合成原料は次のどれか。
(A)カプロラクタム
(B)マレイン酸とエチレングリコール
(C)マレイン酸とヘキサメチレンジアミン
(D)アジピン酸とエチレングリコール
(E)アジピン酸とヘキサメチレンジアミン

3.重合度nの6,6-ナイロン1分子ができるときに生成する水分子の数はいくつか。
(A)n (B)n-1 (C)2n
(D)2n-1 (E)2n-2

4.ポリプロピレンをプロピレンCH2=CHCH3から合成する反応様式を( a )といい,ポリエチレンテレフタラート(ポリエステル)をテレフタル酸HOOCC6H4COOHとエチレングリコールHOCH2CH2OHから合成する反応様式を( b )という。
(A)開環重合―付加重合 (B)開環重合―縮合重合 (C)開環重合―共重合
(D)付加重合―共重合 (E)付加重合―縮合重合 (F)付加重合―開環重合
(G)縮合重合―開環重合 (H)縮合重合―共重合 (I)縮合重合―付加重合

5.ポリエチレンテレフタラートの繰り返し単位の式量は( a )である。この値を用いると平均分子量5.00×104のポリエチレンテレフタラートの平均重合度は( b )となる。 C=12.0  H=1.00  O=16.0
(A)192-260 (B)196-255 (C)208-240 (D)210-238 (E)228-219

<北里大学医学部>

<29-2>解答と解説

有機化学のキテP211

<解答>

1.(B) 2.(E) 3.(D) 4.(E) 5.(A)

<解説>

1・ポリ酢酸ビニル

酢酸ビニルはアセチレンに酢酸を付加させて合成するので(B)を選ぶ。

2・6,6-ナイロン

よって(E)を選ぶ。
 

3 6,6-ナイロン1分子ができるときの反応は

よって(D)を選ぶ。
 

4・ポリプロピレン

モノマーからポリプロピレンを合成するときの反応様式は付加反応。
 

・ポリエチレンテレフタラート

モノマーからポリエチレンテレフタラートを合成するときの反応様式は縮合重合。よって(E)を選ぶ。
 

5 ポリエチレンテレフタラートの繰り返し単位は

であり,その式量は192である。
平均分子量が5.00×104なので平均重合度をnとすると

192n=5.00×104

n≒260

よって(A)を選ぶ。

<補足>

5で平均重合度を求めるときに分子の両端についているHとOHの式量を加えないで計算しているが,これはHやOHに比べるとポリエチレンテレフタラートの分子量が充分に大きく,計算にはほとんど影響が出ないためである。

掟45.個々の合成高分子のモノマーや重合する場合の反応様式を正確に覚えておくべし。(特に6,6-ナイロンとポリエチレンテレフタラート)